新規採用研修とは、入庁したての新人職員に対して、ビジネスマナーや業務で扱うルールについての講習をおこなったり、グループワークやレクリエーションを通して同期の知り合いを作ってもらうために開催される研修です。
こんにちは、土木公務員ブロガーのカミノです。
今日は、市役所の新規採用研修について、どんなことをするのか、準備するもの、気を付けることを説明したいと思います。
新規採用研修とは?
新規採用研修とは、その名の通り、入庁したての新人職員に対して、ビジネスマナーや業務で扱うルールについての講習をおこなったり、また、グループワークやレクリエーションを通して同期の知り合いを作ってもらうために開催される研修です。
通常の4月入庁であれば、4月に3日間~2週間程度、研修会場で新人全員に対しての研修が行われます。4月1日の入庁式の翌日からスタートするのが通常だと思いますが、配属してから数週間経った頃に研修がはじまる自治体もあります。
また、「フォローアップ研修」「後期研修」という名称で、入庁半年後くらいに再度1~2日研修を設けている自治体も多いようです。
新規採用研修は、階層別研修の一種です。この他に「係長研修」や「課長補佐研修」、「管理職研修」や「課長級研修」などもあったりしますよ。「2、3、5年目研修」というものもあったりします。
新規採用研修の期間は自治体によって様々ですが、私の市役所では1週間くらい(土日含まず6~7日間)行われています。
ちなみに、気になったので「研修期間」についてTwitterでアンケートをとってみました。
やはり1週間程度が多いようです。0~3日間が30%以上いることに驚きますが、おそらくこれは1年目職員の方たちがコロナ禍で研修がなかったことによるものだと思います。Twitterって結構1年目の方が多いんですよね。
普段から3日間以下だと辛いですね。そういう市町村もありますけど(;´・ω・)
研修の内容(講習編)
事務系や技術系など色んな業種が同時に受講しますので、全体研修では社会人として常識的なルールやマナー、組織として仕事の進め方を学ぶような内容になっています。
具体的に紹介していきますね。誤解がないように言っておきますが、このうち何をするかは自治体によってまったく違いますからね( ゚Д゚)
公務員倫理
公務員としての心構えを学びます。社会人としてのコンプライアンス(法令遵守)についても学ぶことになると思います。個人情報保護とか、SNSの使い方とか。
近年は、公務員への市民の目は厳しいですからね。不祥事も報道されてしまいますし、パワハラ、モラハラ、セクハラなどもダメですよっと叩き込まれると思います。
公務員とは?地方自治とは?
公務員倫理とも内容が被りますが、地方公務員法や地方自治法という法律をもとに「地方自治制度」についてお勉強します。
法律の読み方
実際に法律の読み方、調べ方、使い方などを学びます。法務の研修ですね。眠くなる人も多いと思いますが、かなり大事です。
公文書の書き方
実務の話で、公文書の種類分けや、書き方を学びます。
仕事をはじめてみないとピンと来ないものですから、簡単に流して説明してくれると思いますよ。
文書管理システムについては、後日教えてくれるかもしれませんが、職場の教育係に任せてたり、自力で習得してくださいスタイルかもしれません。そんな場合は、起案文の書き方などは自分で勉強しましょう。
接遇マナー
いわゆるビジネスマナーのひとつで、電話応対や来客応対の仕方を学びます。
電話応対はどの部署でもありますから、実際に2人組やグループを組んで実践形式で練習すると思います。もしかしたらクレーム対応など、より実践的な内容を行い、新人たちに緊張感を与えるかもしれませんね(;´・ω・)
他にも身だしなみチェックとか名刺交換とか挨拶の仕方とかのビジネスマナーを一通り教えてもらえます。
電話応対は最初は全然下手でも問題ありませんよ。みんな下手です。慣れてくると緊張しなくなって何にでも対応できるようになります。
仕事の進め方
仕事の進め方を勉強します。ほうれんそう(報告・連絡・相談)とかPDCAサイクルとか、よくある内容ですね。一応詳しく実践しながら学んでいきます。
給与制度や就業規則
給与制度や就業規則なども簡単に説明があります。
残念なことに私の市役所では、ありませんでした。給与制度を教えてもらえない場合は自分で調べるしかないです。こちらの記事を参考にしてください(*´ω`*)
市役所の組織の仕事
市役所の組織について、また、部局や部署毎の仕事についてもかんたんに説明があります。
全部署を説明受けるのは不可能なので、特に花形部署などの職員が仕事内容を説明したり、パンフレットを読んだりするくらいです。
研修の内容(グループワーク編)
新人たち同士仲良くなってもらうことも研修の目的のひとつですから、積極的にグループワークは導入されています。半分以上がグループワークと言っても過言ではありません。入庁したての職員では大した立案はできませんから、意見交換や議論の方法を学ぶためのものです。
どんなものがあるか見てみましょう。
自己紹介シートを作る
グループワークでは、とにかく模造紙を使いたがります(笑)グループの班員を自己紹介したり他己紹介したりして模造紙にまとめて、張り出したりします。
自分の特長を書いてもらって、知り合いを増やすキッカケにしましょう。
よりよい市にするために
ありがちなのが、市の10年後とか、20年後、どのようになりたいか、どうすればいいのかを話し合う系のやつです。市役所が実際に掲げているビジョンもしくは新しく独自のビジョンを設定したりして、政策立案と行動内容を話し合います。
まちづくり政策についてのグループワークですね。
自治体が抱える課題を話し合う
自治体が直面している課題を題材に、解決に向けた調査・分析などを話し合ったり、政策提案に結び付けていく実践的な手法を学ぶものです。例えば、研究テーマは3つくらい用意されていて、「少子高齢化・人口減少」「○○産業の衰退」「観光客の減少」など、リアルで深刻な課題について話し合います。
自治体が直面しているリアルな課題について、具体的な数字や現状を覚えるキッカケになりますね。
地域の商店街を活性化
例えば、私の市役所では、こんなことをやっていました。
地域に実在する商店街を題材にして、その活性化の方法を話し合うものです。市町村には3~4つくらい有名な商店街があると思います。より馴染みがあるテーマについて、具体的に話し合えるので面白いですよね٩(ˊᗜˋ*)و
テーマは商店街以外にも、市が経営している動物園や植物園、水族館など他の施設を題材にすることもできそうですね。
ワールドカフェ
ワールドカフェとは、対話手法のひとつで、『カフェ』のようなリラックスした雰囲気の中で、少人数に分かれたテーブルで自由な対話を行い、時間ごとに他のテーブルとメンバーをシャッフルして対話を続けることにより、参加した全員の意見や知識を集めることができる手法です。
前述のテーマなどを話し合うときに取られる手法です。近年流行っています。
ただし、公務員の話し合いなので、もちろんお菓子や飲み物は用意されておらず、カフェほどリラックスした雰囲気は作られませんし、通常4人程度が望ましいのですが、6~8人でテーブルを作ったりして、“ワールドカフェの真似事”が行われている気がします。私の市役所でもルールが“ワールドカフェの真似事”でしたので研修中ちょっと悲しい気持ちになりました(;´・ω・)
対話手法は、その効果を最大限引き出すために正しい手法を学びましょう。
研修の内容(レクリエーション編)
同期で仲良くなるためのレクリエーションも行われます。例えば、簡単なものですとアイスブレイクゲームですね。
アイスブレイクとは、初対面の人同士が出会う時、その緊張をときほぐすための手法です。体を動かしながら、チームで競わせるタイプのものが多いです。
アイスブレイクには様々なものがあります。日本ファシリテーション協会の「アイスブレイク集」のなかで詳しく紹介されていますので参考までに。
他には、レクリエーションと呼んでいいのか分かりませんが、職場体験みたいなものがあったりします。農園に行って作業したり、福祉の現場に行って作業したり、消防署で体験入所したり、動物園や水族館で簡単な仕事をやってみたり…。
他には規律訓練みたいなものもあります。「右へならえ」みたいなやつです。
研修所も色々考えてくれていますよね。
さすがに公務中ですので、単純なスポーツなどはありません。
研修中の服装や持ってくるもの
研修中の服装はスーツです。男性も女性もリクルートスーツを着ていきましょう。レクリエーションのときは「作業しやすい服装」とか指定されると思います。
髪型は普通で良いです。髪色は少しブラウンでも構いません。というか市役所で茶髪の人とかもいますから気にする必要はありません( ゚Д゚)
持ってくるものは、筆記用具・印鑑・お茶・お弁当などです。
あらかじめ必要なものが知らせてもらえるので、忘れないように持っていきましょう。研修中に同期と仲良くなると、庁舎近くへランチに行く人たちもいます。せっかくの機会なので話しかけてランチに行きましょう٩(ˊᗜˋ*)و
研修中に気を付けること
研修中に気を付けることを話しておきます。
睡眠をしっかりとる
まず、睡眠をしっかりとること。大学の講義のように座学で寝る人たちが少なからずいます。給与をもらってますから寝ないようにしましょう。
私は大学の研究室の仕事をやらなければならない日があり、徹夜状態でグループワークに臨み、失態を起こしてしまった過去があります。夜しっかり寝ましょう。
研修の資料はひとつにまとめる
研修では沢山の資料や書類が配布されますが、けっこう重要なことが書いてあって後から見返すと勉強になります。
ひとつのファイリングにして、バラバラになったり無くなったりしないようにまとめておきましょう。
多くの人と交流する
よく言われると思いますが、多くの人と交流して話して仲良くなりましょう。知り合いになりましょう。
私の時は、毎晩誰かしら企画してくれて飲み会があってました。なるべく行ったほうがいんじゃないかな~と思いますよ。
知り合いが増えると仕事をしやすくなると言われますが、私はその実感は別にないかな。知り合いは仕事中にどんどん増えます。たしかに研修は別業種の人とも交流する数少ない機会ですから、仕事に繋がることもあるかもしれません。
私はそれよりも、自分のコミュニティを広げる機会だと感じました。同期の仲良しグループや部活動、サークルなど、趣味のコミュニティを作るうえで大切だと思います。
飲み会は社会人のルールを守って
同期との飲み会、特に研修中の飲み会は前途洋々の若者同士で盛り上がると思います。でも、学生コンパのノリで騒いだり、異性にしつこく口説いたりしないようにしましょう。
私もイケメンを狙いましたが、あとから考えるとやめといたほうがよかったなと思いました(笑)
おわりに
ということで、地方自治体の新規採用研修について、具体的に解説してみました。
大手民間企業では、新入社員に対して数か月間もの期間で研修をおこなう会社もありますし、最高に楽しかったと私の友人たちも話していました。
市役所の場合は、さすがにそこまで濃密な時間を過ごせるわけではありませんが、1週間程度でも入庁直後の特殊な心理状況ですから他人と仲良くなりやすい環境だと思います。研修中に異性の同期と仲良くなって、付き合って、結婚までいくカップルも毎年何組かはいますしね( ゚Д゚)
うらやまけしからん。
コロナ禍でも、なんらかの研修はあるんじゃないかと思います。ぜひ楽しんでください。
では今日はこのあたりで。
またぬん(*’ω’*)ノ
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