こんにちは。土木公務員ブロガーのカミノです。
ここでは土木系の大学生の就職先について書きたいと思います。想定は地方国立大学の理工学部・工学部の土木工学科卒です。
あくまで私のイメージで解説していますので、その点ご了承くださいm(_ _)m
土木系の就職先
まず、土木系の就職先は大きく5つに分けられます。(私独自の分類です)
- ゼネコン(建設会社)
- 建設コンサルタント
- インフラ企業
- 公務員
- その他
例えば、山口大学工学部の社会建設工学科の就職先割合はこのようになってます。
大学院まで行くと、より専門性の高いコンサルタント・専門会社が多くなりますね。
一つずつ解説していきます。
ゼネコン(建設会社)
ゼネコンとは、総合建設業といって、工事の元請負者として工事を完成させる会社のことを言います。下請けの専門施工会社(サブコン)も進学先に挙がります。
土木技術者としては、発注者と打合せを重ねて工事の段取りを行い、下請け業者等を監督して工事を竣工させるいわゆる“現場監督”の仕事を主にすることになります。
土木のイメージである3K(きつい・汚い・危険)の代表格とされる仕事ですね(;´Д`A
労働環境的にはかなり厳しいと思われます。就活の説明会や会社のパンフレットを見るだけでも、「夕方17時に現場作業終了〜夜22時まで事務所で書類作成・打合せ」などと書かれていますから。ビビります。就活の場で、対外的に公表しているものでコレですからね。その労働環境は想像を絶すると思います…。
その分給料は高め。
過酷な労働環境を耐え抜き、勉強もかなりすることになるので人間的にタフで40手前でも一般人とは顔つきが違いますね。ゼネコン戦士たちは日本を支えています。
大手や中堅ゼネコンの現場監督の場合は、1つの現場が大きいので、その現場に1年以上配置されることも珍しくないのですが、僻地なこともあるので遊ぶ場所がなかったり休日にすることがないとよく聞きます。高給ですがお金を使う機会が少なく、倹約家ならかなりの資産が築けると思います。
中堅以上のゼネコンなら全国転勤が当たり前なので、単身赴任が嫌な人はきついかもしれません。
現場でおっさんばっかりを相手するので女性は不向きです。おっさんと話すのが好きなら天職ですね。
地元の大学から、サブコンや地元の中小施工会社に就職する人も多いです。
建設コンサルタント
建設コンサルタントとは、土木工事に関わる調査、企画、立案を行う業種です。
実際には、「建設コンサル」と「測量コンサル」と「地質調査コンサル」のように分かれていると思いますが、ひとまとめにしてご紹介します。
具体的には、発注者と協議して、調査結果・測量結果を報告して、工事の仕様を決めたり、図面の設計や工事数量の算出などを行います。工事の前段階の調査のみや計画のみを行うコンサルタント業務もありますよ。
一口にコンサルタントと言っても、河川・砂防・地質調査・道路・交通・鉄道・港湾・空港・都市計画・環境・上下水道・通信網・廃棄物・新エネルギー開発など、土木全てを網羅する色んな分野があり、それぞれの専門家がいます。会社によって強みがありますので、実際は就職説明会などで詳しく聞いてみてくださいね。
コンサルの労働環境もなかなか過酷で、夜遅くまで仕事をしているイメージですね。
土木の専門家として業務を請け負うので発注者からの質問に答えられなきゃいけないし、設計の根拠を全て詰めておく必要があるので、相当な勉強量が求められます。
その分自分のやりたい分野に配属されれば、とことん突き詰めることができる環境ですし、私の友人たちはキラキラしてる人たちが多いです(笑)
大手コンサルなら転勤は多いですが、ある程度行きたい地方は選べるようです。自分がよく知ってる地域の方が活躍できますもんね。地場コンサルなら主に県内の仕事を行います。
公務員以上に技術士の資格取得を目指す方が多いです。
インフラ企業
インフラ企業は、例えば電力会社やガス、JR、高速道路などの民間会社のことです。その名の通り、公共施設で独占企業だったり元国営だったりするので半分“公”で半分“民”って感じのイメージですね。
競争相手が少ないし公的支援も期待できるので、それだけ安定している就職先と言えます。
電力・JRは大学にもよると思いますが、土木学科から毎年枠がありますので、しっかりOB訪問やメール相談などを行いフル活動すれば大手企業にも行く事ができますよ。
仕事内容は、所有している施設の維持管理ですね。大規模な新設はこれからは少ない気がします。
ちなみに、JRは電車オタクは採用せず、どちらかといえば陽キャラをとります。オタクは機密情報・未発表情報を漏らす可能性がありますし、鉄道施設の管理業務にオタクは不要ですから。
JRに行った私の友人は、人身事故の現場に行って遺品(遺物?)拾いもしたことがあるそうです。飄々と話していたけど覚悟がいる現場ですよね。
公務員
ご存知の通り、公務員もいろいろあります。
- 国家公務員(総合職)
- 国家公務員(一般職)
- 地方公務員(都道府県)
- 地方公務員(市区町村)
国家公務員と地方公務員は全く別物です。やってることは似ていますが、規模感が違うし、相手先が違います。都道府県と市区町村は、すこし違いますが割と同じような仕事です。
仕事内容は様々。希望部署に行けるとも限らないし、就職前は全然イメージ湧かないと思いますので、仕事する規模感の違い・転勤の有無で選んでも全然いいと思いますよ。
ただし、その自治体と自分に縁とゆかりがあるか、その自治体にポテンシャルを感じられるかは検討材料に入れましょう。辛い職場に当たった時とか、働くモチベーションにも関わってくるので。
民間企業との違いは、一律の採用試験があること、解雇がないこと。ですね。
公務員試験については、採用試験対策のカテゴリーでまとめていますのでぜひ参考にしてください。
よく新卒でいきなり公務員はやめた方がいいと言われますが、別にそんなことはありません。土木公務員としてやれる事は沢山あって成長する機会は多いし、しっかり自己研鑽すれば転職も全然難しくありません。
公務員は他に比べれば楽ですが、お客を全く選べないという苦しさがあります。激務部署もありますし。私の同僚でゼネコン・コンサルを経験した中途採用の方は、「普通に忙しい、もっと楽だと思ってた。」と言ってる人もいます。
市役所での土木技師の配属先は、こちらの記事で解説してます↓
ちなみに女性が就職するなら公務員が断然オススメ。やはり福利厚生がいいよね。コンサルもなかなかオススメですけどね。
その他の就職先
その他を一括りにしてますが、もちろん1〜4以外の就職先もごまんとあるわけで、私が知ってる範囲で書いてみようと思います。
研究職(大学)
まず、大学に残る選択肢がありますね。研究したい分野がはっきりしてるとか、どうしても教授になりたいとか、やりたいことが見つからないのでそれまで研究室に籍を置かせてもらって就職先を探すとか。
個人的には、せめて一般企業や公務員に数年勤めてから教授になってほしいです。土木ってガッツリ実務なので、研究しかしてませんみたいな人が土木の分野でまともな研究をできるわけないからです。
材料メーカー・製造業・プラント
一括りにして大変申し訳ないのですが、材料系の会社、鉄鋼業、造船業、プラントなど、ゼネコンとコンサル以外の土木専門会社をまとめてしまいました。幅広い分野で会社がありますね。
ゼネコンと同じ枠と考えてもらってもいいかなと思います。
私の同級生だった土木学生たちも専門の研究をしてからその道に行く人もいれば、元から憧れだった海外のプラントを主戦場とする企業に行ったり、大手造船に行ったりしてました。
ディベロッパー・不動産
都市再開発、大規模宅地開発、リゾート開発など都市や土地の開発を行う業種です。
三井不動産とか三菱地所とか。
大体建築系の学生が行くイメージですが。土木でも全然行けるかも。
あと、オススメしたいのが都市再生機構(UR)ですね。独立行政法人として、都市の再開発とか災害復旧とかまちづくりをしてます。私の友人が就職しましたが、やはり街の再開発をガッツリ担当できるというのはザ・花形って印象でめっちゃ仕事しがいがありそうです。業務内容はコンサルみたいなものですけど、独立行政法人なので“官公庁+コンサル”って感じです。
公益法人
あともうひとつ穴場的な就職先だと思うのが、公益法人ですね。
公務員になってある時気づいたのですが、「あれ?公益法人めっちゃホワイトっぽくない?」と思いました。
公益法人って何よ?って思う方いらっしゃるかもしれませんが、私も正確にはよくわかっておりません。
まあ、簡単にいうと、私益のためではなく公共の利益となる業務を行う会社、とでも思っていただけたら。厳密には違うんですがここでは一般社団法人とかも含めてます。
例えば、道府県にある建設技術センターとか、(公社)日本河川協会とか、(一財)日本ダム協会とかのことです。よく目にしますし、協会員だったりしますよね。そこに就職するとか考えたことなくないですか?でもよく考えたらホワイトっぽいし、めっちゃよくないですか?
採用実態は不明ですよね。なんか公務員の天下り先なイメージですし、新規採用とってるのか分かりません。でも、やっぱり若手社員も必要だと思うし、熱意を持ってアプローチしたら意外に採用面接とかしてくれるかも(笑)
終わりに
土木系学生の多岐にわたる就職先について書いてみました。
どれも大事な仕事ですし、勝ち組・負け組は無いのかなと思います。意識低めならどこもお断りだし、意識高めならどこでも上を目指して活躍できます。
就活のスケジュールを把握しておりませんが、大学生、大学院生たちの参考になれば幸いです。
それぞれの進路について、もっと詳しく書くかもしれません。
特に公務員は絶対詳しく書きます!試験のことも書きます。必勝法を!
就活頑張れ!ベストな選択を!
では、この辺りで失礼します。
ありがとうございました〜。
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