境界を示す図面を解説します(14条地図、公図、地籍図、地積測量図など)

土木全般

こんにちは、土木公務員ブロガーのカミノです。

市役所はたくさんの土地を管理しています。庁舎、学校、図書館、公民館、公営住宅、消防施設などなど…。土木分野でも道路、河川、公園などを管理していますよね。

これらの土地は所有権も市役所が持っていたりします。

土地を管理する以上、その境界も存在し、隣地の所有権をもつ市民とトラブルになることも少なくありません。

ここでは、そんな役所の仕事をおこなう上で、知っておくべき、境界を示す図面たちをご紹介します。

メインは、法務局でとれる公図です。また、公図に似た図面がたくさんありますので、それぞれの図面を私のイメージで解説します٩(ˊᗜˋ*)و

※あくまでもイメージです!

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法務局でとれる公図

まずは筆界を示す「公図」です。

公図とは、法務局に備え付けられている地図のことで、土地の区画が分かるように地番と筆界を示したものをいいます。

さっそく見ていきましょう٩(ˊᗜˋ*)و

14条地図  

正確性★★★★★

法務局に保管されている14条地図。不動産登記法の14条に規定されている「地図」のことですが、一般に14条地図と呼ばれています。その多くが地籍調査の結果から作られているため、測量データを内包しており、現地再現性がある地図です。ていうか、これを正として考えないと拠り所がありません。

地籍調査以外にも、法務局が測量して作成したものとかもあります。

法改正前は、17条に規定されていたので、17条地図と呼ばれていました。内容は少し違いますが。

14条地図(不動産テラス ウェブサイトより)

(地図等)
第14条 登記所には、地図及び建物所在図を備え付けるものとする。
 前項の地図は、一筆又は二筆以上の土地ごとに作成し、各土地の区画を明確にし、地番を表示するものとする。
 第一項の建物所在図は、一個又は二個以上の建物ごとに作成し、各建物の位置及び家屋番号を表示するものとする。
 第一項の規定にかかわらず、登記所には、同項の規定により地図が備え付けられるまでの間、これに代えて、地図に準ずる図面を備え付けることができる。
 前項の地図に準ずる図面は、一筆又は二筆以上の土地ごとに土地の位置、形状及び地番を表示するものとする。
 第一項の地図及び建物所在図並びに第四項の地図に準ずる図面は、電磁的記録に記録することができる。

不動産登記法

地図に準ずる図面  

正確性★★★

14条地図と同様に、不動産登記法に規定されている、法務局に保管されている地図です。14条地図が備え付けられるまでの“仮の地図”ということですね。

みなさんが法務局で「公図くーださい」と請求したら、14条地図が無ければこの地図が出てきますから、一番よく目にする地図だと思います。分類のところに「地図に準ずる図面」と書いてあります。

市街地は地籍調査をおこなうのが非常に難しいため、とくに市街地はこの精度がやや低い「地図に準ずる図面」であることがほとんどです。

地図に準ずる図面(不動産テラス ウェブサイトより)

地図に準ずる図面(国調法19-5指定)

正確性★★★★

法務局でとれる公図ですが、国調法19-5指定と書いてあるときは、国土調査法19条5項指定のことです。その精度・正確さが国土調査と同等以上であると認められて、国土調査の成果と同様に取り扱う事ができます。

例えば、土地区画整理による測量結果をもとに作られていて、地籍調査の結果と同じように14条地図になるということです。

ただし、諸事情により「地図に準ずる図面」になっていたりします。その場合は、測量データが不正確だったり、座標がなかったりしますので、参考にしか使えないということです。

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公図のもとになる地図

地籍図

正確性★★★★ 

地籍図は、国土調査(地籍調査)に基づき作成された図面で、後に法務局で地図として備えられます。

図面には土地の面積や距離等は記載されていません。

国土調査の図面は過程、法務局の図面は結果ですから、私たちは役所の地籍図ではなく法務局の14条地図になってから利用したほうがいいでしょう。

カミノ
カミノ

市街地では、ほとんど地籍調査が進んでいませんから地籍図はありません。

川崎市ウェブサイトより

地積測量図

正確性★★★★

地積測量図とは、分筆や地積変更などの登記申請を行う際に、土地所有者が法務局に提出する図面です。地積とは土地の面積のこと。地籍とは意味が違います。

一筆または数筆の土地についての測量の結果が記載されています。法務局が保管していますが、地積測量図がない土地も多くあります。過去にこのような登記申請がなかった、もしくは備え付け体制がとられていなかった時代に登記した土地については作成されていないことになります。

古いものは精度があやしいですが、新しいものは、精度に問題なく、現地再現性があります。つまり、作成された年代に注意したほうがいいということ。

世界測地系データで測量された地積測量図(イクラ不動産ウェブサイトより)

旧土地台帳附属地図

正確性★★★

地図に準ずる図面となっているもの。更生図。旧公図とよく言われます。

明治初期の地租改正などの調査で作られた地図、また、それらを更生した地図です。昔の土地台帳に備え付けられていました。

今はマイラー図面というポリエステルのシートに転写複製されており、「地図に準ずる図面」として整備されています。着色はありません。

つまり公図の原型であり、もし役所で「更生図を用意してください」と言われたときは法務局でとれる現代の公図を指すと思われます。

字図・野取絵図

正確性★★

字限図・切図・絵図・改組図など…。色んな呼び方があります。地租改正の時くらいに作られた地図です。資料は主として旧来の検地帳の地図に基いており、今でも重要な資料です。

旧土地台帳附属地図との違いは専門家にしかわかりませんし、地域によっても見た目が違います。一般人としては同じものとして閲覧するといいかと思います。

役所にも多くの資料が残っていて、このような字図(野取絵図)をよく目にします。

字図(建物登記の窓口ウェブサイトより)

国絵図・村絵図・地引絵図  

正確性★ 文化財感★★★

江戸時代くらいの地図の名前です。大まかな道・川・屋敷などを記したもので、位置関係は正確でしょうが、見取り図のようなもので、地積の正確性には大きく欠けますよね。

地引絵図は筆界を示していますから、参考になるかもしれません。下の画像は地引絵図という名前ですが、明治の地租改正時に作られたもののようです。

壬申地券地引絵図(島川村地券取調総絵図)

検地帳の地図  

正確性★

享保検地の際につくられた「検地帳」から来るものだと思います。つまり、そのくらい古い地図です。

検地図・検図帳などと呼ばれることもあるかもしれません。

明治時代に更新されたりしてるはずですが、田舎(私の市役所)には水路や道の幅だけが書かれた地図も多く残っています。字図との区別はつきませんが、字図より大雑把なものを検地帳の地図ということにしておきます。

魚鱗図  

正確性★ 魚感★★★

魚鱗図。魚鱗図冊。中国の宋代から明・清代にかけて作られた土地台帳のことを言いますが、村の土地を魚のうろこのように書き記していることから、日本でも、同じような書き方のものを魚鱗図と呼んだりします。もちろん再現性なんか一ミリもございません(笑)

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おわりに

境界を示す図面はたくさんあるんですね。

時代ごとに、測量方法ごとに、作成者ごとにそれぞれ違った目的で作られたものです。

すべてに意義があるものなので、役に立つはずですからその性質を正しく理解しておきましょう。

図面は随時増やしていきます(笑)

では今日はこのあたりで。

またぬん(*’ω’*)ノ

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