会計年度とは?会計年度の運用ルールを解説

予算管理

会計年度とは、歳入・歳出を区分整理するために設けられる会計上の区切られた期間のことです。日本国では、4月1日から翌年3月31日までを一会計年度としています。

 
こんにちは、土木公務員ブロガーのカミノです。

予算解説シリーズです。ここでは、会計年度とは何か、会計年度の運用ルールについて説明したいと思います。

「自治体の会計」についてはこちらの記事で解説しています↓

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会計年度とは

会計年度とは、歳入・歳出を区分整理するために設けられる会計上の区切られた期間のことです。日本国では、4月1日から翌年3月31日までを一会計年度としています。

自治体も国と合わせた方が都合がいいので、地方自治法第208条で「普通地方公共団体の会計年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わるものとする。」と規定されています。

当たり前ですが、もし会計年度がなければ、歳入と歳出の関係がわからず、財政状況を正しく把握することができません。

カミノ
カミノ

ちなみに、アメリカでは10月から翌年9月までを会計年度としていたり、州予算では予算の区切りを2年間としている州もあるそうですよ。

会計年度独立の原則

一会計年度における歳入と歳出の関係を明らかにするために、予算管理のうえで大切なルールがあります。

2つありますのでご紹介します。

ひとつは、会計年度独立の原則です(/・ω・)/

会計年度独立の原則

各会計年度における歳出は、その年度の歳入をもって充てなければならない。(地方自治法第208条2項)

1年間の収入で1年間の支出を賄いなさいよ、っていう行政であれば当たり前のルールですね。

会計年度独立の原則の “例外ルール”

実際は、会計年度をまたぐ事業もありますので、例外ルールが認められています。

次の6つの例外があります。

例外措置地方自治法・自治法施行令
継続費の逓次繰越し (法第212条、施行令第145条)
繰越明許費 (法第213条、施行令第146条)
事故繰越し (法第220条第3項、施行令第150条第3項)
過年度収入、過年度支出 (法第243条の5、施行令第160条・第165条の8)
歳計剰余金の繰越し (法第233条の2)
翌年度歳入の繰上充用 (法第243条の5、施行令第166条の2)

継続費は、2か年度以上にわたる事業をする前に、支出総額と年度割を定め、あらかじめ数年度に渡って支出することを議会で認めてもらったものです。継続費は予定の年度に執行しなかった残額を翌年度に繰り越して使うことができます。これを「継続費の逓次(ていじ)繰越し」といいます。

繰越明許費(くりこしめいきょひ)は、年度内に支出を終わらない見込みのあるものについて、翌年度に繰り越して使用することを議会に認めてもらったものです。よく繰越と呼んでるものはコレです。

事故繰越しは、避けがたい事故により、年度内に事業が完了しなくなった場合に予算を翌年度に繰り越して使用できるものです。災害などの全然予期していなかったハプニングが起きたときだけなのでかなり条件は限られます。繰越明許→事故繰越しのように2か年度繰り越すこともできますよ(*’ω’*)

カミノ
カミノ

その他の例外ルールは、土木と関係なかったり財政課の事務だったりするので省略します。

(土木公務員が扱うものはまた別記事でくわしく解説したいと思います。)

単年度予算主義の原則

もうひとつは単年度予算主義の原則です。

単年度予算主義の原則

一会計年度の予算は、その年度内に執行し完結しなければならない。(地方自治法第220条3項)

会計年度独立の原則と似ていますが、少しニュアンスが違いますね。こちらは、歳出予算の金額は必ず年度内に執行しなさいよ、翌年度に使うことはできませんよ。というルールです。

まあ2つをひっくるめて言及することが多いかと思います。

単年度予算主義の原則の“例外ルール”

こちらも例外ルールがあります。

例外措置地方自治法
継続費(法第212条)
債務負担行為 (法第214条)
長期継続契約 (法第234条の3)

継続費は先ほど説明したとおり。

債務負担行為は、自治体が債務を負担すること(=契約を締結すること)を予算に定めたものです。歳出予算、継続費、繰越明許費に定めた以外でですね。例えば、現年度に工事請負契約を締結する(=債務を負担する)けど、支払いは翌年度になることが最初からわかっている場合には、やむを得ない繰越明許ではなく、現年度にあらかじめ債務負担行為の設定をしなければなりません。歳出予算は翌年度計上になります(このように契約初年度に支出をしないものはゼロ債務負担行為とかゼロ市債、国であればゼロ国債といいます。)

長期継続契約は、複数年度にわたる契約を締結することです。ふつうは単年度契約ですが、物品のリースや庁舎等の清掃業務などは毎年同じことをするので、2年以上の長期契約にしたほうが合理的なのです。ただし、工事請負は長期継続契約が認められていないため、債務負担行為によって毎年の債務予算を設定して契約締結をおこないます。長期継続契約は土木とは関係ないように思えますが、土木部門が管理している施設の保守点検などで2年間、3年間の契約をおこなうことはありますよ(*’ω’*)

また詳細は別記事にしたいと思いますm(__)m

カミノ
カミノ

この他の予算の原則はこちらの記事にまとめています↓

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会計年度所属区分を知ろう

会計年度の独立性について学んだところで、“じゃあ、実際に3月・4月頃に請求を受ける支払い手続きをどちらの年度でおこなえばいいの?”という実務上の疑問が出てきますよね。

もちろんすべて明確に決められています。

収入・支出がどの会計年度に属するかを決めるのが「会計年度所属区分」です。

歳入は自治法施行令第142条、歳出は自治法施行令第143条をご覧ください(/・ω・)/

土木公務員にとって重要な歳出のみ引用してみますね。

地方自治法

(歳出の会計年度所属区分)
第143条
 歳出の会計年度所属は、次の区分による。
 地方債の元利償還金、年金、恩給の類は、その支払期日の属する年度
 給与その他の給付(前号に掲げるものを除く。)は、これを支給すべき事実の生じた時の属する年度
 地方公務員共済組合負担金及び社会保険料(労働保険料を除く。)並びに賃借料、光熱水費、電信電話料の類は、その支出の原因である事実の存した期間の属する年度。ただし、賃借料、光熱水費、電信電話料の類で、その支出の原因である事実の存した期間が二年度にわたるものについては、支払期限の属する年度
 工事請負費、物件購入費、運賃の類及び補助費の類で相手方の行為の完了があつた後支出するものは、当該行為の履行があつた日の属する年度
 前各号に掲げる経費以外の経費は、その支出負担行為をした日の属する年度
 旅行の期間(外国旅行にあつては、その準備期間を含む。)が二年度にわたる場合における旅費は、当該二年度のうち前の年度の歳出予算から概算で支出することができるものとし、当該旅費の精算によつて生ずる返納金又は追給金は、その精算を行なつた日の属する年度の歳入又は歳出とするものとする。

このようにすべて決まっています。

うーん、でも自治法施行令ではまだ詳細な判断がつきませんよね…。

例えば、工事請負費は「当該行為の履行があった日の属する年度」と規定されていますが、履行があった日っていつか分かりますか?現場が終わった日?完成届が提出された日?正確に答えられますか?(;´・ω・)

長くなってしまうので、ここから先はまた次回説明します。ごめんなさい

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出納整理期間とは

会計年度は3月31日で終わりますが、市役所では5月31日までは旧年度予算の収入や支出を行うことができます。(地方自治法第235条の5)

この4月1日~5月31日を「出納整理期間」と呼んでいます。

例えば、河川改修工事が3月中旬に完了したとして、検査確認を3月下旬に受けます。そこからすぐに受注者から請求書を受け取ったとしても、工事代金の支払い手続きを3月31日までに完了できないですよね。他にも、水道光熱費みたいに4月に3月分の使用料を請求される商品・サービスもあります。このような理由から、出納の猶予期間として2か月間の「出納整理期間」を設けているのです。

ちなみに、5月31日限りで収入・支出ができなくなることを「出納閉鎖」と呼んでいます。

地方自治法

(出納の閉鎖)
第235条の5
普通地方公共団体の出納は、翌年度の五月三十一日をもつて閉鎖する。

カミノ
カミノ

年度末・年度初めは、大量の請求書が役所に届きます。会計室の繫忙期ですので、なにごとも早めに会計室へ引き渡しましょう。

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おわりに

会計年度の運用ルールを説明しました。といっても、例外ルールがたくさんあってまだまだ解説し足りない(;´・ω・)

債務負担行為とか初めて聞いたら何のことかさっぱりだし、説明されても「???」だと思います。

事務職はほぼすべて知っておくべきでしょうが、技術職は一部のルールだけ知っておけばとりあえずOKです。でもその一部のルールはしっかり理解しておきましょう。

カミノ
カミノ

お金にまつわることですからトラブルになると大変です。

ということで、もう少し詳細はまたの機会に書いてみます。

では今日はこのあたりで。

またぬん(*’ω’*)ノ

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