こんにちは、土木公務員ブロガーのカミノです。
ここでは、道路の管理などで関わりがある「ガス施設」について解説します。
土木公務員が関わるのは、道路に埋設されている中圧管とかだけだと思いますので、おもにガス導管について説明しますね。
ガス事業についてはこちらの記事をどうぞ(*’ω’*)ノ
都市ガスとLPガスの違いについてこちらの記事をどうぞ(/・ω・)/
一般的なガス施設の全体図
まずは全体から説明します。
都市ガスの一般的な施設・設備はこのようになっています。
LNGタンクからガスホルダーへ送られ、使わないときは貯蔵され、使うときは中圧ガス導管(中圧管)と低圧ガス導管(低圧管)を通り、各家庭のメーターに届いています。それぞれガバナと呼ばれる整圧器を経由していることがポイントです。ガバナとバルブで管理をおこなっています。
ガス導管の種類
図にあるとおり、中圧管は溶接接合の鋼管です。緑色の被覆をされているものが多いですね。古いものや地域によっては黄色や黒色・グレーのときもあります。
一方、低圧管はガス専用の黄色いポリエチレン管で、電気融着により一体化するEF接合が主流です。
中圧管 → 鋼管、溶接接合
低圧管 → ポリエチレン管(黄色)、EF接合
ややこしいのが、中圧管にも中圧Aと中圧Bという2種類あって、同じ路線に2つ入っているときもあること。低圧管や廃止管もあわせて3本入ってくることもたまにあります(;´・ω・)
いずれにせよ道路を掘るときには、埋設確認をしっかりして、図面があやしいときはガス会社に立会をお願いしましょう。先述した「簡易ガス(LPガス)」が入ってるときもあるので、緑や黄色の管や、鋼管っぽいのを見つけたら注意してください。
簡易ガスの管理者は、誰かわかりません( ゚Д゚)昔の物なら道路管理者も把握してなかったりします。近隣の家に聞いたりして頑張って調べるしかないですね。
高圧 → 1.0MPa 以上
中圧A → 0.3MPa 以上、1.0MPa未満
中圧B → 0.1MPa 以上、0.3MPa未満
低圧 → 0.1MPa 未満
ガス施設に関するQ&A
ではその他の専門用語についてはQ&Aでまとめてみます。
Q.ガスホルダーはなぜ丸いの?
ガスの圧力を均等に受けて、もっとも安全に貯蔵できる形だから。
Q.ガバナとは?
ガバナは整圧器のこと。適切に圧送できるように減圧する設備。
Q.地区ガバナとは?
地区ガバナは広いエリアを統括し、中圧から低圧に減圧する設備。
Q.導管とは?
ガス製造所のバルブから、消費者のガス栓までのすべての配管のこと。
Q.本支管とは?
道路に平行に敷設された管のこと。比較的大口径のものを「本管」、小口径のものを「支管」と呼びます。
Q.供給管とは?
本支管から分岐し、消費者の敷地までの管のこと。
Q.内管とは?
消費者の敷地内にある管のこと。また、内管の敷地からガスメーターまでの管を「灯外内管」、ガスメーターから下流を「灯内内管」といいます。
ガス配管工事の流れ
ガス配管工事のイメージはこんな感じですね。低圧のガス本管から分岐させて、敷地内に引き込んでいます。
基本的な土木工事の流れは、電気通信・上下水道などの配管ライフラインとおなじで、
舗装切断 →剥ぎ取り掘削 →管敷設 →埋め戻し →仮復旧 →舗装本復旧のような流れです。
ガス工事で特殊なのが、その場で点火試験をすることですね。火をつけるための商品なので火が付くかを確認することが必要なのです。
また、水道施設のように道路上にたくさんバルブがあるわけではないので、工事個所で特殊なストッパーをとりつけてガスの遮断をすることになります。中圧管の場合は溶接なので、完全に遮断していなければ爆発事故が起きてしまいますね(;´・ω・)爆発だけでなく酸欠も危ないです。もちろんそんなことがないように遮断確認をしますし、漏れていないか検査をおこない、安全を確認しながら作業をしています。
具体的な写真などは施工業者さんのWebサイトに載ってますので参考にされてください。
ガス導管工事|保安・導管事業|武陽ガス株式会社
ガス導管工事|事業案内|奥村組土木興業株式会社
おわりに
ということで、ガス施設・ガス導管について簡単に解説してみました。
土木公務員の仕事ではガス会社と打合せすることがあると思いますので、基礎知識として知っておくと役に立つかと思います。
随時加筆修正していきます。
ガス局やガス課がある自治体も全国に約20自治体ありますよ!
では、今日はこのあたりで。
またぬん(*’ω’*)ノ
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