早期発注は公務員にとって不公平?

仕事全般

こんにちは、土木公務員ブロガーのカミノです。

1月、2月になると、工事業者さんは翌年度の工事受注がなかったらどうしようと不安になりますよね。競争入札ですから仕方ありません。

そのような不安定な受注体制をすこしでも改善しようと発注者側が前年度のうちに工事発注をおこなうことがあります。これが「早期発注」です。

4~6月の閑散期に施工をしてもらうというメリットもありますね。

「施工時期の平準化のために早期発注をしよう」

ただし、一見メリットばかりに見える早期発注ですが、発注者の実務担当者からすると、ある苦悩があります。

カミノ
カミノ

実務では課題があるのです。

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早期発注とは

早期発注とは、工事請負契約を年度末(前年度3月)もしくは年度当初(新年度4月)に契約締結して、閑散期である4~6月にも工事をしてもらう取り組みです。

①新年度に発注する工事を前年度中に債務負担行為を設定することで、前年度内に契約締結できる方法(ゼロ債務、ゼロ市債と呼ばれます。国であればゼロ国債)だったり、

②発注と公告だけを2~3月におこない、契約締結は4月におこなう方法など、いくつか手段はあるのですが、

いずれにせよ、目的は4月早々から作業準備と施工にとりかかってもらうため。もうひとつの目的は、入札時期をばらけさせて入札不調・不落をなくすためです。

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公務員にとっては不公平?

そんなメリットがたくさんある早期発注ですが、

じつは発注者側の実務担当レベルではある問題が発生してしまいます。

それは、担当者の業務量の不公平性です。

なんとなく予想がつく方もいるかもしれませんが、年度を跨いでしまう案件は必ず人事異動による影響を受けてしまいます。

標準3年くらいでコロコロ異動される市役所では、まず担当者の業務割り振りは1年分しか作成しません。年度が終われば係員が半分以上入れ替わることもあるからです。

工事発注課であれば、Aさんは工事5件・業務委託2件Bさんは工事4件・業務委託3件Cさんは工事4件・業務委託4件というように工事内容のウエイトも加味しながら偏りがないように4月に業務を割り振られます。年度途中で、追加オーダーや補正予算のせいで多少増減したりしますが、大きく変更することはないでしょう。

これらの計画は前係長によって3月までに素案が作られ、人事異動を経て、新しいメンバーが決まり次第、新係長によって4月当初に決定されます。いい加減な係長だったら、分担表を渡して「ハイ、これ割り振りね」で終わりです。

問題は、早期発注は前年度に積算作業するのに、新年度分の計画に割り振られていることです(施工するのは新年度だから。ゼロ市債でさえ前年度計画には入っていないこともある)。もしくは、12~1月頃に手が空いてそうな係員がてきとうに指名されて担当することになります。

これはつまり、「自分は異動するかもしれない状況で、翌年度の工事の一番しんどいところだけをやらなきゃいけないのに、その業務が自分の1年間の計画に入っていない=頑張りを評価されない。」ということを意味します。

「頑張ってるな」というなんとなくの評価はもらえるでしょうが、2倍の発注件数をこなしていても定量化して正当評価されないし、給料は変わりません。(※人事評価制度が給与に反映される自治体もありますが)

早期発注をするだけ損ということ。

損得勘定を体感で分かってる人は、わざと工事発注を遅らせてしまったり、てきとうな内容で発注してしまったり、本末転倒な事態が発生しますよね(;´・ω・)

発注予定を公表している自治体もありますが、それはあくまで予定で、ゼロ市債を設定していなければ早期発注をするしないは各課の判断です。設計精査中に問題を見つけたりして発注が遅れることはよくありますしね。

残念ながら、この問題の根深いところに管理職は気づいていません。

「施工時期の平準化のために早期発注をしよう」

国土交通省はかんたんに言いますが、

①工事は設計精査・積算発注が大変
②工事内容によって差があり業務量の定量化がむずかしい
③公務員は単年度予算主義で、異動も多い

の3つの理由で年度を跨ぐ事業をフェアに業務分担するのはなかなか難しい課題だと思います。明確的にフェアに分担しなければ、発注をずるずる遅らせたり、杜撰な設計積算になったり、仕事してくれる人間にすべて集中することになってしまいます。

実際、私の知り合いは昨年度早期発注を2件出して、異動した先で4月から急かされて大規模工事を発注した人もいます。健気ですよね、前年度頑張らなかった人の尻ぬぐいをしているわけです。

カミノ
カミノ

「業務量の定量化がむずかしい」は早期発注に限った話ではありませんけどね。

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おわりに

ということで、公務員の嫌なところをお伝えしました(;´・ω・)

民間企業で働く人には、実感として分からない話だったかもしれません。役人はしょうもない損得論を考えてるんだな、と思われたかもしれませんね(こんな分析をしているのは変人である私くらいです)

役所では「頑張る人が損をする」とよく揶揄されますが、早期発注は典型的なものだと思います。悲しいことにふつうの発注もなるべく遅らせた方が、庁内がだぶついてくる年度後期に手が空かずに余計な仕事を振られることがなくなります(;´・ω・)管理職が年間の業務量をしっかり把握して、適時係員のスケジュールや進捗管理をできていなければ、こんな事態も起きてしまうんです。

もし、早期発注をがんばってる職員を見つけたら、「偉いな~」と褒めてあげてください!彼らは現年の年間計画にない業務をやってるのです。正当な評価を受けていませんから。

カミノ
カミノ

なるべく公平な業務分担、正当な評価を受けれるようにしたいものです。

では、今日はこのあたりで。

またぬん(*’ω’*)ノ

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