地方公務員のイメージについて語る

仕事全般

こんにちは、土木公務員ブロガーのカミノです。

今日は地方公務員が持たれているイメージと、そのイメージが本当に合っているのか、私がわかる範囲で赤裸々に話したいと思います。

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公務員が持たれてるイメージって?

公務員って、どんなイメージを持たれてるんでしょうか?

まず「公務員 イメージ」で検索したらヤフー知恵袋が最初に出てきました。

もうこの人が正解でいいよ(笑)ってくらい詳しく簡潔に説明してくれてますね。
労働者天国とまで言われてます。スゴイですね。

私がいくつか検索してまとめた、世間から見た公務員のイメージは以下の通りです。

  • 安定している。
  • 残業がない or 残業代が出る
  • 仕事が楽。
  • 休みがとりやすい。
  • 頭が固い。

こんな感じだと思います。

まず念頭に置いてもらいたいのが、労働環境は役所・部署によって全く違うということ。ひとつの町を運営するんだから行政サービスも多種多様です。

ひとつずつ見ていきます。

カミノ
カミノ

わたしが語れるのは地方公務員(市役所)のことだけです。

安定している

これはイメージ通りで間違いないです。

何と言ったって、解雇がありません。

もうこれだけで“安定している”ホワイトな職場と言えるでしょう。

しかも、例えば、何か法律違反や役所ルールを破ってしまったとしても、軽いものなら懲戒処分で戒告(厳重注意)となるだけですし、処分が重いものでやっと減給される程度です。

給料のほうも、若いうちはかなり安月給な年功序列制度ではありますが、どんな人でも着実に増えていきます。

しかし、残念ながら高給とは言えません。公務員の給料は民間平均から割り出していますから、高給になりようがないのです。なかには残業代を稼いで大手企業平均くらいまで増やしている人もいたりしますけどね。

もうひとつ、「遠くへの転勤がない」こともすごくプラスだと思います。特に私のような市町村だと引越しの心配がありません。

私のまわりはみんなマイホームを建てて永住を決めてる職員ばかりです。

県庁だとド田舎や離島などの僻地へ転勤はありますから、引越ししたり、1年目からマイカー必須などの制約があります。

残業がない or 残業代が出る

これは部署にもよるんですが、だいたい残業はないか、少な目ですね。普通の事務職ならそれほど残業ありません。

たまにあると「残業きつい」とかSNSで愚痴ったりしてるから目につきやすく、意外にブラック体質?と気になる方もいると思います。

私も感じるんですが、残業に慣れてない体で久しぶりに夜残るとめっちゃダメージ来ます。逆に毎日残業をやってると夜10時くらいなら平気になっちゃいますね。

ただし、土木部署では、土木技師は事務職より残業が多いです。

(事務職でも人事課、財政課など激務な部署は多くあります。)

具体的なところだと、私は直近4か月(4~7月)で150時間くらいでした。月35時間程度です。
所属課の同僚は私より多い人ばかりだと思います。

残業代は出ます。つければ出ます。つけづらい雰囲気の部署もあります。上司次第ですね。

特に若手職員は謙遜からサービス残業(闇残業)をする人も多いように思います。

仕事が楽

残業とも内容が被るんですが、比較的仕事は楽だと思います。

一言で楽と言っても分かりづらいですが、

  • 厳しいノルマがない
  • 新しいものを生み出さない(今まで通りを繰り返す)
  • 誰でもできる仕事

このような理由では「楽」と言えると思います。

例えば、地方銀行から転職組が毎年何人かいるんですが、彼らはみんな「役所の方が断然楽だ」と言っています。職場がピリピリしていないのが一番嬉しいようです。

語弊があるかもしれませんが、公務員試験に受かるレベルの人なら誰でもできる仕事です。

というか、誰でもできないとまずいのです。優秀な人は2年くらいで異動するので、その人だけが扱えるシステムを構築してたり、有能一人にとてつもない業務量が割り振っていると、その人がいなくなった途端、機能不全になりますからね。利益を追求しない以上、機能不全にならなければいいのです。

ただし、楽ではないこともあります。

単純作業だけど全然さばけない業務量を抱えてる部署だったり、近年は市民からの横暴クレームも多く、それは楽ではないと言えると思います。現状、この市民への対応がかなり精神的な負担です。監視してクレームを入れてくる人さえいます。公務員は非常にやりづらい社会になっています。

土木職の職場も安易に楽とは言えない気がします。

あくまで激務のゼネコンやコンサルタントと比べたら、楽かもしれませんね。

休みがとりやすい

これはその通り。休みはとりやすいです。

なぜかというと、休み申請を断る理由がないからです。

勿論忙しい時期だと、「ちょっと今週はやめてくれないか?」と上司から言われるかもしれません。が、土木技師の業務は、時間軸が長く、今すぐにやらなきゃいけない仕事はそんなにありません。てことで、議会対応や予算取りまとめの時期とか、発注が集中してる繁忙期以外なら、自分の業務に区切りをつけて簡単に休むことができます。

しかし、実情は、休みをあまりとってない人も多いです。年休取得数は公務員約11日、民間約9日と言われています。

とれない、というより、とれるけど自主的にとらない。自分が休むことで同僚にしわ寄せがいくかもしれない、自分の仕事相手が困るかもしれない、等の理由で休むのを遠慮しがちです。

休暇制度については、コチラからどうぞ↓↓

頭が固い

頭が固い=考え方が柔軟でない、融通がきかない人は確かに多いと思います。

なぜかというと法令や例規、内規をもとに仕事しているから、というのが一つの理由です。

「例外」を認めてしまうと歯止めが利かず、うちもしてくれ、前はOKだったとか、そういうクレームが来てしまいます。同じように「特殊性」や「個性」を認めてしまうと、誤解を生むし、またまたクレームの的になってしまうのです。

また、新しいことに挑戦しなくても給料は変わらないからです。

だから業務が無機質なものになってしまうという傾向はあります。

まとめ

各イメージに対する私(土木技師)の回答は

  • 安定している。→その通り
  • 残業がない or 残業代が出る。→概ねその通り
  • 仕事が楽。→一概にはそうとは言えない
  • 休みがとりやすい。→その通り
  • 頭が固い。→その通り

という結果になりました。

みなさんの職場はいかがでしょう。

公務員志望の学生さんや転職希望さんの参考になれば幸いです。

ありがとうございました。

コメント

  1. 山城守 より:

    「残業がない or 残業代が出る」の本文を左の通り修正することを提案します。
    「これは部署にもよるんですが、だいたい残業はないか、少な目ですね。
    令和3年の事業所規模5人以上の一般労働者の所定外労働時間は1月に13.2時間です(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r03/21cr/dl/pdf21cr.pdf 厚生労働省『毎月勤労統計調査 令和3年分結果確報』p1)。一方で、地方公務員の時間外勤務は1月に12.4時間です(https://www.soumu.go.jp/main_content/000852977.pdf 総務省『令和3年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果』p31)。
    ただ、「他律的業務の比重が高い部署」というのに配属された場合は月平均20.0時間の時間外勤務を強いられます(出展同じ)。
    この、「他律的業務の比重が高い部署」ですが、平 成 3 1 年 2 月 1 日に総務省自治行政局公務員部公務員課長から発せられた総行公第 8 号(https://www.soumu.go.jp/main_content/000751622.pdf)に記載された「他律的業務」を行う部署のことだと考えられます。
    さて、右の通達によれば、「他律的業務」とは、「業務量、業務の実施時期その他の業務の遂行に関する事項を自ら決定することが困難な業務」を指します。
    思い付くとすれば議案の読み合わせや議会での出席説明員や議会の待機ですね。何しろ議会は時期が決まっていますから。ちなみに私の同期が議案の読み合わせをする部署にいたのですが、同君から聞いた処によれば、「次から次に原課(この場合、議案を作成する元々の課を言います。)から議案が持ち込まれてもう議案の読み合わせなんかしたくない。」と非常勤の前で冗談を言うと、その非常勤は私の同期が激務のせいで心身の故障を来したと勘違いして上官や常駐の産業医に駆け込もうとしたそうです。その次は選挙事務です。
    こういった部署に当たってしまった場合は民間企業よりも残業がきつくなりますね。」
    という具合に、客観的データを交えながら執筆すると良いです。
    なお、「ちなみに私の同期が議案の読み合わせをする部署にいたのですが、同君から聞いた処によれば、(略)」の一文ですが、これは私が非常勤でやらかした失態の一つです。
    だから、右文の「非常勤」とは私のことで、「私の同期」とは当該部署で働く正規職員の一人を指します。
    つまり、私に起きた状況を正しく記載すれば「私は会計年度任用職員であるが、御同輩の正規職員が「次から次に原課から議案が持ち込まれてもう議案の読み合わせなんかしたくない。」と言うのを冗談だと理解できずに真に受け、同氏が激務のせいで心身の故障を来したと勘違いして上官や常駐の産業医に駆け込もうとした。」という訳です。

  2. 山城守 より:

    「安定している」の本文も客観的データを交えた説得力のある文章に改めてみましょう。
    「これはイメージ通りで間違いないです。

    何と言ったって、解雇がありません。

    もうこれだけで“安定している”ホワイトな職場と言えるでしょう。」を「地方公務員は安定しているというのは本当です。令和3年の一般労働者の離職率は11.1%です(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/22-2/dl/gaikyou.pdf 厚生労働省『-令和3年雇用動向調査結果の概況-』p6)。
    では、地方公務員の離職率を計算してみましょう。令和3年度の地方公務員の離職者数は定年退職含め129,713人(https://www.soumu.go.jp/main_content/000853644.pdf 総務省自治行政局公務員部公務員課女性活躍・人材活用推進室『令和3年度地方公務員の退職状況等調査』p8)。そして、令和3年4月1日の地方公務員の数は 2,800,661人です(https://www.soumu.go.jp/main_content/000784649.pdf 総務省『令和3年地方公共団体定員管理調査結果の概要(令和3年4月1日現在)』p1)から、地方公務員の離職率は4.63151377478%と離職率が格段に低いことが判ります。」に改めることを提案します。
    客観的データを交えることにより文章に説得力を持たせます。
    また、「しかも、例えば、何か法律違反や役所ルールを破ってしまったとしても、軽いものなら懲戒処分で戒告(厳重注意)となるだけですし、処分が重いものでやっと減給される程度です。」の後に、「例えば東京都のホームページ(https://www.soumu.metro.tokyo.lg.jp/03jinji/fukumu.html)に「懲戒処分の指針」(https://www.soumu.metro.tokyo.lg.jp/03jinji/choukaisisin.pdf)が掲載されていますが、そこに記載されている「個人の秘密情報の目的外収集」って公務員にあるまじき言語道断の悪行ですよね。それでも東京都の指針に従えば重くても減給で済むんです。まあ、「第4 基本事項」の件には「個別の事案の内容によっては、標準例に掲げる量定にかかわらず免職等の処分をすることもあり得る。」と記載されていますがね。ちなみに大阪市の場合も個人の秘密情報の目的外収集は重くて減給が標準です(https://www.city.osaka.lg.jp/somu/cmsfiles/contents/0000250/250223/20120124_sisin.pdf)。このように、地方公務員の懲戒処分は甘い処があります。」という文章を加え、具体性を持たせることを提案します。

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