道路のマーキング(埋設物の配置図)を解説 #見える地下

道路

こんにちは、土木公務員ブロガーのカミノです。

本市の道路行政にご協力いただきまして誠にありがとうございます。今日は道路管理のtip’sをご紹介したいと思います。

たまに道路にスプレーで線や文字がいっぱい描かれてることがありますよね? 先日もTwitterでこんな写真が流れてきました。

落書きみたいですよね(笑)

これは道路の埋設物がどこにあるかをメモ(?)したものなんです。

よ~~く見てみると、この写真のなかにガス管の新設ルートが描かれてるんですけど、どこかわかりますか?(わたしの推測ですが)

この写真をお借りして、マーキングについて解説してみようと思います。

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試掘・仮舗装とは

まず、前提知識からお話します。

さきほどの写真は「試掘調査をしたあとに仮舗装された道路の写真」です。

試掘とは?仮舗装とはなんぞや?

道路には上下水道・電気・通信・ガスなどの配管や施設が埋設されています。しかし、古いものは図面がなかったり、修繕工事で位置が変わっていたりするので、間違って破損しないように一度慎重に掘って既存の地下埋設物の位置や深さを確認します。これが試掘と呼ばれる作業です。(試験掘り・試験掘削とも呼ばれます)

試掘した部分はもちろん一旦埋めてしまって舗装をかぶせます。ツギハギのように新しくアスファルトになっている部分、これが仮舗装です。

そして、今回の現場では、上写真のように「ガス」という文字だけ、きちんとしたフォントで書かれていることが分かると思います。これはガス事業者の仮舗装だということ。こんな感じで誰が仮舗装をしたのか分かるように明示するルールになってます。実際ごちゃごちゃして分かりませんけどね( ˊᵕˋ 😉

ちなみに、舗装の継ぎ目があるので3箇所を違う日に試掘したことも分かりますね。

マーキングの記号・数字の意味

マーキングされた記号や数字が消えてませんよね。ということは試掘をして、まだ新しい管布設は行われていない状況です。

マーキングの見方ですが、業者によって描き方は違うので、ざっくり一般論だけですが、おもに線は埋設物の位置、文字と数字は埋設物の種類・管径・土被りを表しています。

真ん中付近に書かれている「W300 D:1.15」は「水道管Φ300 土被り1.15m」ということを表しています。

埋設物の種類、管種

アルファベットのWは水道、のように英語にしたときの頭文字で埋設物の種類をあらわしています。代表的な記号は下表のとおり。

記号埋設物
W水道管
S,下下水道
E電気
T通信
Gガス
IW工業用水
記号の例

ただし、記号が管種を表してるときも多いです。ポリ管はPE、鋳鉄管はCIP、塩ビ管はVP、ヒューム管はHPとか。

管の呼び径

Φ300というのは呼び径30cmということで、おおよそ内径が約30cmの管という意味です。Φ300ではなく300Aと書かれているときもあります。

埋設深さ(土被り)

D:1.15mとは、土被り1.15mという意味。地表から管頂までの深さです。

ここの業者はD:1.15という書き方ですが、H=1.15と書く場合が多いと思います。ほかにもDP1.15と書いたり、DP1150(ミリ表記)や1150とだけ書かれていることもあります。

写真から読み取れる埋設物情報

では写真から読み取れるものを書き込んでみましょう。

左側のS□というのがよく分かりませんが、下水のボックスカルバートみたいなものかな?黄色マーキングの幅やマンホールから推測。

新しい配管ルートも分かる?

また、中央付近に真っ直ぐ白線が引かれていますよね?これがガス管の新設ルートだと推測されます。理由は、埋設物を縦断的に避けたスペースでもあるし、奥の方に行くと白線がカクカクと折れてるので、下水や電気通信ではないことがわかるから。折れてもいいのは流体を圧送する上水道とガスです。

まあ私の推測が多分に含まれていますので間違ってたらごめんなさい(;´・ω・)

#見える地下

さて、地下埋設物マーキングの基本が分かったかと思います。さらに地下埋設物の魅力にもっと触れてみたい!という方は、Twitterで「#見える地下」で検索してみてください。そういう世界が好きな人たちが道路マーキングについて色々と投稿されていますよ。

一部ご紹介しますね。

カラフルなマーキングは楽しくなりますね。

みなさんも面白いマーキングを見つけたら#見える地下 のタグをつけて投稿してみてくださいね(*’ω’*)

地下埋設物の全般のお話も今度書いてみようと思います。

ではまた。

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