通学路とは?通学路は誰がどうやって決めるの?

道路

こんにちは、土木公務員ブロガーのカミノです。

みなさん「通学路」って当然知ってますよね?

児童・生徒が学校に通うときに使う道路のことです。

もし通学路で悲惨な事故が起きれば、誰でも「通学路ならもっと安全にしなきゃ!」と思うはずですが、でも、よく考えると「通学路」とは何でしょう?誰がいつどうやって決めるんでしょう?

実は、通学路は学校指定通学路法指定通学路の2種類あります。

カミノ
カミノ

今日は知ってるようで知らない「通学路」について、行政の内側から解説します。

スポンサーリンク

学校指定通学路

一般的に「通学路」と言えば、「自宅から学校まで登下校時に使用する道路」のことを指しますが、それらは学校指定通学路がもとになっています。

カミノ
カミノ

指定通学路と呼んだりしますよ

学校指定通学路とは?

学校指定通学路とは、児童・生徒の安全を第一に考え、学校長が学校周辺の比較的安全と思われる道路を、保護者や地域と協議したうえで決定したものです。集団登校をする学校なら集合場所から学校までのルートですね。

国立市の小学校通学路図(国立市ウェブサイトより)

この学校指定通学路をもとに、一人一人の家庭ごとに自宅から学校までの道のりを決める必要があります。

設定基準は各自治体によって違いますが、例えば「浜松市の市立小中学校の通学路設定に関する基準」は次のようになっています。

指定通学路設定に当たっては、以下のいずれかの条件を満たすものとする。

(1)学校を中心とする半径おおむね500m以内の道路
(2)登下校時に、多くの児童生徒(目安として約20名)が使用する道路
(3)集団登校を行っている学校については、集合地点から学校までの道路
(4)その他、学校長が必要と認める道路

指定通学路の設定についての留意事項

(1)指定通学路の設定においては、できるだけ歩車道の区別のある道路とし、区別がない場合は、次の条件に留意する。
ア 車の交通量が比較的少ないこと。
イ 道路の幅員が児童生徒の通行を確保できる状態にあること。
ウ 路面や側溝等の占用状態が良好であること。
(2)危険な横断箇所には、横断歩道や信号機、歩道橋、地下道等が設置されていること。
(3)交通安全面からだけでなく、防犯面からも適切な道路環境であること。

カミノ
カミノ

「交通安全」「防犯」「防災」の3つの視点から安全を確認するのがポイントです。

根拠となる法律

学校の指定通学路の根拠となる法律は、学校保健安全法です。

生徒たちの心身の健康の保持増進を図る法律ですが、通学路に関しては、例えば27条に書かれています。

(学校安全計画の策定等)
第27条
 学校においては、児童生徒等の安全の確保を図るため、当該学校の施設及び設備の安全点検、児童生徒等に対する通学を含めた学校生活その他の日常生活における安全に関する指導、職員の研修その他学校における安全に関する事項について計画を策定し、これを実施しなければならない。

学校保健安全法をもとに、学校はより安全な通学路を設定し、安全を維持するための定期的なパトロールなどをおこなっています。さらに、防犯カメラを設置したり、見守りボランティア活動を実施している自治体もあるようです。

学校は年度当初に学校指定通学路を定めて、教育委員会へ報告します。また、生徒一人一人の通学路についても把握します。

学校の指定通学路は、教育委員会が所管しているわけですね。

教育委員会は、学校から提出された「指定通学路が示された地図」を警察や道路管理部署に送付し、通学路整備や改善の働きかけをします。

カミノ
カミノ

毎年、通学路の定期点検が学校の教職員・PTA・町内自治会・警察・道路管理者によって行われていて、私たち土木技師も参加しています。実際にみんなで歩いて危険個所をチェックしていますよ。

スポンサーリンク

法指定通学路

通学路は2種類あると言いましたが、もう片方の法指定通学路は、存在自体がまったく知られていないと思います。

まったく知られていない通学路っておかしな話ですね。いったいこれは何なんでしょう?

法指定通学路とは?

法指定通学路は、「交通安全施設等整備事業の推進に関する法律」に基づき、政令で道路管理者が指定した通学路のことです。

小学校の通学路を定めたものですが、この法指定通学路はなんと実際に使う通学路(学校指定通学路)とは一致しないことがあります。

どういうことかというと、法指定通学路は学校の指定通学路を参考に作られますが、“これから整備したい道路”も含まれるのです

法指定の通学路となれば、その道路の交通安全整備事業について自治体は半分の手出しだけで済むようになり、優先的に整備が進むことになります。国の補助を受けれるように指定するものなのです。

学校の指定通学路のようにマップも作成されますが、あまり公表されるものではないと思います。私の市役所でも、1号から4号基準を色分けした通学路地図が作られていますが、一般市民には公表されていないようです。もちろんお住いの自治体の法指定通学路を見たければ道路管理部署に問い合わせたり、情報開示を請求したりすれば、存在すれば閲覧することができます。

根拠となる法律

さきほども書きましたが、根拠となる法律は「交通安全施設等整備事業の推進に関する法律」です。

(特定交通安全施設等整備事業を実施すべき道路の指定)
第3条 国家公安委員会及び国土交通大臣は、道路における交通事故の発生状況、交通量その他の事情を考慮して内閣府令・国土交通省令で定める基準に従い、特に交通の安全を確保する必要があると認められる道路を、交通安全施設等整備事業でこれに要する費用の全部又は一部を国が負担し、又は補助するもの(以下「特定交通安全施設等整備事業」という。)を実施すべき道路として指定するものとする。
 国家公安委員会及び国土交通大臣は、前項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ、関係都道府県公安委員会及び当該道路の道路管理者の意見をきかなければならない。
 国家公安委員会及び国土交通大臣は、第一項の規定による指定をしたときは、内閣府令・国土交通省令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。

(費用の負担又は補助の特例)
第6条
 国は、道路管理者が都道府県道及び市町村道について実施する特定交通安全施設等整備事業のうち、第二条第三項第二号イに掲げる事業及び同号ロに掲げる事業で政令で定めるもの(前条第一項の規定により提出された実施計画に係るものに限る。)に要する費用については、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、その二分の一(道路管理者が政令で定める通学路に該当する市町村道について実施する同号イに掲げる事業に要する費用については、その十分の五・五)をその費用を負担する地方公共団体に対して補助する。

交通安全施設等整備事業の推進に関する法律

国が道路管理者の意見を聞いて指定する形になっています。

実務上は、法指定通学路は市町村の道路管理部署が所管になります。

法指定通学路がどんなものかについては施行令で規定しています。

(法第6条第3項の政令で定める通学路)
第4条 法第六条第三項の政令で定める通学路は、次に掲げるものとする。
 児童又は幼児が小学校(義務教育学校の前期課程及び特別支援学校の小学部を含む。)若しくは幼稚園、幼保連携型認定こども園又は保育所(以下これらを「小学校等」という。)に通うため一日につきおおむね四十人以上通行する道路の区間
 前号に掲げるもののほか、児童又は幼児が小学校等に通うため通行する道路の区間で、小学校等の敷地の出入口から一キロメートル以内の区域に存し、かつ、児童又は幼児の通行の安全を特に確保する必要があるもの

交通安全施設等整備事業の推進に関する法律施行令


さらに、詳しくは交通安全施設等整備事業の推進に関する法律施行規則に規定されています。

詳細は省きますが、交通量事故発生件数などをもとに4段階に分類されていて、それぞれ第1条の第1号から4号までに定められているので、1号基準~4号基準と呼ばれます。

例えば、1号基準は国道や県道などの市町村のメインストリートですね。ここは確実に歩道や安全施設を整備されているはずです。

スポンサーリンク

おわりに

ということで、「通学路」について簡単に説明してみました。

教育委員会の所管する通学路と、道路管理者が所管する通学路があることが分かっていただけましたか?

道路管理者のほうは、整備する費用を補助してもらうための便宜上の通学路だという認識です。

カミノ
カミノ

「法指定通学路」という言葉を聞いたら、学校の指定通学路とはべつものですから注意しましょう。

通学路に関する通知や指針はたくさんありますが、行政の具体的な取り組みについては、また今度書けたらなと思います。

では今日はこのあたりで。

またぬん(*’ω’*)ノ

コメント

タイトルとURLをコピーしました