なぜ渋滞は起こるの?渋滞発生のメカニズムに迫る!

道路

こんにちは、土木公務員ブロガーのカミノです。

私は渋滞がきらいです。連休や大型イベントがあるときには混まない時間帯をねらって朝早く家を出たりします。渋滞が好き!って人はこの世にいないでしょうね。

そもそもなぜ渋滞は起こるのでしょうか?なぜ起こるのかを知れば、防ぐ方法も見えてくるはずです。

今日は、渋滞発生のメカニズムについて解説します٩(ˊᗜˋ*)و

カミノ
カミノ

「交通」も「土木」のひとつのカテゴリーですよ。

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渋滞の原因

渋滞の原因は、一般道路と高速道路の場合で変わってきます。ベテランドライバーの方は原因についてなんとなくわかってるかもしれませんね。

一般道路の渋滞原因

まず一般道路ですが、高速道路と違って、信号制御される交差点があります。そこで赤信号なら強制的に停止しなければなりませんから、信号でさばけないほどの車が交差点にやってくると、長時間の渋滞が発生します。

とくに右折専用レーンや左折専用レーンがない交差点では、交差点で曲がろうとする車が後続の進行を妨げてしまうため、交通が滞ってしまいますね。

本来は、平面交差点の設計では、幾何構造と信号制御を同時に検討し、交通容量に合ったレーン数を整備したり滞留長を決めたりするんですが、古い道路だと昔の交通容量で設計されていたり、用地の関係でそこまで考慮されていなかったりします。街が発展すればするほど、交通容量は増え、その需要に見合っていない交差点が多くなってしまうんです。

また、現基準の設計であっても、朝夕のピークに交通量が増えすぎる場合は、捌ききれず、その時間だけ渋滞が発生することになります。

高速道路の渋滞原因

高速道路の場合は、一般道路と違い信号がありません。ということは別の原因で渋滞が発生しているのでは?

その原因を知れる実験映像があります。これを見てもらうのが一番早いんですよね٩(ˊᗜˋ*)و

信号がない道をぐるぐる回るだけの動画ですが、なぜか渋滞が発生していますよね。

なにもないところでも渋滞が発生するという事実は、初めて映像を見た方はちょっと衝撃なのではないでしょうか。

ドライバーは全員が一定速度で走るわけではありませんから、車間距離の取り方、アクセルを踏むタイミングのわずかな差でズレが生じます。

そこで1台の車がブレーキを踏むと、後ろの車が連鎖的にブレーキを踏むことになり、そこで渋滞が発生するのです。

これが渋滞のメカニズムです。

カミノ
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ちなみに、このようなボトルネックがない状態でも起こるものを自然渋滞と呼びます。

渋滞の発生場所

高速道路で、渋滞が発生しやすい場所は、上り坂、サグ部(サグとは、下り坂から上り坂にさしかかる凹部のこと)、合流部、出口付近、事故箇所などです。

出典:NEXCO東日本

首都高ドライバーズサイトでは、それぞれの場所でどういうふうに発生するのかをアニメーションでわかりやすく説明してくれていますので、よかったら見てみてください。

渋滞が発生するメカニズム|首都高道路交通情報|首都高ドライバーズサイト (shutoko.jp)

例えば、上り坂では、無意識に速度が低下する車があります。車間距離が短くなった後ろの車はブレーキを踏み、後続車は次々にブレーキを踏むことになります。そのうち完全に停止する車もでてきて、ブレーキの波(渋滞)はずっと後ろまで広がっていきます。

渋滞解消へ向けた取り組み

道路構造・車線運営の改良

市街地で起きる渋滞に対しては、私たち土木技師(道路管理者)が警察と連携して、交通量が多い平面交差点を改良したり、立体交差化して信号をなくしたりして、渋滞緩和の取り組みをおこなっています。

高速道路では、付加車線を増やしたり、分岐点の車線運用を変えて、なるべく後続車がブレーキを踏まなくてもすむような構造に改良しています。

ETCの整備

国土交通省によるとETC利用率は令和2年10月現在で92.9%となっています。出入口でETCによるスムーズな走行ができれば、渋滞は軽減できるはずですよね。

ETCは支払いが楽だし、高速道路利用料も大幅な割引があったりするので、使わないのは損ですよ٩(ˊᗜˋ*)و

渋滞情報の発信

ソフト面では、「渋滞予報ガイド」やNEXCO東日本のウェブサイト「ドラぷら」など各社提供サービスで、渋滞予測情報を提供しています。また、「AI渋滞予知」の研究・実施も始まっています。

ハード面では、LED表示板などを渋滞多発箇所に設置し、ドライバーに向けて、事前に車間距離を十分とるなどの渋滞対策と意識向上を呼び掛けています。

ドライバーができる対策!渋滞吸収車とは?

道路管理者だけでなくドライバーができる対策はないのでしょうか?

私が実践している方法がありますのでご紹介します。

それは、渋滞吸収走行というものです!

高速道路で渋滞が発生する原因は、「ブレーキの連鎖」でしたよね?そのブレーキの連鎖を吸収するように走れば渋滞の波及はそこで止まります。

つまり、渋滞吸収走行とは、車間距離をとりブレーキをなるべく踏まずに走る方法です。一般の方が実践されている動画がありますのでご覧ください。

私もこんな感じでたまに渋滞吸収車になりきって走ったりしてます。高速道路の長時間ドライブって飽きて眠くなったりしますが、渋滞吸収みたいな目的をもって運転するとゲーム感覚で少し楽しいかもしれませんね。安全運転にもなりますからオススメです。

カミノ
カミノ

自分が交通をコントロールしている感覚は面白いですよ。

渋滞のない街はありえるのか?

さいごになりましたが、「渋滞のない街はつくれるのか?」という永遠の命題についても書いてみます。

普通に考えたら、発展した街で交差点がある限り、そして、クルマでの移動がある限り渋滞は発生しちゃうように思えます。街の構造を工夫すれば渋滞しない夢のような街はできるのでしょうか?

今は、コンピュータの発達により、高度なシミュレーションができるようになってます。ありがたいことに一般人でもスペックが高いパソコンさえあれば、ゲームで仮シミュレーションが可能です。とあるゲーム系YouTuberがチャレンジしてますので、ご紹介しておきます。

めちゃくちゃ面白い動画です(笑)


現実の街では絶対に実験できない仮定もコンピュータではシミュレーションして遊べるのが凄いですよね。

今は、自動運転技術も上がってきてますから、将来的に完全自動運転になり、さらに交通がすべてコンピュータ制御される時代になれば、長時間停止するような走行はなくなりそうです。そうすれば、「渋滞」という概念が変わる気がしますね。

ということで、今日はみなさんにも馴染みやすい土木の話をしてみました。

今日はこのあたりで。

またぬん(*’ω’*)ノシ

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