公務員が守るべきルールの種類(市役所編)

公務員の仕事

こんにちは、土木公務員ブロガーのカミノです。

市役所職員のような公務員は、「法令」に基づいて仕事を行います。

ここで言う「法令」とは、河川法・地方自治法などの特定の法律を指すこともあるし、法律・政令・条例・規則、それ以外の役所内のルール、はたまた社会のルール全般を指すこともあります。

公務員がよく使っているルールを列挙してみましょう。

  • 法律
  • 政令
  • 省令
  • 通達(通知)
  • 条例
  • 規則
  • 訓令
  • 告示
  • 要綱
  • 要領
  • 指針
  • 基準
  • 規程
  • マニュアル

皆さんは沢山あるルールのそれぞれの違いを理解しているでしょうか?

ここでは、公務員の仕事の拠り所となる「ルール」について解説します。

カミノ
カミノ

土木公務員のための簡単な解説になります。市役所バージョンで書きます。

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法令

法律と政令、省令を合わせて「法令」と呼びます。

国が作ったものですね。

法律

法律は国会で定められます。特定の決まり事・制度について大枠を定めたものです。

例:道路法、介護保険法

政令

政令は内閣によって定められます。内閣は総理大臣と国務大臣によって組織される機関ですから、市役所でいうと「市長と部局長たち」みたいなものですね。国の場合はそのトップ組織だけでルールを定められるのです。

例:道路法施行令、介護保険法施行令

省令(府令)

省令は国土交通省や農林水産省などの省庁が定めるものです。内閣府は「府」なので「府令」という名称になります。

法律だけでは大枠を定めただけなので運用することができません。政令と府省令は、より詳しく機能的な説明を施したルール(命令)なのです。

例:道路法施行規則、介護保険法施行規則

カミノ
カミノ

省令は「○○規則」という名称が多いです。自治体にも「規則」があるのでわかりづらいですね。

通達(通知)

取り扱いが難しいのが通達(通知)です。

現在、国から自治体などに出される場合は「通知」になってますが会話の中ではいまだに通達という言葉を使ったりします。

通達は、上級行政機関が下級行政機関に対して発出するものです。他の法令などと違うところは宛先がある点ですね。誰から誰に宛てた文書か分かるようになっています。

通達にも重要なものから「???」なものまで色々あります。ルートとしては、例えば国交省なら本省から地方整備局に、地方整備局から都道府県に、都道府県から市町村に通知されるみたいな感じ。

簡単に起案して決裁できてしまうため取り扱いが雑ですよね。

コロナ禍でオリンピック前に酒類販売事業者へ圧力をかけた一連の通達もありましたよね。すぐに撤回されましたけど、ペーペーの職員であっても決裁が下りれば通達を出すことが出来てしまいます。

通達はルールか?に答えるのは難しいですが、現場をよくわかってない通達もあり、通達に法的根拠があるか、法的拘束力があるかは不明です。法規性をもたせるなら省令として出すべきですから、通達には法的な拘束力がないと考えても自然かなと思います。自治体は一応通達を根拠にしてますし、とくに法令の解釈や適用の基準を示した「解釈通達」は法令と同等の扱いをしています。

カミノ
カミノ

市役所が役所内に向けて「○○について」みたいな「通知」を出すこともよくありますよ。

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例規

自治体ごとに定める条例規則をまとめて例規と呼びます。「慣例による規範」のことです。

条例

市議決によって定められる自治体独自のルールですね。市民の権利と義務について定めるので、「条例」は市民の暮らしに最も関わりが大きいと言ってもいいかもしれません。

例:道路法施行条例、介護保険条例

カミノ
カミノ

市民に義務を課したり、市民の権利を制限するようなルールは、必ず市民の代表である議会の議決を経て「条例」として制定しなければなりませんよ。

規則

市長によって定められます。条例にすべてのルールを明記すると運用に支障があるので、詳しいルールは規則に定められます。

例:道路法施行細則、介護保険条例施行規則

カミノ
カミノ

省令に「○○法施行規則」が既にあるときは区別がつかなくなるので、「○○法施行細則」という名称になります。

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役所の内部ルール

今までは、法的根拠と法的拘束力があるルールの説明でしたが、ここから先は法規性がないものも出てきます。

役所の内部規範(内規)とされているのに対外的なことも規定したりするので扱いが難しいですが市民トラブルを避けるためにも概要を理解しておきましょう。

訓令

市長その他の執行機関の長が、職員に対して命令するものです。つまり、外部へ向けたものではなく、職員へ向けたルールです。

法的な拘束力はありませんが、訓令は上司から出された職務上の命令ですから、部下である公務員は忠実にこれに従う義務があります。(地方公務員法32条)

もし公務員がこれに違反したときは職務上の義務への違反ですから懲戒の対象になってしまいます。

例:職員研修に関する訓令、契約書の書式を定める訓令、

カミノ
カミノ

その他の執行機関とは、行政委員会、企業管理者等のことです。

告示

告示とは、行政機関が法令・条例などに基づいて処分したり決定した事項などを広く一般住民に周知する場合に用いる文書形式のことです。

公表する行為自体も指した言葉ですので、他のルールとはちょっと意味合いが違いますね。

原則として市民に対して拘束力を持たない場合が多いのですが、告示が法令の授権による場合は法の制定と同様の効果を持つ場合もあります。

例:太田市の告示一覧

要綱

要綱は私たち公務員の仕事で一番使っているのではないでしょうか。

要綱は、市長その他の執行機関の長が、市役所の事務処理の方法について定めるものです。

本来は、同じ内部規定である訓令と同じ扱いをするべきですが、実際は、自由度が高く、取り扱いも様々です。全般的な職員への命令と指示だけを定める訓令と違い、要綱は特定のジャンルごとの市民向けの内容や制度も定められています。ただし、市民に対して法的な拘束力はなく、根拠もありません。市民から「おい!この要綱(基準)の根拠はなんや!」と言われても一言で表せる根拠はないのです。要綱が根拠です(;´・ω・)ここが要綱の取り扱いが難しいと言われる所以ですね。

役所の決まり事を定めるもの、いわゆる内規の代表的なものですが、要綱のなかには「要領」「指針」「基準」「細目」など様々な名称のものがあります。

カミノ
カミノ

多くの自治体では、「要綱集」としてまとめられ、ホームページで公表されています。

一番使われるルールですから、今度詳細に解説してみたいと思います( ゚Д゚)

要領

「要綱」と「要領」の区別がはっきりしていない市役所・町役場もあるかと思いますが、一般的には要領には要綱よりもさらに詳細な事務処理の手順みたいな内容が書かれます。

マニュアルみたいなものですね。

ただし、マニュアルとは違い、法形式に準ずる形式で定めて、要綱とほぼ同じように市長もしくは部局長の決裁が必要になります。

訓令という発令形式で要綱・要領という名称を用いている自治体もあるみたいですが、私の自治体では要綱・要領は、例規と訓令で規定する以外のことを規定するものです。

指針

指針もよく見かけますが、要綱と要領と明確な定義分けはされていません。要綱の一種ととらえていいかと思います。

行政指導指針みたいに法令上で「○○指針」という名称を使われていたりするので、法令に準じて指針と名付けられていたりします。色んな名称があると混乱するので、要綱でダメじゃなければ「○○を定める要綱」として規定するべきでしょう。

基準

「基準」というルールも役所内ではよく見かけます。これは要綱であることが多いです。

法令に基づいた審査基準・処分基準。

法令に基づかないものでも、役所内の事務処理について、全庁的にルールを統一するための「基準」があります。

基本的には要綱として規定するのが正しいと思います。変な話ですが「基準」を使うときはちゃんとした要綱なのか確認しましょう。

カミノ
カミノ

要領・指針・基準は公表されていないケースも多く、市民の方と手続中にもめる原因になっていますね。

規程

「規程」は曖昧な言葉です。同じ「○○に関する規程」であっても法的根拠を有するものと有しないものがありますし、国が定めるもの、自治体が定めるものがあります。

河川法の第47条(ダムの操作規程)のように国語的意味で文中で使われたりしますし、一方、昭和43年4月24日建設省訓令第5号「ダムの検査規程」などのように正式な題名としても使われています(;´・ω・)

規程とは何だ?と定義を追い求める意味はありませんので、ざっくりと「規程=役所のルール全般のこと」だと思っておきましょう。

カミノ
カミノ

自治体によっては、要綱、要領、規程の発令形式は「訓令」や「告示」だったりします。

マニュアル

事務処理マニュアルが作られることも多いと思います。

マニュアルは所属部署の専門業務を効率的におこなうために、作業手順などを定めたものです。先述の要領などのことを便宜上マニュアルと呼ぶこともあるかもしれませんが違うものです。

マニュアルが他の内規と違うところは、マニュアルは「既にあるルールを適切に運用するために文書化したもの」である点です。新しくルールを規定するものではありません。そして、マニュアルを違反したとしても、法令や例規などを違反していなければ問題ありません。(ミスが発生するかもしれないので問題はあるかも?)

個人でも作れますが、部署全体で使う場合は「○○事務マニュアル」みたいに体裁を整えて所属長の決裁をとることが多いと思います。

カミノ
カミノ

もしマニュアルに「ルール」を載せる場合は、引用元の法令・例規・要綱を必ず明記しましょう。

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その他

というわけで、役所のルールを見てきたわけですが、この他にも、各専門分野のルールがあります。

何のことかというと、建設部署にいる土木公務員で言えば土木設計に関する示方書などのことです。各分野で行政や協会などが示しているルールを守る必要がありますよね。

新しい土木分野の仕事をすることになって何を見たらいいか分かんないよ~(´;ω;`)ウッ…って人は、まずは、土木工事の共通仕様書や管理基準を確認。そのなかに各示方書も示されていたりします。

また、国交省の地方整備局がわかりやすく設計基準(便覧)などをまとめてくれてまして、この中に示方書が示されていますので参考にされるといいかと思います。

設計便覧 閲覧・ダウンロード |企画 |国土交通省近畿地方整備局 (mlit.go.jp)

設計便覧 河川編

このように、具体的な設計のやり方、基準が書かれていますし、何の示方書を適用しているか教えてくれます。

ありがとうございます。

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おわりに

沢山のルールを見てきました。勉強になったでしょうか?

役所のルールは減ることはめったにありません。どんどんどんどん増えるばかりです(;´・ω・)

大きく分けると、法令・例規・要綱の3種類ですかね。

まあ法令と例規はいいとして、問題は要綱です。こいつの取り扱いが難しい。具体的な要綱について、内規については別記事で解説したいと思います。気長にお待ちください。

では、今日はこのあたりで。

またぬん(*’ω’*)ノ

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