こんにちは、土木公務員ブロガーのカミノです。
土木工事や街路樹調査で樹木の大きさを区分するときは、「幹周(幹周り)」を測ると思います。
購入資材としては「樹高」も大きさの指標となりますが、現地調査とかで正確に測るのは難しいため、簡便に測ることができる幹周を採用しているんだと思います。
じつは幹周の測り方にもルールがありますので解説します。
幹周の定義
そもそも幹周って何て読むのか分からないかもしれません。私はとりあえず「みきしゅう」か「みきまわり」と読んでますが、送り仮名がないときは「みきしゅう」が正しいようです。皆さんもそう読んでください(笑)
国交省が定めている公共⽤緑化樹⽊等品質⼨法規格基準(案)に定義がありまして、それによると、幹周とは「樹木の幹の周長をいい、根鉢の上端より一・二m上りの位置を測定する。この部分に枝が分岐しているときは、その上部を測定する。幹が二本以上の樹木の場合においては、おのおのの周長の総和の七〇%をもって幹周とする。なお、「根元周」と特記する場合は、幹の根元の周長をいう。」らしいです。
はい、どこを測るかというと、地上から1.2mの高さの幹の周長を測るんですね。
よく分かってない職員や業者さんがてきとうな場所を測ってますがそれは間違いです。
この1.2mの高さは土木工事の共通仕様書や土木工事積算基準などで明記されていて、積算でも扱うポイントなので覚えておきましょう。逆に地上1.2mを測らずにてきとーな位置で計測して承認を得ずに伐採したら問題になる可能性があります。
工事積算など金額に関わるときはもちろん巻き尺を使って正確に測りますが、だいたいの大きさを知りたいときはスケールを幹にあてておおよその直径を読み取り×3.14をしてもいいと思います。私は樹木とか柱を測りたいけどスケールしかないときはそうしてます。
造園業者さんは高さ1.2mがわかるようにスケールをあてて管理写真をとってくれます。
高さ1.2mの位置で枝分かれしている場合
さきほどの定義に書いてありましたが、高さ1.2mの位置で何本かに枝分かれしているときは、それぞれの枝の周長を測り、総和の70%を幹周とします。
このルールは見落としがちで、枝分かれする前の幹周を測っていることが多いのですが、きちんと1.2mのところを測りましょう。
ただし、個人的にはこの数値は過大かなと思います。枝分かれするときに外側にぐぐ~と広がるので幹周は大きめになるからです。枝分かれの位置が下になっただけで「樹が大きい」と判断されるのはどうかなと思うのです。だからどうしたって話ですけど。
樹高が1.2m無い場合
たとえば支障樹木の撤去で樹高が1.2m無いってときもあると思います。そんなときは、樹形も見つつ、枝分かれしていない幹の部分を測ったりします。まあ樹高が1.2m未満の樹木の積算金額なんてたかが知れてますし大きな問題となることはありませんがね…。受注者さんは監督職員と協議してください。自己判断はしないように。
環境省は1.3m?
国際基準は確立されていないようですが、ヨーロッパ諸国では1.3mだとか、アメリカ森林警備隊では4.5フィート(1.37m)とかバラバラみたいですね。
また、さきほど説明した地上1.2mっていうのは国交省の規定であって、環境省の「巨樹・巨木林調査」では地上1.3mの高さの幹周を計測しています。環境省系では1.3mで統一してあるようです。このように国内でも異なる基準で運用していて、調査モノですと基準を変えるわけにはいかないので統一できていないのかもしれません。
まあこれは余談として、とりあえず、緑地公園・道路などで使われる公共用緑化樹木に関しては、「地上1.2mの高さの幹周を測る」で覚えておきましょう。
参考になりましたら幸いです。
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