発注者支援業務とは?

土木全般

発注者支援業務とは、コンサルからの派遣技術者が、発注者である公務員の代わりに公共工事の設計・積算や検査などの業務をおこなうものです。

こんにちは、土木公務員ブロガーのカミノです。

先日、Twitterを見ていると、発注者支援業務のニュースを引用して「こんなのあるんだ~」ってツイートしてるコンサルさんがいました。

それくらい発注者支援業務という制度は知られていないと思います。

今日はその知られざる「発注者支援業務」について解説します٩(ˊᗜˋ*)و

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発注者支援業務とは?

発注者支援業務のイメージ図 株式会社ティーネットジャパンのサイトより

発注者支援業務とは、コンサルからの派遣技術者が、発注者である公務員の代わりに公共工事の設計・積算や検査などの業務をおこなうものです。1年以上もしくは数か月単位で行政機関と建設コンサルタント会社が契約し、コンサルから技術者を派遣する仕組みになっています。

役所の工事部署に行って職員の座席を見てみると、作業着が違う人たちがいたり、末席に雰囲気の違うおじさんが座ってたりしませんか?その人たちは職員ではなくコンサルさんなのです。(おじいちゃんの場合は再任用職員だったりしますけどね。)

昔は「現場技術業務」と呼んでいましたが全国的に「発注者支援業務」に改訂されました。そのまま使ってる都道府県もあります。

国土交通省の資料では、発注者支援業務等は以下の分類がされています。

○発注者支援業務
 ・積算技術業務
 ・工事監督支援業務
 ・技術審査業務

○公物管理
 ・河川巡視支援業務(河川)
 ・河川許認可審査支援業務(河川)
 ・ダム管理支援業務(河川)
 ・道路許認可審査・適正化指導業務(道路)など

○用地補償総合技術業務
 ・用地補償総合技術業務

○行政事務補助
 ・調査計画資料作成業務など

カミノ
カミノ

単に「発注者支援業務」というと、一般的には、積算技術業務工事監督支援業務のことを指します。

このなかで、公物管理の支援業務などは国の機関限定の話だと思います。(都道府県もある?)

国の業務は、建設弘済会が独占していた分野なので、少し昔までは表に出てくる話ではありませんでした。今は事業譲渡が進んでおり民間の競争入札になっているようです。それでも建設弘済会等やその系列の民間企業が根強く残っています。その仕事で御飯を食べてた人たちがいるわけで、人材がそんなすぐに切り替わるわけありませんからね。

ちなみに、河川巡視などはコンサルというよりも技能労務者がおこなうものですから、建設会社みたいなところに委託されているかもしれません。

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発注者支援の仕事内容

では、具体的に仕事内容をいくつか説明していきます。

積算技術業務

工事発注に必要な図面や資料作成、積算をおこない、発注工事の予定価格を算出します。

CADオペレーターみたいな感じですね。積算ソフトもインストールしてもらい、積算してもらいます。

① 積算に必要な現地調査
② 工事発注図面及び数量総括表(数量計算書)の作成
③ 積算資料作成
④ 積算システムへのデータ入力(データリストの作成)

工事監督支援業務

工事目的物の位置、寸法、使用する材料等についての段階確認や立会をします。また、監督職員の報告や施工業者から提出される資料と現地状況の照合をしたり、設計変更の協議用資料を作成します。

発注者支援といえば、工事監督支援を指すくらいこれがメインの業務です٩(ˊᗜˋ*)و

①工事の契約の履行に必要な資料作成等
②工事の施工状況の照合等
③地元及び関係機関との協議・調整に必要な資料の作成
④工事検査の臨場

技術審査業務

入札契約手続きのための審査資料を作ったり、工事入札参加者から提出された競争参加資格確認申請書等の整理を行ったりして、適切に技術評価ができるようにします。

①工事発注資料(入札公告案、入札説明書案など)の作成
②競争参加資格確認申請書等の分析・整理

カミノ
カミノ

私の市役所ではこんな業務はさせていません。

河川巡視支援業務

河川の管理区域(河川区域、河川予定地、河川保全区域)を巡視します。河川の異常・変状や不法占用等の状況を記録し、必要な措置を講じて報告を行います。

都道府県は直営の職員がパトロールしてるイメージですが、国は委託してるんですかね。

国土交通省の資料より

河川許認可審査支援業務

河川法等に基づく各種申請書類・届出の事前協議、整理、受付、審査の支援をします。

1級河川の河川事務所には許認可を受け付けてくれるコンサルさんがいますよね。

ダム管理支援業務

ダム、貯水池や関連設備等を管理する上で必要な監視、点検、ゲート操作、気象水象等の観測記録
、ダム管理資料整理等の業務の支援をします。

河川法第14条・特定多目的ダム法第31条に基づいた業務です。

道路許認可審査・適正化指導業務

道路に関する各種申請書類の審査・指導をします。また、道路の不法使用、不法占有の指導取締り、境界確認申請審査・現地立会い、特殊車両通行の指導取締り等の支援もします。

市役所ではすべて職員でおこなっています。これらの業務を委託するなんて考えられないです。あくまで“支援”ということですが、職員のかわりに一から十までやってるかもしれませんね。

用地補償総合技術業務

事業に必要な土地の取得、損失の補償に関する公共用地交渉等を行います。

市役所では用地課がやってることですね。こう見ると職員がやるべき仕事をほとんど民間委託してるんじゃないか?と思えてきます。それほど国の行政機関では仕事が膨れ上がりプロパー職員ではカバーできないのかもしれません。

調査計画資料作成業務

施工計画立案に関する資料とりまとめ、積算に必要な図面・数量その他資料作成、設計に用いる検
討資料の作成、施工管理に関する資料の取りまとめ、業務の入札契約に関する資料作成を行います。

つまり、職員の事務仕事ほぼ全部です。

①施工計画立案に関する資料作成
②工事発注計画に必要な所定の図面、数量等に関する資料作成
③各種設計に用いる検討資料の作成
④関係機関等の協議に関する資料作成
⑤地元説明に関する資料作成
⑥予算要求に関する資料作成

職員を雇った方が断然安上がりだと思いますが、長期でみるとクビに出来ない職員はリスクがありコスパも悪いのですかね?

そこまで考えずに今、人が足りないけど補充されないからとりあえず支援業務の予算だけとる!って感じかもしれません。

カミノ
カミノ

市役所も同じ感じなのです。

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年収・やりがい・勤務環境は?

コンサルタント会社と契約するのですが、私たち委託者はなかなか良い金額を支払っていますよ。

給料面は調べてみたところ、月収約18万円~40万円+手当とのことです。大手や都心部であれば、残業代含めて月収60万円以上でもおかしくないと思います。適切な労務単価をもとに積算された価格で契約していますから、めちゃくちゃ安い給料の場合は、会社がそうとう中抜きしてると思います( ゚Д゚)

やりがいは、そこそこあると思います。

役所がどこまで責任を任せてくれるか次第でもありますが、やはり発注者の立場で仕事をするというのは普通のコンサル業務ではできない経験です。中立ではなく、発注者の目線で工事の目的物を作らなきゃいけない。そのために指導もするし処分もする。(本来はあくまで監督員の“支援”ですが。)

勤務環境は、これも自治体次第ですね。おおよそホワイトだと思います。

私の市役所ではホワイトですが、他の市町村や都道府県ではブラックな職場もあると聞きます。国はわかりません。

発注者支援業務をやっているコンサルさんの対談記事がありますので気になる方はこちらをご覧ください。
先輩社員と新人社員対談「発注者支援業務とは」 | 建設コンサルタントのホクト・エンジニアリング株式会社 (hokuto-eng.com)

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市役所の発注者支援業務

さて、私が具体的に説明できる市役所の話です。

私の市役所では、積算技術業務と工事監督支援業務を委託契約しています。コンサルさんに来てもらうのは河川・道路・上下水道などの土木工事の発注部署ですね。年度の始めから3月末まで1年間、みなし公務員として働いてもらいます。

↓の記事で解説しています。仕事内容や、メリット・デメリット、1人雇うのにいくらかかるのか、など詳しくその実態に迫ります。

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おわりに

というわけで、発注者支援業務という謎の職種?について説明してみました。

建コンさんでも知らなかった分野かもしれません。

何かの参考にしてもらえたら幸いです。

では、今日はこのあたりで。

またぬん(*’ω’*)ノ

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