職員1人当たりの担当工事本数は?

仕事全般

「カミノさんは工事何本持ってるんですか?」とたまに聞かれます。

それに対して「今は⚪︎⚪︎本ですよ〜」と答えても、それがどのくらい忙しいのか分からないはずです。

業者さんは役所の内部事情を知らないと思いますので、もちろん自治体によっても部署によっても全然違うと思いますが、私の経験で「担当本数と忙しさの関係」について一般論を書いてみようと思います。

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だいたい5〜15件

ざっくり言うと、他の雑務が少ない部署であれば1人あたり年間5〜15件の工事を持つかなと思います。例えば中核市の事業課で1000~2000万の事業を10件、積算・発注・監理を担当するみたいなかんじですね。もちろん工期はズレるので常に10件を担当してるわけではなく、同時に5〜8件くらい持って順々に片付けていきます。

舗装や小規模工事であれば15件以上もあるでしょうし、大きいものではそんなに持てないので10件以下となります。1人あたり5件以下の部署もありえますが後述する場合を除き結構ゆるめな印象です。今後はインフレの影響で工事本数は減っていく傾向かもしれません。

ここでいう「工事」には「業務委託」の発注・監督も含まれます。

業務委託は各種調査・測量・基本設計・予備設計・実施設計など色々ありますが、担当すると意外と骨が折れるものです。手続きが増えすぎ💢💢

つまり、10件というのは「工事5件+業務委託5件」みたいなイメージで書いてます。

忙しさの指標

忙しさの指標として今思いついたものは次のものが考えられます。人間関係等は省略。

・事業の件数
・事業の規模(工事費)
・雑務の多さ
・担当単価契約の有無
・発注者支援の有無
・事業に関わる担当業務の幅

大型案件は1つでも大変

もちろん皆さん想像出来ると思いますが、市役所レベルで数億円の現場を担当するとそれ1つだけでもなかなか大変です。現場に常駐する現場代理人ほどではありませんが、職員も立会・協議や検討・諸手続きなどでかなりの時間を取られてしまうからです。

規模感はざっくり工事費で知ることができます。しかし、工種によっては、例えば舗装工事のように短工期・高額な現場は、工事費が多忙さに相関しないようです。

雑務を持っているか

また、“他に雑務などを持っているか”も重要です。もし、許認可系の事務を担当していたり、照会回答を一手に引き受けていたら、それらは工事数本分の事務量になってしまいます。

雑務には以下のようなものがあります。

・許認可事務…申請受付から審査、補正指示、許可決裁までします。

・照会回答…国や県からの照会、他部署からの照会が大量にあります。自分で調べてチマチマ整理したり取りまとめ担当に任命されたりします。

・要望苦情…電話が鳴り止まない部署もあります。

・行政改革…なぜか役所は新しい取組をやりたがるんですよね。トップダウンで来た無茶振りに対して真面目に会議をしたり検討したりしてPDCAサイクルを回すこともあります。思いつき案件は邪魔ですね。

・議会対応…議会中は忙しいです。ガッツリ事業課はあまり対応はありません。

・予算管理…係長が管理しないときは担当が頑張ります。

単価契約の有無

役所によって単価契約を導入していることがあります。

単価契約の場合は、年間を通してずーーっと仕事の依頼をして報告を受けることの繰り返し作業で、毎日または毎週連絡を取って進捗管理と書類作成、提出物照査を行うのでなかなか負担は大きく、工事1〜2本分くらいの業務量だと考えてもいいでしょう。

単価契約の種類は、舗装修繕、構造物補修・改良、清掃、除草、保守点検、測量、設計などなど多岐に渡ります。とくに維持系ではたくさん発注し、1人当たり5本くらい持つこともあるようです。単契5件+工事3件+業務委託3件+上記の雑務みたいなイメージです。「今年は工事3本しか持ってないですよ〜」と言われても裏でえげつない業務量を回してる可能性があります笑

発注者支援業務について

発注者支援についても書いておきます。

昔は現場技術とか呼んだりしてましたが、いわゆる役所に常駐するコンサルのことですね。派遣みたいなイメージでいいかと思います。(建設業は派遣禁止ですが)

きちんと仕事をしてくれる発注者支援がついていれば、請負業者とのやり取りや立会や書類作成などを代わりにやってくれるので、プロパー職員の負担はグッと減ります。しかしながら、大きな自治体でしか採用してないと思いますし、業務分担量が第三者から見えづらいので評価が難しいところですね。

どこからどこまで担当するのか

最後に職員の負担に大きく関わるのが1つの事業に対する担当業務の幅です。

大きい自治体ほど縦割りが進んでいて、用地交渉・入札契約事務・設計監理・工事監理などの担当は細かくわかれています。国では工事積算と工事監理の担当部署が違うなんて話も聞いたことがあります。

一方、小さい市町村ほど縦割りせずに1人が幅広く担当しているようです。その場合は業務量はえげつないことになっていると思いますが、実際にそんな人と話したことがありますが怖くて詳細を聞けませんでした。さらに村内全域を「道路・河川は彼1人が担当だよ」みたいに1人に全部任せることもあるみたいです。もう工事本数がどうだとかの次元じゃないですね。

私の話は基本的に中核市レベル(人口10〜50万人程度)の一般論と思ってください。

何かの参考になれば幸いです。

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