公務員にも資格手当がほしい!

給料・休暇・福利厚生

こんにちは、土木公務員ブロガーのカミノです。

公務員は資格手当がありません。

先日こんなツイートをしました。

このツイートをしたら「導入している自治体もありますよ」という情報をいただきました。

え?あるの?( ゚Д゚)

そこで、ちょこっと調べてみましたのでお伝えします。建設系の技術資格を想定しています。

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国家公務員には資格手当はない

ネットでさらっと調べた感じでは、やはり「公務員は資格手当がつかない」という共通認識で間違いなさそうです。自治体がお手本にしている国家公務員には資格手当はありません。

資格手当が入るとしたらおそらく特殊勤務手当の分類だと思いますが、これは「著しく危険、不快、不健康又は困難等著しく特殊な勤務に従事する職員に支給されるもの」であり、定められている27種類のなかには資格手当に該当するものはありません。

表をみてもらうと分かりますが、資格に手当をつけるんではなくて、業務したことに対して手当がついてますね。つまり、特殊勤務手当は技能に対して手当をつけていると言えます。

うちの市役所では基本的に一般行政職にはつかず、技能労務職がメインで支給されているようです。私がどんなに道路上で作業しても手当ゼロというわけ…(´;ω;`)ウッ(主張すればもらえるかもしれませんが)

ちなみに、医療系などの免許資格が必要な職種は、一般行政職とはべつに少し高めの給料表が設定されています。それ以外には国家資格を取ったとしても給与面でのメリットはありませんね。

資格手当がある自治体

そんな状況ですが、佐賀市、生駒市では資格手当があることがわかりました。

すごいぞ佐賀市!生駒市!

ネットで調べただけなので、ほかにも密かに導入している自治体があるかも!

佐賀市の場合

佐賀市の場合は、条例と規則でこのように定めています。

職員の特殊勤務手当に関する条例
(資格手当)
第12条 資格手当は、土木、建築又は電気に関する国家検定資格を有する職員が、検査、監督又は調査の業務に従事したときに支給する。
2 前項の手当の額は、月5,000円の範囲内とする。

職員の特殊勤務手当に関する規則
(資格手当)
第8条 条例第12条第1項の土木、建築又は電気に関する国家検定資格を有する職員とは、一級建築士、電気主任技術者(第一種及び第二種)、技術士又は一級土木施工管理技士の資格を有する職員(略)のうち、当該資格を取得した日(略)から3年(以下「支給期間」という。)を経過しないものとする。(略)
2 条例第12条第2項に規定する手当の額は、次の区分により支給する。
(1) 一級建築士 月5,000円
(2) 第一種電気主任技術者 月5,000円
(3) 第二種電気主任技術者 月4,000円
(4) 技術士 月5,000円
(5) 一級土木施工管理技士 月4,000円
3 前項の規定にかかわらず、条例第12条第1項に規定する業務に従事した日数が、1月につき10日未満の職員に対しては、前項各号に規定する手当の額を2分の1に減額して支給する。

最大5,000円支給ですね。1級土木の月4,000円がコスパ良すぎると思います!(*’ω’*)

3年間しか貰えないというのがちょっと微妙ですね。なんでだろう…。

生駒市の場合

生駒市では、『生駒市職員の特殊勤務手当に関する条例』によると、技術管理手当として、「資格免許等を職務上使用し、技術管理を行う職員のうち市長が必要と認めるもの」に対して1資格につき月2,000円を支給しているようです。他の詳しいルールが探しても見つからなかったんですが、他資料によれば都市整備部職員をおもな対象としてるみたいなのでやはり建設系資格だと思われます。2,000円は少ないけど永年貰えるならいいですね。

なんだ資格手当できるんじゃん

なーんだ。導入してるところあるんじゃん。

でも人事課に問い合わせると、「資格手当について、地方自治法に基づかない諸手当の支給は認められていません。」という回答が返ってくると思います。実際に大阪市のWebサイトに書かれている表現です。

給与の根拠となるのは地方公務員法と地方自治法ですが、これらでは「給与は条例で決めてね♡」となっています。そうです、自治体が決めていいのです。上述の回答は間違っているといえますね。

地方公務員法
第24条 職員の給与は、その職務と責任に応ずるものでなければならない。
2 職員の給与は、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定められなければならない。
(略)
5 職員の給与、勤務時間その他の勤務条件は、条例で定める。

地方自治法
第204条 普通地方公共団体は、普通地方公共団体の長及びその補助機関たる常勤の職員、…略…に対し、給料及び旅費を支給しなければならない。
② 普通地方公共団体は、条例で、前項の者に対し、扶養手当、地域手当、住居手当、初任給調整手当、通勤手当、単身赴任手当、在宅勤務等手当、特殊勤務手当、…略…又は退職手当を支給することができる。
③ 給料、手当及び旅費の額並びにその支給方法は、条例でこれを定めなければならない。

あと障壁となるのは、冒頭で書いたように国家公務員では「特殊勤務手当は技能系の著しく危険、不快、不健康、困難な勤務にたいして支給するもの」という思想があることです。もっともこれは国家公務員用の法律で規定されているだけなので、実際に資格制度があるくらい専門的な技術系業務は「その勤務の特殊性に応じて支給されるもの」に該当すると解釈しても全然アリだと思います。

資格取得の助成はある

資格取得の助成制度はほとんどの自治体にあると思います。補助金とか支援金という名前の場合もあります。

助成金額は取得にかかった費用の半額か全額のところが多いみたい。

三鷹市を例にとって見てみましょう。

『三鷹市職員の資格取得に係る経費助成要綱』によると、

(1) 30,000円までは全額とする。

(2) 30,000円を超えた額は、超えた額に100分の50を乗じて得た額とする。(上限100,000円)

とのこと。

30,000円まで全額でるのはありがたいですね。と言っても、赤字にならないというだけの話なのでぬか喜びしてはダメなのです。手当を毎月もらわねば!

また、助成の対象となる資格はこちら。

資格名種類
1ITパスポート国家資格
2衛生管理者国家資格
3エネルギー管理士国家資格
4介護支援専門員公的資格
5介護福祉士国家資格
6学芸員国家資格
7基本情報技術者国家資格
8給水装置工事主任技術者国家資格
9技術士・技術士補国家資格
10行政書士国家資格
11計量士国家資格
12建築基準適合判定資格者(建築主事)国家資格
13建築士(1級・2級)国家資格
14建築施工管理技士(1級)国家資格
15建築設備士国家資格
16下水道技術検定(第1種・第2種)公的資格
17構造設計一級建築士国家資格
18公害防止管理者国家資格
19酸素欠乏危険作業主任者国家資格
20司書国家資格
21司法書士国家資格
22社会福祉士国家資格
23社会保険労務士国家資格
24手話通訳士公的資格
25消防設備士国家資格
26生涯学習コーディネーター公的資格
27樹木医民間資格
28情報処理技術者国家資格
29情報セキュリティスペシャリスト国家資格
30情報処理安全確保支援士国家資格
31自治体法務検定民間資格
32精神保健福祉士国家資格
33税理士(科目合格を含む。)国家資格
34相談支援専門員公的資格
35造園施工管理技士国家資格
36測量士・測量士補国家資格
37宅地建物取引士国家資格
38地方公会計検定民間資格
39電気工事士(第1種・第2種)国家資格
40電気主任技術者(第3種)国家資格
41土地家屋調査士国家資格
42土地区画整理士国家資格
43土木施工管理技士(1級・2級)国家資格
44秘書技能検定(1級・準1級・2級)民間資格
45不動産鑑定士国家資格
46ファイナンシャルプランニング技能検定国家資格
47福祉住環境コーディネーター検定試験公的資格
48福祉用具専門相談員公的資格
49放射線取扱主任者国家資格
50日本語検定民間資格
51放課後児童支援員認定資格国家資格
52防災士民間資格
53簿記検定(1級・2級・3級)民間資格
54マイナンバー実務検定民間資格
55メンタルヘルスマネジメント検定試験公的資格
56幼稚園教諭普通免許状国家資格
57臨床心理士民間資格
58臨床発達心理士民間資格
59陸上特殊無線技士国家資格
60その他市長が認めた資格

充実してますね。

どこの自治体も防災士はあるのに気象予報士は無いんですよね~。いや、難関国家資格だから取得費用くらい出しても良くない?気象アドバイザーとか高いお金払って外部から呼んでるじゃん。持ってる職員少ないから気づいてないのかな。

とまあ愚痴は置いておいて、資格手当の対象もこれと同じような国家資格レベルのものが想定されますね。(気象予報士は入れろよ!(# ゚Д゚)

どのくらいの金額がいい?

では、どのくらいの金額が妥当なんでしょうか。

民間の大手であれば2級土木が 3,000 円/月、1級土木が 10,000 円/月、技術士が 30,000 円/月くらいみたいです。

主任技術者・管理技術者になれる→会社の手持ち工事・委託を増やせる→会社の売り上げに貢献できるんで、会社としては手当を出してても確保しておきたいんですよね。

公務員の場合は、月3万はちょっと多いかなと思います。技術士でも1万円かな。それで色々な資格合算で上限月3万くらいがベストかなと思います。感覚的にね。

公務員に資格手当をつけるメリット

メリットを考えると、そもそも公務員の仕事に資格いるの?って話になるんですけど、結論から言うと、資格がなくても問題はないですよね。資格が必須の業務があるわけじゃないし、資格勉強の知識をフルに活かせる場面もありません。ほんの少し役に立つだけです。

私は1級土木や気象予報士をもっていますが、「視野が広がる」ことが一番良かったかなと思います。それと、施工業者には入札の資格要件を求めているから、資格取得にどんな知識を必要とするのか、どのくらいの難易度なのかを肌で感じられたことは有意義でした。「市民のために」「市政のために」みたいな殊勝な目的はありませんでした。すんません。

さて、資格取得の目的については、別記事で深くお話するとして、手当の話に戻しましょう。

資格手当のメリットはなんといっても職員のモチベーションが上がること。業務に対してもだし、自己研鑽に対しても。

やっぱり資格の勉強を頑張っている人のモチベーションを上げる取り組みはしたほうが良いと思います。

っていうか私が欲しいだけなんですけどね。

逆にデメリットとしては、資格勉強に傾倒して本業がおろそかになる恐れがあります。たとえば、技術士の勉強に熱中するわりには公務員スキルはイマイチな人を見かけるんですよね。そんな人でも資格さえ取れれば他の人よりも給与が増えてしまう。これが考えられる悪影響ですかね。

まあデメリットは大したことありません。それよりも真面目に働く公務員のモチベーションを上げれたり、最近の公務員不人気を給料の面から解消する手段としてはかなり有効だと思います。給料表を大きく変えるのはハードルが高いですからね。

ぜひ資格手当を導入しましょう!エイエイオー!

では、このあたりで。バイバイ。

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