こんにちは、土木公務員ブロガーのカミノです。
鉄道と軌道(おまけで索道)について解説しようと思います。
鉄道は想像がつくと思います。JRとかですね。
軌道は、一般的に「鉄道のレールや線路」のことも指しますが、法律で定められた事業としては簡単に言うと路面電車のことを意味します。
鉄道と軌道は法律が分かれている
鉄道と軌道は、根拠法が違います。
鉄道とは?
鉄道は「鉄道事業法」に基づいて運営されています。
鉄道とは、専用の敷地にレールを設置して、専用の車両が走行するものです。私たちがイメージする電車ですね。
軌道とは?
軌道は「軌道法」に基づいて運営されています。
軌道とは、道路上に敷設されたレールの上を専用車両が走行するものです。
わかりやすく言うと路面電車のことですね! モノレールなども「軌道」に該当したりします。
鉄道の話で「軌道」とか「軌道敷」という名称も使われるのでややこしいですね。
索道とは?
スカイレール・モノレールの話も出ましたが、似ているのでついでに索道(さくどう)についても説明しておきます。
索道とは、空中に渡したロープに吊り下げた輸送用機器に人や貨物を乗せ、輸送を行う交通機関です。ロープウェイやゴンドラリフトのことですね(*’ω’*)
鉄道事業法に「索道事業」が規定されているんですが、この記事では説明は省きます。
鉄道と軌道の違いのポイントは「道路」
さて、それぞれ簡単に説明しましたが、鉄道は道路への敷設を原則禁止しているのに対し、軌道は原則として道路にレールを敷設して線路を設けることになっています。
つまり、道路の中にあるのが軌道ということですね(*’ω’*)
これが一番の違いだと思います。
軌道ハ特別ノ事由アル場合ヲ除クノ外之ヲ道路ニ敷設スヘシ(軌道法第2条)
実際は混在してます
ただし、実際はパッと見て区別がつかない路線は沢山あります。
軌道法で「新設軌道」と呼ばれている専用敷地に線路を設けている見た目「鉄道」っぽい「軌道」があったり、逆に、江ノ島電鉄のように道路併用区間がある見た目「軌道」っぽい「鉄道」もあったりします。先述の広島高速交通のアストラムラインは1つの路線のなかに鉄道区間と軌道区間があります。新交通システムではこのような混在路線が多いようです。
一番驚くのは大阪市営地下鉄が軌道だということ( ゚Д゚)道路要素があるんでしょうか。
なぜ混在しているかというと、逆にそもそも区別するのがおかしいからだと私は思います。鉄道と軌道が分かれているのは、鉄道は運輸省、軌道は建設省という縦割りがあったからです。つまり、法規では定義付けをしているけど、実態に即した合理的な分け方ではないのです。
↓の動画のようなめちゃくちゃな路線もありますよね。
現在は国交省に統一されましたが、まだ根拠法は統一されていません。ちなみに、行政はこれら鉄道の類をまとめて「鉄軌道」と呼んでいます。国交省が鉄軌道事業者を整理してくれていますのでコチラからどうぞ↓↓
おわりに
ここでは根拠法のもとづく定義としての違いを説明しましたが、ほかにも線路の規格や車両サイズ・定員などの基準に相違があるようです。具体的には【ユキサキNAVI】知っているようで知らない「路面電車」と「鉄道」の違い などのサイトをご覧ください。
まあ土木公務員は詳細について知っておく必要はないと思います。
大事なことは根拠法が異なるということです。
もしあなたが道路管理者の立場で、鉄道事業者と協議をするときは「道路法」と「鉄道事業法」の関係性を知っておかなければいけません。また、軌道の管理者と協議するときは「道路法」と「軌道法」の関係性ですね。
業務の参考になれば幸いです。
では、今日はこのあたりで。
またぬん(*’ω’*)ノ
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