こんにちは、土木公務員ブロガーのカミノです。
働き方改革とコロナ禍のおかげで、世間ではテレワークが急速に普及していますね。
地方公務員も例外ではありません。緊急事態宣言とともに出勤者数7割減(?)という謎目標が掲げられた国の大号令は地方公務員にも波及しました。
テレワークのシステムが大急ぎで配備されています。
今日はそんな地方公務員のテレワーク事情を解説したいと思います。
在宅勤務とテレワークの現状
まず、言葉の違いを整理しておきます。
在宅勤務とは、文字通り、自宅で仕事をすることです。書類仕事や電話でのやり取りなどは家でも出来そうですね。
テレワークとは、自宅やサテライトオフィスでインタネットを介して仕事をすることです。つまり、パソコンやダブレットなどの端末と、勤務先に繋がるネット環境が必要です。
では、行政の在宅勤務の現状はどうなんでしょうか。
2020年7月に行われたWEB調査(デロイトトーマツ行政組織における在宅勤務実施状況・業務効率化に関する調査2020)があります。
あくまで2020年7月時点のデータですが、参考に見てみましょう。
6割の市区町村では在宅勤務がない
国と都道府県では在宅勤務制度はあるんですが、市区町村では6割以上がまだ在宅勤務の制度がなかったようです。
地方自治体の回答によると、7月時点では在宅勤務あまりされていませんね。
なんかニュース見てるともっと多かったイメージですが、現場では「それどころではない」といった状態だったのでしょうか。公務員は疫病が流行ったとしても仕事が激減するわけではありませんからね。逆に仕事が増える部署もありました…。
窓口や相談受付がメインの仕事な部門は在宅勤務の頻度は少ないようですね。
土木は比較的しているみたいです。ここでいう土木とは、都市計画や工事設計監理のことでしょうか。
窓口がない部署もありますからそこが押し上げている感じだと思います。
パソコンを持ち帰れる自治体もあるみたいですね。後述しますが、テレワークシステムはこのときより普及しているので、今はもっと多くの自治体でパソコン持ち帰りができると思われます。
パソコン持ち帰り羨ましいです!機密情報の取り扱いが心配ですね。
私の市役所も在宅勤務やってます
私の自治体ではテレワークは本格的に導入されていません。
ということで、令和3年2月現在、私の市役所ではテレワークはできないものの、「在宅勤務」は推進されています。コロナ禍の感染防止の観点から、密を避けようと出勤者数を制限してるわけです。つまり、目的が「出勤しないこと」なので自宅で何をするか、またはできるかなどは二の次です(笑)
実際はどんなことをしているかと言うと、LGWAN環境へ接続する方法がないため、Excelなどのデータを持ち帰って家のパソコンで編集・作成したり、書類を持ち帰って読んだり、業務に必要な知識をつけるため書籍を読んだりしているみたいです。ハッキリ言ってサボってる人たちも少なくないと思います。データや書類については機密情報レベルが高いものは持ち帰ってはダメなはずですが、そんなこと言ったら仕事にならんので、なあなあで黙認されています。
取り組み状況は部署によって様々です。人数を半分にしている部署もあれば、窓口対応する部署や専用システムを使っているところ、他律的な業務ばかりで出勤しないと仕事ができない部署などは、あまり在宅勤務をできていません。
私の所属課で言えば「週1で在宅勤務をとる人もいるかな」くらいです。暇な課長や課長補佐は必ずとってますよ。
私は8ヵ月くらい在宅勤務してないですね。家では仕事できない性分なので( ゚Д゚)
なぜ地方自治体ではテレワークが難しいのか?
自治体でのテレワーク導入はかなり難しいと言われています。
なぜかというと、自治体のネット環境というのは、「三層の構え」と呼ばれるセキュリティ対策を施すくらい情報漏洩に厳しいからです。三層の構えとは、マイナンバー利用事務系とLGWAN接続系、インターネット接続系の3つのネットワーク環境を分離している自治体独自の対策です。
LGWAN(エルジーワン)とは、高度なセキュリティを維持した⾏政専⽤のネットワークのことです。正式名称は、総合⾏政ネットワーク(Local Government Wide Area Network)といいます。公務員の皆さんにはお馴染みですよね(*´ω`*)
LGWANは、地⽅公共団体の組織内ネットワーク(庁内LAN)を相互に接続し、地方公共団体間のコミュニケーションの円滑化と、地⽅公共団体間の情報の共有による情報の⾼度利⽤を図ることを⽬的として、地⽅公共団体情報システム機構(J-LIS)により運営されています。
つまり、地方公務員が仕事をするためには、文書管理・財務・人事・共有フォルダなどを扱うLGWAN環境へアクセスしなければならず、「この機密情報の宝庫であるLGWAN環境に自宅からアクセスしたり外部パソコンからアクセスすることはけしからん!」という考えがあるんです。
お堅い公務員のことですから、セキュリティ対策が200%万全でないと実施できないと思われていました。
自治体テレワークシステム for LGWAN
こんなお堅い公務員のネットワーク環境を突破しようと、テレワーク自体はコロナ禍の前から一部の自治体で試験的に導入されていました。働き方改革ですね。
さらにコロナの影響で全国的な開発をすることになったようですね。
というわけで、全国460自治体で2020年11月27日、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)による実証実験との位置付けで、「自治体テレワークシステム for LGWAN」を使ったテレワークが始まりました。
このテレワークシステムの構築記録が、なんと情熱大陸(2月7日放送分)で放送されましたので、ご覧になった方も多いのでは?? 私が敬愛する登大遊さんの密着ドキュメントだったんですよ!
見逃し配信もアプリから見れたりしますから是非見てみてくださいね。
さて、この放送では、自宅からLGWAN環境に接続可能なシステム「自治体テレワークシステム for LGWAN」を3分の1の市区町村で使っていると言っていましたが、本当なんでしょうか。
気になったので、Twitterでアンケートをとってみました。
回答ありがとうございました!
やはりテレワークシステムがある自治体は結構あるんですね( ゚Д゚)
ただし、「使えます」と回答した人でも、自治体テレワークシステム for LGWANだけでなく、それ以外のシステムも含むと思います。そして「使えません」と回答している自治体でも、もしかしたら一部でのみ試験的に導入している可能性もあります。
おわりに
こんな感じで、テレワークのシステムがある自治体は3~4割という結果になりました。情熱大陸で言っていた通りですね。
リプをもらって色々調べてみたのですが、通信技術にも様々あるようです。
大まかに分けると、支給された専用の端末(パソコン・タブレット)でおこなうタイプと、自宅のパソコンから職場のパソコンに接続して画面を操作するようなタイプの2種類があります。
自治体テレワークシステム for LGWANは、後者の自宅パソコンから職場パソコンを遠隔操作する感じみたいです。
レスポンスや回線速度が気になるところですね。遅い場合はPCのスペックというよりネット回線の問題な気がします。
いつか使ってみたいです~。
では、今日はこのあたりで。
またぬん(*’ω’*)ノ
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