土木公務員とロジ

エッセイ

こんにちは、土木公務員ブロガーのカミノです。

皆さんはロジという言葉をご存知でしょうか?

霞が関用語のひとつであり、霞が関界隈の人達がTwitterで使ってるのをよく見かけますね。私もTwitterを始めた頃(1〜2年前)に初めて知りました。おそらく地方自治体まではあまり普及してはいませんね。

ここでは、このロジという言葉について少し書いてみたいと思います。

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ロジとは

役所用語でどういう意味なのかというと、「ロジとサブ」~元公務員講師のコラム~ | ハムなび (umedai.jp)に解説がありました。一部引用しますね。

ロジはロジスティックスの略。兵站の意味。首脳会談の例だと、総理の宿舎とか配車とか、会談場所の手配とか、食事のメニューとか、報道陣の対応とか、航空券の手配、交通手段の手配等、その他諸々がロジに位置づけられます。

対になる言葉がサブです。サブはサブスタンスの略。実質、中身くらいの意味。外務省の文脈で言うと、首脳会談があるとして、首脳会談で日本の総理が何を言うかとか、どういう方針で会談に臨むかというのが、サブです。


ということで、いわゆる後方支援のお仕事がロジと呼ばれます。こういう類のものは一般的には“段取り”とか“事前準備”とか呼ばれますが、わざわざロジという言葉を使うのは段取り以上のニュアンスも含んでいるからでしょうか。まあ「段取りお願いします」と言われても曖昧すぎるし、専門のチームがあるほどボリュームと重要度が高いからなのかなと思います。まあロジって使いやすいですしね。

都心に近いコンサルやイベント屋さんなどでも使われるみたいですし、自治体でも一部普及しているかもしれません。サブは使わんかな。

霞が関の仕事はロジに始まりロジに終わる

さて、なんでこの記事を書いてるかと言うと、先日のG7広島サミットでもTwitterで「ロジ大変そう」みたいなツイートをたくさん見かけたからです。サミット終了後は「ロジ頑張った官僚の皆さんお疲れ様」みたいな雰囲気でしたね。

霞が関の仕事はロジに始まりロジに終わると言われるほどロジまみれです。もちろん一番はロジ屋ともいわれる外務省でしょうが、それ以外でも交渉&調整&手配の業務が多いのが霞が関ですね。皆さんロジの大変さ、大切さを感じているからこそ、そして日々ロジをこなしているからこそTwitterでもごく普通に言及されるのでしょう。

ただ、私は正直そういうツイートをみて「ん?ロジ周りをそんなに誇るの?」という疑問がありました。帯同した職員や会場付近で対応したスタッフとかを労わるなら分かるけど…。いや、ロジ言いたいだけやろ、みたいな。

いやいや、中身が大事でしょう。現場の仕事が一番でしょ。と。

そこで、ふと自分の仕事を考えました。私だって土木公務員として現場を…。

あれ?

ロジしかしてない

ここから私の頭は、私を肯定する思考に入りました。

以下、ロジ上げ。

やっぱロジが大事です。

土木公務員とロジ

建設業界には「段取り八分・仕事二分」という言葉があります。死語になりつつありますが世間一般でも知られている言葉ですよね。意味は、事前準備をしっかりすれば仕事の8割は終わったようなものだぜ!みたいな。それだけ事前準備には時間も労力も掛かりますよってことですね。たぶん。

とくに土木の公共工事は分かりやすい例だと思います。海洋土木や山奥の工事では一度現場に出れば段取りのやり直しができません。すべて完璧に段どっていないと仕事にならなかったんですね。今ではスマホやケータイがあるので、ミスに気づいても現場から手直しをできることもあるでしょうけどね。

例えば、舗装工事の現場作業は実働1週間だとしても、その2~3か月前に契約をして、業者は事前準備に入ります。下請けや警備会社や運搬業者、メーカーやプラントを手配して、関係機関への届出や許可申請、発注者への施工計画書など大量の書類を提出。もちろん発注者側もそれなりに仕事はあります。それで現場作業は1週間で終わることもありますし、小規模なら1日作業もあるでしょう。

現場の施工、品質管理や出来形管理を正しくすることは大事です。でも、事前準備をちゃんとやってないとそもそも現場に入れません。

当たり前ですけど、事前準備(ロジ)も現場作業(サブ)も大事ということですね。

土木公務員が現場作業をすることは少ないです。現場補修とか、材料検査とか、出来形確認とか、竣工検査とか。あれ?意外にあるな…。まあ施工業者に比べればずいぶんと少ないものです。

現場=サブとするならば、ほとんどロジのお仕事ということになります。

でも、現場=サブで合ってるのかな?ロジって何ですかね?って話ですが、ロジには明確な定義はなく、本番(会議、イベント、当日作業)がちゃんとできるように本番前から本番中まで後方支援することです。

極端な話、建設現場の作業員たちも現場でロジこなしてます。市町村の工事では現場代理人が作業をすることは珍しくないのですが、代理人や現場のベテランさんたちは(次は○○の作業だから今のうちに機械を準備しよう)とか(材料が○○時に到着するからその前に作業配置を変えよう)とか考えて動いています。それもある意味ロジですよね。

こんなことを考え出したら、もはや現場=サブとは言えないし、ロジとサブの境界は無いような気がしてきます。

サブは実質・中身ですから、土木公務員の仕事を一応グループ分けすると、窓口系業務は置いておいて…、サブは施策や事業(成果物)の根幹となるものでしょう。例を挙げると計画案作成・仕様書作成・設計条件の設定・設計監理・施工条件の設定・施工監理などでしょうか。

ロジはサブがスムーズに進むように行われるその他雑務すべてということになると思います。例えば、予算措置・役所内の根回し・現地調査・関係機関協議・許可申請・地元調整など。

このようにグループ分けすると意外と私もサブやってますね。でも、逆にロジしかしてない部署もあると思います。定義はとくにないので個々人の感覚論になりますが、何がサブなのか、ロジは何のため行うのかを考えると、業務をスムーズにまわすヒントが見えてくる気がしますね。

そして、ロジのなかにもサブとロジがあるような気がします。ロジのためのロジとか…。

面白いですね(笑)皆さんも考えてみてはいかがでしょうか。

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