袖ビームとは、ガードレールの端部に設置される部材のことです。
こんにちは、土木公務員ブロガーのカミノです。
今日は袖ビームについて解説します。
袖ビームって聞いたことありますか?
袖ビームとは?
読み方はそのまま「そでびーむ」です。
袖からレーザービームを出す必殺技のようですが、実は全然違いまして、
ガードレールの端部に設置される部材のことを言います。
ちなみにガードレールとは、車両用防護柵の一種です。
名前の由来
袖は、体で言えば両脇にありますから、建設用語でも「両脇」「端っこ」とかの意味で使います。
ビームは、「梁」のことをいいます。ガードレールで言えば横にくっついてる板の部分がビームと呼ばれます。
合わせて「袖ビーム」というわけです。
袖ビームの役割
ガードレールの役割は、当然、車両が車道からはみ出すのを防ぎ、車両の転落防止や通行者への被害をなくすことです。
警察の事故係や自治体の道路管理課にはよく事故の連絡があるんですが、なかにはガードレールあってよかったな~っていう事故もあります。殆どは掠った程度で済みますけどね。
端に設置される「袖ビーム」の役割は以下のようなことがあげられます。
- 車両がガードレールの端部へ衝突した際の衝撃を抑える。
- 支柱間の隙間をなくす。
車両がガードレールの端部へ衝突した際の衝撃を抑える。
ガードレールって厚さ3~4ミリの鉄板ですから、端からぶつかった車は突き刺さってしまいます。
非常に危険です。
ですから、端部を丸く処理した袖ビームを取り付けます。しかも50cmくらい余裕があるので軽い衝撃なら吸収して支柱への影響をなくしてくれます。支柱さえ無事なら補修もすごく簡単です。
端部が処理されていないと危ないですよね。子供も触ってケガしちゃいます。
支柱間の隙間をなくす。
これは実際に管理する立場からすると、こういう役割もあるんだよと感じることです。
支柱はあまりに近接して設置できませんから、どうしても支柱間に隙間ができてしまいます。曲がり角とかだと通常ビームを使えないので、その隙間を埋めるには袖ビームがちょうどいいのです。
30cmくらいの隙間ができていることはよく見かけますが、設計不備と言えますね。水路への転落防護柵とかにもあてはまることです。まあ、その程度の隙間で子供たちが危ないとか言い出すのも過保護な気もしますが。
袖ビームの設置基準は?
私が昔、道路構造令や防護柵設置基準等を調べたときは、袖ビームについての基準等はありませんでした。「ちゃんと端部を処理しなさいよ」程度の記述だったと思います。
ちなみにガードレールの規格については決まっています。製品としては通常は高さ70cmのものが使われていますので、道端で急に70cmを測りたくなったらガードレールの高さと比べてみてください。
材質としては鉄板だけでなく、ゴム製やプラスチック製の袖ビームもあるようです。比較的コンパクトです。ゴム袖とか言ったりします(笑)
しかし、ゴムだとすごく劣化が早いし、衝撃吸収性も通常の鉄板製で幅50cmある方がいいと思いますので、ゴムやプラスチックはやむを得ない場合以外は採用しないほうがいいでしょう。
袖ビーム同好会
日本トップクラスにエキセントリックな大学である京都大学には、袖ビーム同好会「無い袖は振れぬ」という同好会もあるようです(笑)
京大以外の老若男女誰でも大歓迎!とのことですので、気になる方は是非フォローしてみてください。
袖ビームの色んな写真をツイートされてます。
私もフォローしてみました。
では、今日はこのあたりで失礼します。
ありがとうございました。
コメント