変更図面は発注者が作るものです

土木全般

こんにちは、土木公務員ブロガーのカミノです。

皆さんは変更図面つくってますか?

変更図面とは、契約図書の一部である「図面」について契約変更の内容に合わせて訂正変更を加えたものを言います。

ここでは変更図面のあり方について少しお話します。

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変更図面は誰が作ってる?

変更図面とは、契約図書の一部である「図面」について契約変更の内容に合わせて訂正変更を加えたものを言います。

この変更図面は、工事の変更契約を締結するときに必要になります。役所側の決裁に必要なのです。

作成するタイミングは変更契約時つまり工期末が多いですね。現場が余裕をもって終わっていればラクなんですが、竣工に向けて急ピッチで現場作業が進んでいるところで変更をしなければいけないときも多々あります。

そこで、「忙しい中誰が変更図面を作るのか」という問題が発生します。

てことでTwitterでアンケートをとってみました。

27.0% 発注者が全部作る
6.4% 両者が負担量半々で作る
41.3% 受注者が作り発注者が微修正
25.2% 受注者が全部作る

「受注者が作り発注者が微修正」が一番多いという結果でした。

意外か?と言われると、まあ、そうだろうなという結果でしたね。

発注者が全部作る

意外かもしれませんが、発注者が全部作ることもありますよ。市役所がこの傾向が多いと思いますね。私はよほど難しくない限り自分で作っていますし、周りの職員もそんな感じです。複雑な大規模工事が少ないからかもしれませんが(;´・ω・)発注者支援業務のコンサルにお願いすることもあります。

この場合は、もちろん業者さんとの協議によって数量を確定しておき、その数量を基にして正式な変更図面を仕上げるわけです。業者さんから上がってきた出来形図面を見ながら、当初図面を書き換えることも多いですね。様式が違うので書き換えた方が早いのです。(「受注者が作り発注者が微修正」にあたるかな?)

作られた変更図面は、受注者に見せずに変更契約することもあります(てゆーか忘れてるだけ)。数量と変更金額は示しているので受注者サイドから要求されたことはないですね。

両者が負担量半々で作る

一応選択肢が余ったので入れたのですが、6.4%でしたね。

逆にどんな感じで作業するのか知りたいです(笑) 受注者が作成して納品したものを発注者が大幅に訂正するとかですかね?

受注者が作り発注者が微修正

一番多かったですね。

市役所でも実際のところは部署や担当者によって受注者に任せてることもあります。半強制的にさせてるのが実情かもしれません。

展開図や各構造図などは施工者に作ってもらうほうが効率的ですしね(職員のCADスキルでは作れないことも…)。図面の難易度次第なところもあるはずです。

元請が作るのか、下請けが作るのかは業者さん次第だと思います。作業のすみ分けができている場合は、特定の図面屋さんから直接市役所に納品されることもあります。

協議簿の時点で、受注者が図面を作ってくれていることも多いです。役所担当者によっては図面をつけろ!と強制することもあると思います。じゃないと決裁が通らないので。受注者発議であれば役所から強く言いやすいわけですね。そのような図面のCADデータをもらい設計図書に合うように様式を整えたりするのが主流だと思います。

カミノ
カミノ

完成図や出来形図面は受注者が作成するので、それを変更図面に流用することも多いですね。

受注者が全部作る

1/4の方が「受注者が全部作る」という結果でした。

ほんとご苦労様です。

完成図や出来形図面を作るノリで、変更に必要な図面一式をすべて受注者が作ることもあるみたいですね。国の工事に多いかもしれません。

カミノ
カミノ

協議の段階で用意しておかないと話が進まないとか、時間が掛かるとかいう理由で皆さん作られているようですね。

変更図面は発注者が作るもの

作成パターンを見てきましたが、ルール上は変更図面は発注者が作るものとされています。

そのルールを確認しておきましょう。

「工事請負契約における設計変更ガイドライン」です。各自治体が公表していますが、ここでは国土交通省 関東地方整備局のガイドラインを参考にします。どれも同じですよ。

工事請負契約における設計変更ガイドライン (mlit.go.jp)

第4章と5章の「設計変更に関わる資料の作成」のところに手続きフローとわかりやすい説明が載っています。

設計照査に必要な資料作成は?

まずは、協議から。

協議に必要な資料は、受注者が作成するものとされています。

ここで図面や検討書・各種資料、工程表を提示したりすると思います。このときの資料作成費用は受注者負担です。

「工事請負契約における設計変更ガイドライン」関東地方整備局より
カミノ
カミノ

わかりやすい図面と資料を用意してもらえると協議の決裁がスムーズに下りますよ。

設計変更に必要な資料作成は?

本題の、設計変更に必要な資料作成ですが、

これは発注者が行います!

発注者が作成・提示した設計図書に基づいて契約しているので、その設計図書の訂正・変更義務はとうぜん発注者にあります。

もし、受注者に作成してもらうなら、そういった指示(協議)を行い、作成費用を計上しなければいけません。

まあ、その積算も面倒くさいし、時間が掛かるよりはさっさとやっちゃうよってことで受注者がやってくれてるのが実情かもしれませんね。お互いに納得しているならいいですが…。

「工事請負契約における設計変更ガイドライン」関東地方整備局より
カミノ
カミノ

受注者の好意に甘えて変更図面一式を作成させているそこのアナタ!
それは職務怠慢ですよ。

おわりに

ということで変更図面について色々書いてみました。

Twitterのフォロワーさんの話として、県・市は受発注共に協力するって傾向が多く、国は完全に発注者支援業務ガチャ。しない人は一切しないしする人は全部する。感覚的には受注者負担5割、3割は協力体制、2割は何もしない、とのことです。

私も地元業者さんに聞いてみたところ、同じような回答でした。

まあ発注機関ごとにも事情はいろいろあるみたいですね(;´・ω・)

カミノ
カミノ

皆さんも本来のルールをわきまえた上で、受注者と協力して変更契約を遅らせないようにしましょう。

では、今日はこのあたりで。

またぬん(*’ω’*)ノ

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