法則大好きカミノです。今日はこの人をご紹介します。
パーキンソンじゃ。
いわゆるパーキンソンの法則と呼ばれるものには、第一法則、第二法則、凡俗法則の3つがあります。
パーキンソンの第二法則
シリル・ノースコート・パーキンソンはイギリスの歴史学者・政治学者で、1958年に著作『パーキンソンの法則:進歩の追求』でいくつかの「法則」や「分析」を発表しました。この著書の内容はコチラに書いてます↓↓
パーキンソンの第一法則は「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」というものでした。
これは「資源を使い切るまで需要は膨れ上がる」と一般化することができます。そして、資源をお金に言い換えたものが第二法則です。
支出の額は、収入の額に達するまで膨張する
パーキンソンの第二法則
収入が増えても、その限度いっぱいまで支出しちゃうよ。ってことです。
出世して収入が3万円増えたけど、新しい趣味を始めて毎月消費しちゃったとか、臨時収入あったけどすぐ飲み代で使っちゃったとか。
あるあるだと思います。
私の周りには給料日前に残金1000円の人がいます。
行政の場合は、決められた予算を目一杯使い切るということですね。これは皆さんご存じの事実だと思いますが、
行政について話す前に、予算の仕組みを知りましょう。
予算の仕組み
予算(よさん)とは、収入や支出の計画、また、一会計年度における(中央政府や地方政府の)歳入・歳出の計画。日本語の「予算」には一定期間の収入と支出の予定や計画という意味があり、政府だけでなく企業や家計といった経済主体でも策定される。
wikipedia
政府が公共事業をおこなうためにはお金が必要です。
税金などで得たお金を公共事業で使うわけですが、無駄な支出を減らして税金を節約するために、計画立てて、何から得て何に使ったかを整理する必要があります。時間の区切りも必要です。
そのために会計年度という枠組みが出来ました。
日本国家では4月から翌年3月までを予算会計年度としていますから、地方自治体も合理化のために倣って4月から3月までの1年間を予算会計年度としてます。
このシステムは、会計年度独立の原則と呼ばれています。
ちなみに、イギリスでは日本と同じで、4月から翌年3月までを予算会計年度としている。フランスやドイツでは1月から12月までを予算会計年度としている。アメリカでは10月から翌年9月までを予算会計年度としている。なお、アメリカの州予算では予算の期間を2年間としている州もある、とのこと。
ということで、年度当初に予算が議会で決まり、行政の場合は歳入と歳出がピタリと合うように計画されます。つまり税金などの収入を計算して、それに合うように、お金の使い方をすべて年度当初に決めちゃうのです。
この時点で第二法則を満たしているんですよね。
会計年度独立の原則の罠
さて、ここからが本題なのですが、この会計年度独立の原則には重要な罠があります。
とにかく予算が拡大していくのです。
もちろん節約!節約!と呼びかけてはいるのですが予算が膨れていくばかり…。
どうしてそうなってしまうのか、そのメカニズムを説明しますね。
例えば、公園の草刈り回数を増やしてくれと地元から要望されたとします。
たしかに、この公園は夏は草ボーボーになっていて町内会のボランティア清掃も参加率が悪く維持管理できていません。正直ボーボーでもいいやんと思いますが、使う人からするとちゃんと維持管理してほしいですよね。
たしかに草が伸び切っている期間が長いので、来年度から業者の除草回数を増やすことにして、来年度の予算を要求することにします。この判断は、まあ適切です。
今年度は予算が決まっているので、来年度から増やすことにしますね。
あら、ありがとう。これでゲートボールができるわあ。
ハイ、次年度の予算が増えました。
これが予算が膨れあがっていくメカニズムです。
会計年度独立の原則の宿命 ~増税~
って簡単に予算をつけてくれません。財政課にたいしては各課からお金を要求されていますから、適切な積算(見積もり)による根拠が必要になりますし、厳しい審査がなされます。
要求しても予算が切られてしまう。じゃあどうするか?
予算要求額をふっかけるわけです。見積もりを高めにして(5割増しとか)、少し予算がカットされても、大丈夫なようにしています。
もちろん予算削減のために、例年掛かる費用を縮小できないかアレコレ考えたりもしますが、結局焼け石に水です。削減よりも、遥かに上回る市民からの要望があり、やりたいことがどんどん増えるのです。
そんなわけで、予算要求額は一向に減らず、とにかく予算が拡大していくのです。
つまり、税金がどんどん上がります。
増税は宿命だと思います。
これを私はパーキンソンの第二法則 拡大の法則と呼んでいます。(今名付けました)
なんで増税するんだ!と怒る市民は多いでしょう。そりゃみんな怒ります。
Q.なんで?
A.そういうシステムだから。
市民からの終わりなき要求があるから。それが理由です。
必ずしも悪では無い
今初めてこの話を聞いた人はお怒りでしょう。
会計年度独立なんかやめろ!と。
まあ必要かつ合理的だからこの形に落ち着いてる訳ですが。
私も最初の頃は単年度ごとの予算システムをやめる方法ないかな?とか、どういう制度が税金を節約するための一番いい形なのかな?とか考えてたこともあります。
でも、今の考えはちょっと違います。
行政の支出は何も私利私欲のために使っている訳ではなく、民間企業に支払っているのです。
よく聞く言い方だと経済を回しているのです。こんな風に気楽に考えた方が精神衛生上よいのです。ケチって予算要求を遠慮してたら、市民からの要望に答えられず、自分が謝って精神をすり減らして病んでいってしまいます。
そうなるよりは、経済回しとるじゃ!オラァ!と考えた方がいいでしょ。
勿論、節約出来るとこは節約しながらね。
こんな訳で、予算は拡大していきます。民間の皆さんは行政からの請負を狙うべきでしょう。
行政の財源は、枯れることの無い大いなる泉なのだから。
第二法則への対応
やはり必要な分は整理して、計画して、削るところは削る!
それしかありません。
家計のことで言えば、
①最初から天引きする(財形貯蓄、投資信託)
②家計簿をつけて不必要な出費を削る
とにかく整理することが第一歩ですね。
公務員の仕事は、整理すること。
おわりに
パーキンソンの第二法則というよりも、予算の拡大について書きたかったから満足。
こういう世の中の真理をついた自然現象的な法則は面白いですよね。
法則は自然の流れ。
流されたくなければ、流れを知り、抗うことだ。
みなさんのお金コントロールの参考になれば幸いです。
今日はこのあたりで失礼します。ありがとうございました。
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