こんにちは、土木公務員ブロガーのカミノです。
薬液注入工では、流量計（記録計）を用いて注入量を記録しますが、その際使われるのが「チャート紙」です。ここでは、チャート紙の見方と、監督職員の仕事についてかんたんに解説します。
薬液注入工についてはコチラ↓の記事で徹底解説しました。
チャート紙の見方
さっそくですが、一般的なチャート紙はこんな感じです。
赤色と緑色の線で記録されており、青の印字もありますね。
画像に書いてあるとおり、
緑線：圧力（MPa）
赤線：流量（L/分）
青字：年月日、積算流量など
となっています。目盛り凡例も色分けされているので、ちゃんと見れば判断できますよね。
このチャート紙の縦方向は1目盛り5分の経過時間を表しています。横方向は圧力と流量ですが、この画像のように一定にはならず、とくに圧力はかなり乱れると思います。
１孔の注入が完了したら、日付と注入量の印字がされます。この注入量が大切。何か所も施工するのでNO.などを手書きすることも多いと思いますよ。
監督職員がおこなうこと
各自治体では国の以下の通知を準用して監督をおこなっています。（自治体独自のルールを設けてることもあります）
薬液注入工法による建設工事の施工に関する暫定指針について 平成2年
薬液注入工事に係る管理について 平成2年
薬液注入工法による地盤改良工事に係る適切な施工管理等について 平成29年
薬液注入工法による地盤改良工事に係る適切な施工管理等について（詳細） 平成29年
そして、平成2年の国の通知にはこのように書かれています↓
「チャート紙は、発注者の検印のあるものを用い、これに施工管理担当者が日々作業開始前にサイン及び日付を記入し、原則として切断せず1 ロール使用毎に監督職員に提出するものとする。なお、やむを得ず切断する場合は、監督職員等が検印するものとする。また、監督職員等が現場立会した場合等には、チャート紙に監督職員等がサインをするものとする。」
監督職員の検印
施工を始める前に、使用するチャート紙に監督職員が検印しなければなりません。どういうことかと言うと、チャート紙に問題がないかを確認して捺印をするのです。やり方は自由だと思いますが、私は始めと終わり、そして側面の3箇所に捺印しています。
この検印は昔チャート紙の改ざんがあったことから始まったルールらしいです。自治体では正式に規定されていないかもしれませんが、常識的なルールですので遵守しましょう。
発注者がチャート紙を用意することもあるらしいですよ。
チャート紙を切断する場合
チャート紙は切り取りやすいようになってますが、切り取ってはダメです🙅♀️途中で工事が終わったとしても切り取らず１ロールを提出してください。
めったにないと思いますが、切り取る場合は割印を打つ必要があります。ルール上は監督職員の印鑑となっています。
注入量を確認する
施工中は施工計画書どおりに施工しているか、異常な圧力になっていないか、チャート紙の記録が適切か、注入量などを確認します。注入速度は二重管ストレーナー方式では８L/分～20L/分です。
施工後は設計どおりの注入量になっているかを確認します。青印字の積算値や注入日報の数量をしっかりチェックしましょう。
おわりに
チャート紙についてかんたんに解説してみました。
薬液注入工に限らず、圧入系の工事で流量計を使う場合は同じようなチャート紙を使用すると思います。
覚えておいてくださいね。
ではまた。
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