内田篤人選手の引退スピーチから読み解く、“誠実であること”の極意

エッセイ
カミノ
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こんにちは。スポーツ大好きカミノです。

たまにはコラム的なものも書いてみます。

サッカーの内田篤人選手が現役引退を発表し、先日最後の試合が行われました。

ベンチスタートでしたが、怪我人が出て前半から急遽出場することに。試合は最後のワンプレーで同点に追いつき、引き分け。
最後までドラマを見せてくれました。

その引退試合のあと、ピッチの上で最後の挨拶をしてくれましたが、人に伝えたいことをシンプルにまとめた内田選手らしい名スピーチでしたので、今回ご紹介します。

大それたタイトルですが、うっちーの話をしたいだけです。

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内田選手の引退スピーチ全文

そんなたいした話しないんで、大丈夫です。

今日、僕はここでサッカー選手を引退します。えー何だっけな(拍手)。鹿島アントラーズというチームは、数多くのタイトルを取ってきた裏で、多くの先輩方が選手生命を削りながら勝つために日々、努力する姿を僕は見てきました。僕は、その姿を今の後輩に見せることができないと、日々練習していく中で体が戻らないことを実感し、このような気持ちを抱えながら鹿島でプレーすることは違うんじゃないか、サッカー選手として終わったんだなと考えるようになりました。

もう一花、二花、咲かせたいと日本に戻ってきましたが、その中で隣に寄り添ってくれたトレーナー、まだやれると背中を押してくれたザーゴ監督、大岩前監督、いい時も悪い時もともに過ごしたサポーター、ファン、スポンサー、そしてチームメート、本当にありがとうございます。

このようなシーズン、チーム状態で、僕の決断を理解してくださった強化部、監督、そしてチームメート、本当に申し訳ない。日の丸を背負ってプレーする重さも、殺気のあるドイツでのスタジアム、つらさも、うれしさも、すべて僕の財産です。

もう少しだけ。この話を聞いているプロサッカー選手を目指す子供たち、サッカー小僧の皆さん、鹿島は少し田舎ですが、サッカーに集中できる環境、レベルの高さ、そして今、在籍している選手たちが君たちの大きな壁となり、ライバルとなり、偉大な先輩として迎え入れてくれるはずです。僕はそれを強く願います。

最後に、サッカーを通じて出会えたすべての人たちに感謝します。また会いましょう。

人に伝えること。

このスピーチは結構、練って書いたものだと思います。

なるべく短く、伝えたいことを、伝えたい人に伝える。内田選手の想いが見て取れます。

①引退の理由を説明し、
②キャリア終盤に後押ししてくれた人たちへの感謝、
③シーズン途中で辞めることへの謝罪、
④サッカーをしている子供たちへのメッセージ、所属クラブへの愛、そして、
⑤サッカーを通じて出会えたすべての人たちに感謝して、
⑥また会いましょう。

内容だけでもそうですし、話し方からも聡明さを感じますよね〜。

一番最初に「そんなたいした話しないんで、大丈夫です。」といつものように飄々と切り出すことによって、これには重い空気をアイスブレイクさせようという意図を感じます。
無意識的なものかもしれませんが、ほんとに内田選手のバランス感覚が優れているところです。

最初言葉に詰まるシーンで泣くのをこらえていますが、思いを伝える場では絶対に涙しないという強い意志を感じます。

ものすごい精神力です。

内田選手のすごさ

内田選手は誠実な人だと言われています。彼を悪く言う人はいないし、誰からも愛されるキャラでした。日本代表の選手たちからも好かれてますし、後輩からは尊敬されてますし、7年在籍したドイツのクラブを移籍するときも今回のように大観衆のファン・サポーターの前でお別れ会を開催されるほどでした。

なんで愛されるんでしょうか?イケメンだから?サッカーが上手いから?イケメンだから?

たしかにアイドル顔負けのカッコよさだし、サッカーも日本史上最高クラスに上手いけど、それだけで愛されているわけではありません。

なぜ愛されているか、考えるとき、もう一つ、疑問に思います。

本当に内田選手は誠実なんでしょうか?誠実とは何でしょうか?

誠実とは
私利私欲をまじえず、真心をもって人や物事に対すること。また、そのさま。

デジタル大辞泉

残念ながら、悔しいかな、私は彼と知り合いではないので、彼が本当に誠実かどうかはわかりません。

でもこのスピーチからわかることは、彼が誠実であろうと努力していることです。

そこが人に愛される理由だと思います。

気配り上手

辞書だと、真心をもって人や物事に対することが誠実、ということでしたが、それは気配りという言動にも当てはまりますよね。

人が喜ぶことをする。人が悲しむことはしないようにする。相手を想って行う、これはまさしく誠実でしょう。

引退のスピーチでもそれを感じられました。

特に、サッカー界のことを想って子供たちに向けて発言していますが、なかなか引退の挨拶で出来る人はいないと思います。

アドリブではありませんから、伝えるべきだと彼が考えて原稿にするというところに、誠実であろうという努力を感じます。

スピーチのあと二人の娘さんと連れ添ってスタジアムを1周してましたが、娘さんの可愛いこと。
目に入れても痛くありません。ガチで。

次女のほうにはドイツ時代の所属クラブのユニフォームを着せていました。気配りですね。

誠実であろうという人を、人は誠実と呼ぶのですね。

おわりに

32歳という若さで、現役を引退した内田選手。

ファンとしてはかなりショックだし、人生の節目を目撃すると人生を考えさせられる転機にもなります。

内田選手は第2の人生を楽しく歩むでしょう、色々なことに挑戦する的なことを言ってますので、今後の活躍に注目したいと思います。

そして、私も同じように誠実に生きようと固く誓うのでした。

おわり。

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