今さら聞けない“i-Construction”とは?

土木全般

i-Construction(アイ・コンストラクション)とは、国交省が2016年に始めた土木業界の生産性を大幅に向上させる取り組みです。


こんにちは。土木公務員ブロガーのカミノです。

みなさん、i-Constructionとは何かご存知でしょうか? なんかICT施工のやつでしょ?って思われた方、それ正解です٩(ˊᗜˋ*)و

今日はi-Constructionができた経緯と、このプロジェクトを通して、国は何をしようとしているのかについて解説します。

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i-Constructionとは?

i-Construction(アイ・コンストラクション)とは、国交省が2016年に始めた土木業界の生産性を大幅に向上させる取り組みです。

その方法として、測量・設計から、施工、検査、維持管理にいたるすべての事業プロセスにおいてICTを導入させます

これだけがi-Constructionと思われていることも多いのですが、実はICT導入はプロジェクトの一部です。ただ、これが最重要なのでそのイメージでいいと思います(笑)

カミノ
カミノ

Constructionは「建設」という意味です。
「i(アイ)」には色んな意味があると思いますが、たぶんipad、iphoneを真似てオシャレにしたんだと思います。

i-Constructionを構成する3つの施策

一応、全体像を説明しますね。

i-Constructionには3つの柱があります。

施工時期の平準化

規格の標準化(コンクリート工)

ICT技術の全面的な活用(ICT土木)←重要٩(ˊᗜˋ*)و

施工時期の平準化

公共工事は第1四半期(4~6月)に工事量が少なく、9月以降に仕事が急に増えるという偏りがあります。4~6月のような閑散期があると、貴重な人材が仕事ができずもったいないですよね。

ということで、例えば、国は早期発注や債務負担行為、もしくは予算繰り越しを使って4~6月の年度早い時期にも工事をしてもらおうとしています。

債務負担行為とは、新年度になる前に新年度の予算を使うことを約束して現年度に契約しちゃう方法。これによって、3月までに契約、4月から現場の準備が可能となるのです。

市役所の工事でもなるべく早期発注、債務負担行為による発注を心掛けてバランスよく1年中工事が行われるようにしたいですね。

規格の標準化(コンクリート工)

建設現場というのは現場毎に内容も期間も条件もまったく違い、同じ現場は存在しません。そのため、使用するコンクリート製品も規格・工法がバラバラなわけで、これが建設業の生産性が低い一因となっています。

解決のための取り組みとしては、現場打ち、プレキャストそれぞれにおける生産性向上技術を全国に普及させるためガイドラインを整備したり、制作過程や作業を標準化し、施工のアウトソーシングも可能にします。

ICT技術の全面的な活用(ICT土木)

上2つの説明で気づかれたかもしれませんが、実は上2つの項目にはICTは関係ありません。

大事なんですけど、面白みはないですよね(;´・ω・)聞き流しちゃう施策だと思います…。

さて、この3つ目の項目が「ICTの導入」というi-Constructionの一番の鍵となっている施策で、国交省だけでなく業界を挙げて全力で取り組んでいるものになります。

ドローンによる写真測量から始まり、測量結果をもとにした図面の3次元データ化、土量の自動算出、ICT建機での施工、ICT機器での出来形管理、コンピュータ上での検査、ドローンなどの先進ICT機器を用いた維持管理などなど。

みなさんがイメージするICT施工管理を詰め込んだものになっております。

これがi-Constructionと言ってもいいくらいですね。

(株)建設システム ウェブサイトより
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i-Constructionがはじまった背景~建設業界の6つの弱点~

i-Constructionを実施するに至った背景について考えてみましょう。

建設業界というのは、他の業界に比べて、生産性が低いことが長年の問題となっています。

(一般社団法人日本建設業連合会「建設業ハンドブック2020」より)

なぜ建設業は労働生産性が低いのでしょうか?

理由はさまざまありますが、私は建設業の6つの弱点に絞って説明します。

先述した内容とかぶりますが…。

①単品受注生産

建設工事は工事ごとに条件・内容が違っており、発注者の意向にも大きく左右される業種です。つまりすべての案件がオンリーワンの受注制作かつオーダーメイドというわけです。製品販売で考えるととんでもないですよね(笑)それにより、業界全体では使用するコンクリート製品などの規格がはっきり標準化されていないことが多いんです。

②労働集約型生産

単品受注生産とも同じ話ですが、立地条件の異なる個別事業に対して、屋外での移動作業を伴うため労働集約性が高くなります。材料や機械よりも、人間の手による仕事量が多い産業ということですね。大きい現場になると何十人も毎日人を寄せて現場条件に合った準備・施工・片づけをするのが当たり前だと思います。テレワークやリモートをフル活用してる業界と比べると、非効率さがわかりますよね?

③90%を中小企業が占める

建設業 56万業者のうち、資本金 1 億円以上の企業はわずか 6000社あまりにとどまり、全体の90%は資本金1億円未満の中小企業や個人事業者が占めます。このため、経営管理能力の未熟な企業も多く、新しいことへの投資もできません。

④ 複雑な分業構造

建設業界は建設投資の4分の1を上位 50 社の大手ゼネコンが受注しています。その大手ゼネコンや元請けの小さい業者でも工事の大部分を下請業者・孫請業者と専門性の高い業者に依存する形態となっているのが実情です。この複雑な重層構造が建設業全体で根強く続いています。この過剰な重層構造は、みんなが「問題あり」だと認識していますが、誰も解消することはできていません。人と人との繋がりで長年やってきて、お金にルーズな建設業界を変えるのは至難の業です。

⑤ 大きい繁閑の格差

1年のうちでも9~3月までに多くの工事が集中し、ひとつの年度が終われば、4~6月は閑散期となっています。これでは年間を通して雇用を維持しづらく、労働者が離れる原因となっています。また、労働者全体の技能向上や熟練度向上を図りにくい面もあり、非効率性に拍車をかけているかもしれません。

⑥深刻な人手不足

そして、この5つの弱点・課題を総括する意味で、建設業は深刻な人手不足となっています。

具体的に言うと、20年前と比べて職人が3割近く減って、高齢者が増えて、29歳以下の若手が10%程度しかいません。若手が10%ですよ10%。これで建設需要もそこそこあるっていうんですから頭が痛い話です。

(一般社団法人日本建設業連合会「建設業ハンドブック2020」より)
(一般社団法人日本建設業連合会「建設業ハンドブック2020」より)
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i-Constructionのはじまり

こういった建設業の喫緊の課題に対応するため、国交省は以前から動き出していたのですが、本格的にi-Constructionが始まったのは2016年でした。

この年に第1回未来投資会議がスタートし、安倍総理より、「2025年までに建設業界の生産性を20%向上する」と発表されました。

これ以降、i-Constructionには莫大な予算が投資されているようですし、産学官が連携した多くのワーキンググループが開催されています。

お金の匂いがするところには人が集まりますからね。とにかく投資です。乗るしかないこのビッグウェーブに。

国交省のi-Construction特設ページはこちらです。興味がある方は覗いてみてください。正直、官僚テイストなページになっており直感的に分かりづらいし面白くないページですが…。

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i-Constructionが目指すもの

最後になりましたが、i-Constructionが目指す建設業の未来をご紹介しておきます。

• 一人一人の生産性を向上させ、企業の経営環境を改善

• 建設現場に携わる人の賃金の水準の向上を図るなど、魅力ある建設現場へ

• 建設現場での死亡事故ゼロに

• 3K「きつい、危険、きたない」 から新3K「給与が高い、休暇がとれる、希望がある」 を目指して

超深刻な人手不足のせいでこのままでは潰れてしまう建設業を救うための、建設業の未来を見据えた施策なので、「へ~なんかやってるんだ~。」と他人事を決めてるそこのあなたも他人事ではありません( ゚Д゚)

ICT施工についてはこちらの記事をどうぞ。地方の市役所でも使われています。

カミノ
カミノ

当事者意識を持ち、ICTを学びましょう。

では今日はこのあたりで。

またぬん(*’ω’*)ノシ

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