土地取引の規制について

公務員の仕事

こんにちは。土木公務員ブロガーのカミノです。

今日は土木技師が抑えておくべき規制に関する法令の中でも、一番根本となる国土利用計画法を解説します。

実際に許認可の事務を行うかもしれない事務職の人や、公務員以外の建設業界の人にも知っておいてほしい基礎知識となります。

第1~8条(国土利用計画)の解説はこちらの記事からどうぞ↓

第9~10条(五地域区分)の解説はこちらの記事からどうぞ↓

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国土利用計画法とは?

国土利用計画法とは、1974年(昭和49年)に施行された、重要な資源である国土を総合的かつ計画的に利用するために作られた法律です。その名の通りですね。

1955年~1973年までの高度経済成長で、日本の国土はイケイケドンドンな開発行為が盛んに行われ、秩序の無い国土利用を危険視した日本政府は次々に個別規制法を打ち出しました。それらをとりまとめたものが国土利用計画法です。というイメージで良いと思います。

国土利用計画法に書かれていることは大きく4つあります。

①国土利用計画

②土地利用基本計画

③土地取引の規制

④遊休土地制度

この記事では、③について解説します。

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土地取引の規制に関する措置

国土利用計画法には、土地取引の規制に関する措置が述べられています。宅建の出題範囲なので、不動産関係の人は詳しいかもしれませんね。

土地を売買取引するときに、行政の許可もしくは届出が必要になる制度です。

なぜ、このような制度ができたかというと、地価が不当に高騰するのを防ぐため、また、適正かつ合理的な土地利用を図るためです。いくら自由契約だからって投機的な取引されたり、住民に反対されるような開発の仕方されたらダメでしょ?そんなわけで高度経済成長期の終わりに遅ればせながら制定されたんです。

国土利用計画法では、以下のように国を4つの地域に分類しています。(五地域区分とは別物です)

  • 事後届出制(全国)
  • 注視区域(事前届出制)
  • 監視区域(事前届出制)
  • 規制区域(許可制)

この中で覚える必要があるのは、なんと事後届出制(全国)だけです。

ひとつずつ見ていきます。

事後届出制(全国)

事後届出制』は、いわゆる無指定区域で、地価について何ら問題のない区域のことです。

全国にわたる一般的な制度であり、小笠原村以外、全てこれに当たります。届出は年間で16,000件ほどあるそうですよ。

事後届出制(全国)の概要

法定面積以上の土地※1について土地売買等の契約※2を締結した場合には、届出が必要になります。

土地に関する権利※3を買った人は、契約後2週間以内に、その土地が所在する市町村の長を経由し、都道府県知事等に対して利用目的、取引価格等を届け出る必要があります。

※1 法定面積以上の土地
   A 市街化区域 2,000㎡以上
   B 市街化区域以外の都市計画区域 5,000㎡以上
   C 都市計画区域外 10,000㎡以上

※2 土地売買等の契約
  以下の3つの要件をすべて満たす土地取引のこと
   A 土地に関する権利の移転又は設定であること
   B 土地に関する権利の移転又は設定が「対価」の授受を伴うものであること
   C 土地に関する権利の移転又は設定が「契約」により行われるものであること

※3 土地に関する権利
   土地の所有権、地上権、賃借権又はこれらの権利の取得を目的とする権利のこと

カミノ
カミノ

宅建に出題されるポイントです。

一団の土地

通常、取引される土地の面積が届出対象面積に満たない場合は、この届出が不要です。

しかし、土地を分割して契約すれば、届出を逃れることが出来てしまいますよね。そこで、本制度では『一団の土地』という考え方を取り入れています。

一団の土地とは、土地利用上現に一体の土地を構成しており、または一体としての利用に供することが可能なひとまとまりの土地で、当権利取得者(買主)が、一連の計画の下に、土地売買等の契約によって取得する法定面積以上の土地のことを指します。分割しても無駄ですよということです。

一団の土地では、合計面積が対象となり、取引される個々の土地が届出対象面積未満であっても、すべて最初の契約から届出が必要となります。

届出が不要の場合

以下の場合は届出が不要です。

  1. 土地売買等の契約にあたらない場合
  2. 一定面積にみたない取引の場合
  3. 規制区域内に所在する土地に関する場合→許可制
  4. 民事調停法に基づく調停・競売により土地売買の契約が締結される場合
  5. 当事者の一方または双方が国または地方公共団体の場合
  6. 農地法第3条第1項(権利移動)の許可を受けた場合には、届出は不要です。 これに対し、農地法第5条第1項(転用目的権利移動)の許可を受けた場合には、さらに国土法の届出も必要です。

手続きのフロー

手続きのフローは以下の図の通りです。

届出をしなかった場合は、罰則規定がありますが適用されたことは過去一度もありません。

都道府県(政令市)は土地の利用目的がそぐわない時は「勧告」等を出来るのですが、事例としては、ほぼ無いそうです。「助言」は偶にあるようです。

カミノ
カミノ

もし、あなたが大金持ちで、2000㎡以上の土地を買って商業施設を作りたいな~と思ったら、買った後、市町村に届出する必要がありますよ。覚えておきましょう。

注視区域(事前届出制)

注視区域とは、地価が1年間に社会経済的事情に照らして相当な程度を超えて上昇する恐れがあり、これによって適正な土地利用の確保に支障を生じると認められる区域です。都道府県もしくは政令市が指定します。

注視区域では事前届出が必要となる土地取引の規模は、事後届出制と同じ法定面積以上になります。

注視区域は、平成10年の国土利用計画法の改正により、区域制定後、現在まで指定された地域はありません。

監視区域(事前届出制)

監視区域とは、地価が急激に上昇し、または上昇する恐れがありこれによって適正かつ合理的な土地利用の確保が困難となる恐れがあると認められる区域です。都道府県もしくは政令市が指定します。

現在、指定されている地域は東京都小笠原村のみです。小笠原諸島のことですね。

なぜかというと、リゾート開発で地価の高騰が予測されるからです。

規制区域(許可制)

規制区域とは、土地の投機的取引が相当範囲にわたり集中して行われ又はそのおそれがあって、地価が急激に上昇し又は上昇するおそれがあると認められた区域です。都道府県または政令市が指定します。

規制区域は、国土利用計画法の施行(昭和49年)以来、現在まで、指定された区域はありません

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土地取引の規制のまとめ

というわけで、注視区域と規制区域はそもそも指定されていないわけです。

私たち土木技師が覚えるべきは事後届出制(全国)のみですが、他の区域もそんなものもあるんだなー程度で見てもらえたらと思います。

国交省のページに整理した表がありますので引用します。

国土利用計画法に基づく土地取引規制制度(出典元:国交省)

条文はイーガブもしくは法令リードで見てみてね。

では、今日はこのあたりで。

またねん(*’ω’*)ノシ

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