こんにちは。田舎で地域手当無しのカミノです。
私たちの給与には基本給の他にいくつかの手当が含まれてます。
今日はその中のひとつ「地域手当」について、その概要と相場を説明します。
地域手当とは?
地域手当って基本給にそのまま加算されているため普段あまり気にしない手当だと思います。
また、地域手当が存在しない自治体(勤務地)も多くありますから、地域手当という言葉すら聞いた事ない若手職員も多いのではないでしょうか。
簡単に言うと、地域手当とは「都会と田舎の生活費の格差を埋めるためのもの」です。
なので、地域手当は地方公務員だけでなく国家公務員や民間企業にもあるんですが、地方自治体の地域手当の目的は主に以下の2つです。
地域手当の目的
1.勤務地によって生じてしまう支出の差(物価の差)を埋めるため
2.民間企業との賃金水準の差を調整するため
もちろん首都圏等の物価が高い地域ではそれだけ生活費が掛かるだろうということで調整金が発生します。
また、公務員の給料は民間の給料を元に設定していますから、同じ勤務地の民間企業と格差が出ないように給料を調整する必要も出てきますよね。
こんな理由で地域手当があるわけです。
対象地域とは?
総務省のH31資料によると全国の26.3%の自治体が支給をおこなっているとのこと。
都道府県は68.1%、政令指定都市は95.0%、市町村は23.3%の自治体で、地域手当が支給されています。市町村の支給率低いですよね😭
ただし、この数字は何を表しているのかよくわかりません。
地域手当の対象というのは、住んでいる地域ではなく、所属している自治体でもありません。地域手当の対象は実際に勤務している地域(市町村)です。外部に出向して勤務しているならその勤務地のことなわけで、つまり、都道府県と言っても、都道府県庁職員がその中のどの市町村で勤務しているかでその職員に支給されるかどうかは分かれるのです。この都道府県68.1%が何を示しているのか私には正確に理解できませんでした。まあ参考程度にしておきましょう。
支給割合とは?
また、基本給の何%を加算するかという支給割合というものが、対象地域毎に決まっています。
自治体によって特別に規定しているところもありますが、おそらくほとんどの自治体では人事院が作成した基準をもとにした対象地域と支給割合をそのまま採用していると思います。
それでは、支給地域を見てみましょう。
級地 | 主な支給地域 | 支給割合 |
---|---|---|
1級地 | 東京23区 | 20% |
2級地 | 大阪市、横浜市 | 16% |
3級地 | さいたま市、千葉市、名古屋市 | 15% |
4級地 | 神戸市 | 12% |
5級地 | 水戸市、大津市、京都市、奈良市、広島市、福岡市 | 10% |
6級地 | 仙台市、宇都宮市、甲府市、岐阜市、静岡市、津市、 和歌山市、高松市 | 6% |
7級地 | 札幌市、前橋市、新潟市、富山市、金沢市、福井市、 長野市、岡山市、徳島市、長崎市 | 3% |
つまり、東京23区であれば基本給の20%が給料に加算されるということです。
最高ですね!
地域手当の問題点
地域手当の問題点は、私の自治体(勤務地)には支給されていないということです。まじファックじゃないですか?こんなに仕事頑張ってるのに田舎だからって給料据え置きてどういうつもりなん?
失礼しました。冗談はさておき、実際のところ、この地域手当には重大な問題点があり、地域手当の撤廃見直しを訴える人も少なくありません。
高給な民間企業があるだけで公務員の給料も上がるわけですから、同じ生活圏なのに隣の自治体と給料が違うということが起きてしまいます。
例えば、茨城のつくば市は16%ですが、隣の阿見町は手当なし、ですので格差が生まれています。つくば市は学術・研究都市として有名なので、もしかしたら公務員も多少高度な業務をしているかもしれません。知らんけど。しかし、16%の格差は本当に適正なのでしょうか?年収にすると100万くらい変わってきますよね。私は適正だとは思えません。
この自治体格差は、民間企業との賃金差よりも重視すべきことだと思うのですが皆さんどう思いますか?
昔、地域手当が導入されたことによって全国的に自治体職員の給与は目減りされたという過去があります。
私のように地域手当を受け取ってない職員からすると、不満しかありません。
地域手当の差が大きすぎることから、手当が手厚い大都市への人材流出も問題視されています。
同じ業務をするのに、給与が100万変わるなら考えてしまいますよねー。
寒冷地手当と特地勤務手当
寒冷地手当と特地勤務手当というものもありまして、大きな括りとして地域手当と呼ぶ場合もあります。
今回の大筋とは逸れますが簡単にご紹介しときます。
寒冷地手当とは、文字通り、北海道や東北、北陸地方など、寒い日が多く特別に暖房費が掛かってしまう地域の手当です。
冬季に月に約1〜2万円程度支給されるようです。
特地勤務手当とは、離島や山間部など、生活を送る上で不便な地域の手当です。
例えば離島なら基本的にそこに住むだろうし、本土へ移動するだけでも交通費がすごい掛かっちゃいますもんね。宅配料金もかさみます。通勤手当等では賄えないほどの不公平感があるので支給されるのかな。
地域によって金額が変わりますが、給与の月額の約4~25%が支給されます。また、準特地勤務手当もあり、給与の月額の約2~6%が支給されます。
おわりに
都会と田舎の不公平さを是正するための地域手当について解説しました。
しかし、新たに自治体の格差を生み出していることが分かってもらえたかと思います。
高割合の支給を受けてる人は何も思わないかもしれませんが、私のように仕事頑張ってるのに手当なしの職員は納得できない制度です。
ぶっちゃけ、物価については住居手当等に反映させればいいし、ネットの均一価格で買い物する現代では非常に時代錯誤な制度だと言えます。民間企業の賃金水準についてはその市町村だけで考える話ではないと思います。
ただし、現実的に現金支給しているものを明日から大幅に減らしますというのは非常に難しいでしょう。支給割合の引き上げも、その莫大な予算をどこから捻出するのかという難しい課題があります。
しかし、大きな格差があるというのも事実です。今のネット社会では就活生は予め給与について詳細に調べられますし、若手職員もあまりの薄給に他自治体への転職を考えてしまうと思います。
冷静に考えて、同じきつい仕事なら給料高い方に行きますよね。
ぜひ見直しを実施してほしいです。
給料について考えてる方の参考にしてもらえれば幸いです。
地方公務員の給料についてはこちらの記事で書いてますので合わせてお読みください↓↓
今日はこのあたりで失礼します。
ありがとうございました。
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