法則大好きカミノです。今日はこの人をご紹介します。
パーキンソンじゃ。
いわゆるパーキンソンの法則と呼ばれるものには、第一法則、第二法則、凡俗法則の3つがあります。
パーキンソンの第一法則
人は本来怠け者で、ダラダラ、ゆっくり仕事をします。
早めにできました!と切り上げることはせず、細かいところにまで拘ったり、ときには休憩したり、寄り道を何度もしながら、与えられた時間いっぱいを使って仕事を仕上げてしまうのです。
だってそのための時間が与えられてるんだから。
これがパーキンソンの第一法則と呼ばれるものです。
今日はこのパーキンソンの法則について話したいと思います。
仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
パーキンソンの第一法則
皆さん、日々の業務で思い当たるのではないでしょうか。
周りから仕事ができないと言われている人はこの法則にハマっているかもしれません。
夏休みの宿題を最終日にしていたそこの君!
それはパーキンソンの第一法則だ!
でもこれ、元々パーキンソンが提唱したのはもっと具体的な話でした。
パーキンソンの調査
シリル・ノースコート・パーキンソンはイギリスの歴史学者・政治学者で、1958年に著作『パーキンソンの法則:進歩の追求』でいくつかの「法則」や「分析」を発表しました。
そのひとつに、「仕事の量に関係なく、役人の数は増え続ける」というのものがあります。
イギリスの海軍省および植民地省の人員数の変化を調査したパーキンソンはこう言いました。
役人増えてね?
第一世界大戦後の軍縮のおかげで、イギリス海軍の主力艦数は1914年→1928年の間に62隻→20隻に減少してました。(67.4%の減少) そして、士官・兵数は14万6千人から10万人へと減少。(31.5%の減少)
それにもかかわらず、海軍省は2000人から3569人と、1.7倍も増大していたのです。
船と軍人の数が減っているということは、明らかに軍としての仕事は減っているはずなのに、それを管理する将校の数は増えている!
植民地省についても一緒で、1935年→1943年→1954年の間に372人→817人→1661人、と役人の数は増えていました。1945年以降、イギリスの植民地はどんどん減っていて、仕事は減っているはずなのに。
パーキンソンは、官僚制内部の総職員数は、なすべき仕事の量の増減に関係なく、毎年5-7%増加したとも指摘しています。
法則を引き起こす素因とは?
なぜこのようなことになってしまうのか。パーキンソンは素因として2つ挙げています。
1)役人はライバルが増えることは望まない。部下を増やすことを望む。
2)役人は互いに仕事をつくりあう。
この2つの素因が相互に関係し、結果、役人はどんどん自己増殖すると言うのです。
人が増えるから無駄な仕事を増やす。仕事が増えたから人を増やす。
人や時間がある限り仕事は増え続ける。
意味無く仕事が増える!?衝撃的事実!!
ここから導き出されたのが第一法則「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」です。
公務員の私には耳が痛い話です。この素因は現代の公務員にも当てはまるからです。
役人はライバルが増えることは望まない。部下を増やすことを望む。
部下を増やすというのは、実現するかは別として多くの管理職が望んでいることでしょう。
うちの部署は忙しい!アピールをいつもしてますよね(笑)おまえがもっと働けば楽になるんじゃ!
もちろん人事権は人事課が掌握していますが、部局毎にある程度の人事権はあったりするもんです。ガチで権力をもった課長とかだと所属課の人員を増やすことを実現します。これは所属課からしてみれば有難いことですが、他の部署からしたらたまったもんじゃありません(笑)
公務員の数自体が増えているかはわかりませんが、仕事(無駄な仕事含む)は増えていると思いますから、人員は増えているかもしれませんね。ちょっと検索してみればアンチ公務員の方々がやれ国家公務員の数を減らせとか言ってるので、知りたい人は調べてみてください。
体感的には人数は横ばいな印象です。
役人は互いに仕事をつくりあう。
無駄な仕事多いですよね。
本当に常日頃から皆さん思っているはずです。
自己や所属部署の保身のために、他所の課もしくは部下に非効率な仕事を依頼してしまうのです。
(具体例)根拠のない無駄な訂正
こんなことがありました。
同僚の新人女性職員が、仕事を溜めすぎて書類の山に埋もれていました。心優しい私は私も関わる業務で処理が遅かったので、ひとつの書類に目を通すと業者から上がってきた作業報告書がありました。
この付箋は何?(優しい先輩風)
日付が、作業が完了した日から1週間経ってたので、作業完了日に訂正してもらいました。
え??その修正いる??
作業報告書なので完成届とは別の書類です。彼女の上司から、現場受け渡しの日付になるから、実際作業完了した日に訂正したほうがいいと言われたそうです。いや、受け渡しは完成届の日付(完成日)のことじゃないか?というか、作業”報告書”なんだから報告日でいいだろうと私は思いました。
彼女はよくわからないけど言われたので修正をさせたそうです。こんな重要でない書類の定義されていない些細な日付で何を無駄な時間を使っているんだ。実際公務員はこんな修正を重ねています。業者さんも負担ですよね。最初から日付を抜いてくる業者さんも多くいます。
上司は言いやすい人には細かいところまで指摘をしてきます。一方、反論してくる人、露骨に嫌な顔をする・態度をする人、には言ってきません。
心優しい私は、彼女にはぬるい指摘に対しては反論して舐められないようにしよう。とアドバイスしました。
舐められたらアカン。
第一法則への対策
与えられた時間いっぱいを使って仕事をしてしまう。ということですから、
対策としては、ズバリ、タスクを区切るということですね。
時間制限を設けて、小分けしたタスクをこなしていくということでしょうか。
仕事を依頼するときも、ケツを叩かないとやってくれない人もいますから期限を定めてリマインド促す感じでやりましょう。
無駄に人数が増えてしまうことに対しては、
(中略)こういったスタッフ機能の増殖は,組織運営上の非効率を生み出すだけでなく,現場情報からの乖離 (かいり) を引起し,市場に対する適切で素早い対応を妨げるようになる。そこで企業は,スタッフ部門を独立採算化したり,本社機能を意識的に縮小させるなどさまざまな対策を試みている。
コトバンク ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
とのこと。
正直、こういう法則においては対策が重要なんですが、私はあまり興味なくてふーんって感じです。
法則自体が好きなのです。
おわりに
こういう世の中の真理をついた自然現象的な法則は面白いですよね。
元々は役人に対する調査結果からできた法則でしたが、一般化されて、どの人でも当てはまる法則となっています。
第一法則だけで結構長くなってしまったので、第二法則と凡俗法則は分けて記事にしようと思います。
第二法則と凡俗法則についてはコチラからどうぞ↓↓
参考になれば幸いです。ありがとうございました。
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