道路使用許可とは?

仕事全般

道路使用許可とは、道路を交通の目的以外で使用するときに道路交通法第77条に基づき申請し、交通管理者である警察署長が許可をするものです。


こんにちは。土木公務員ブロガーのカミノです。

道路を通行以外の目的で使う場合は、道路使用許可をとる必要があります。

今回はその道路使用許可の概要についてまとめました。

公物全般の「使用」と「占用」の違いについてはこちらの記事をどうぞ↓

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道路法と道路交通法

まず、「道路使用」と「道路占用」で根拠となる法令が異なるのでおさえておきましょう。

道路使用許可:道路交通法 第77条
 許可権者:警察署長(交通管理者)

道路占用許可:道路法 第32条
 許可権者:国または自治体の長(道路管理者)

道路の持ち主は国や自治体ですが、持ち主ではない警察が道路使用を許可するとはどういうことでしょう?

なぜなのか、考えてみましたが、おそらくこれは道路管理者と交通管理者がなぜ分かれているの?という問いと同質なものだと思われます。これについての回答は、道路は生活基盤のうち最も重要で、国民全員が使うものなので、そのぶん事故防止と治安維持を目的とし、法秩序を守るためには警察権を持つ者が「交通管理者」とならなければいけないからです。これ、私の考えね。

そして、警察権を持っていて交通関係法令と使用実態にも精通した警察署が膨大な量の道路使用についても審査をおこない道路交通の秩序を守っているということでしょう。

まあ、これ以上は公物とか警察権についての専門的な学問の話になってしまうので、深堀りはやめておきましょう(*’ω’*)

道路行政と警察行政の関係性については、また今度書いてみます。

道路使用許可とは?

道路は、本来、人や車が通行する目的で作られたものであり、催し物をしたり、個人の物を置いたり、作業を行うことを目的として作られたものではありません。

ですので、目的外の使用については道路交通法第77条に基づき、許可を得る必要があります

例えば、工事や調査、チラシ配り、ロケ撮影、露店・屋台での営業、祭礼行事、イベント開催など。

極端な話、路上でナンパをするのも本来の道路の目的外使用なので許可が必要かもしれません( ゚Д゚)

使用許可の対象道路

「道路」の定義についても確認しておきましょう。

道路交通法の道路とは、現に公衆道路の形態をもつものです。

つまり、国道・都道府県・市区町村道などの公道のほかに里道や公園内通路、施設内の公衆道路、一般交通の用に供する場所なども対象となり、このような場所で対象となる行為をする場合は警察署に道路使用許可を申請する必要があるのです。

カミノ
カミノ

実は“公道のみ”を道路と定義する道路法よりも範囲が広くなっています。
人の交通があるところを無法地帯にするわけにはいかないからですね。

対象となる行為と許可基準

原則、道路交通を妨害するようなものを置いたりする危険な行為は道路交通法第76条で禁止されていますが、社会的な価値を有することから一定の要件を備えていれば許可できるものがあります。それが第77条に書かれている次の行為です。

  1. 道路において工事もしくは作業をしようとする行為(1号許可)
  2. 道路に石碑、広告板、アーチ等の工作物を設けようとする行為(2号許可)
  3. 場所を移動しないで、道路に露店、屋台等を出そうとする行為(3号許可)
  4. 道路において祭礼行事、ロケーション等をしようとする行為(4号許可)

    ※具体的な行為については、各都道府県道路交通規則に定められています。

これらの行為について、道路交通法第77条第2項の規定に基づき次の1、2、3のいずれかに該当する場合は許可をしなければなりません。

  1. 現に交通の妨害となるおそれがないと認められるとき
  2. 許可に付された条件に従って行われることにより交通の妨害となるおそれがなくなると認められるとき
  3. 現に交通の妨害となるおそれはあるが公益上又は社会の慣習上やむを得ないものであると認められるとき

法令ではこのようにざっくりとした書き方しかされておらず、実際は警察署の裁量が大きいです。

例えば、民間事業者がイベント開催の道路使用許可申請をするならば、そのイベント開催が交通への影響を上回る公益性をもっているかがポイントとなります。

申請手続きに必要な書類

申請の際に用意する書類はこちらです。

  • 道路使用許可申請書
  • 使用する道路の場所及び付近の見取図
  • 安全対策状況図
  • 設置する物件の構造図等の図面

愛知県警ウェブサイトの道路使用許可のページを参考にしました。

それぞれ2通提出して、そのうち1通に捺印されて申請者控えとして返却されます。

交通への影響を読み取って安全対策が適切になされるかを審査するので、その判断材料となる書類を用意しましょう。

安全対策状況図は任意の様式ですが、誘導員やセーフティコーン・バリケード等の安全対策施設をどこに配置して、交通をどのように変えるのかを図示しなければいけませんよ。

出典:道路工事の保安対策の手引 名古屋市緑政土木局

申請先は、警察署の交通課です。(交通管理課とか交通規制課と呼んだりもします)

手数料は2,000円~2,500円くらい。

許可が出るまでの期間は大体3日~1週間くらいだと思います。

事前の相談をする

申請する上で大事なことなのですが、はじめて申請するときはなるべく事前に相談に行き、道路使用許可が下りるためには、どのような対策をして、何の書類が必要かを確認しておきましょう。

とくに大規模工事や、地域活性化に資するイベント等の開催については、その実施場所、実施時間、実施形態等によって、交通の妨害となる程度が千差万別である上、地域住民や道路利用者等の合意形成の状況も一様ではありません。

協議には時間が掛かりますので、円滑に道路使用・占用許可手続を進めるため、十分な時間的余裕をもって事前相談をするようにして下さい。

カミノ
カミノ

交通課の人は刑事ドラマなんかの警察官とまったくちがいます。道路法・道路構造令・道路交通法など交通関係法令を熟知した道路交通のスペシャリストです。

では今日はこのあたりで。

またぬん(*’ω’*)ノシ

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