技術士第一次試験を合格するために

技術士
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こんにちは、土木公務員ブロガーのカミノです。

先日、技術士の1次試験を受けてきました。

自己採点では7割とれてたので合格してると思います(*‘∀‘)

ぶっちゃけあんまり勉強時間を取れなかったんですが、せっかくなので受験体験記として、合格するためにやった最低限のことを書きたいと思います。

率直な感想はこちら↓の記事に書きました。

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技術士1次試験の概要

技術士とは、資格試験を合格し、「科学技術に関する高度な知識」と「専門的応用能力」及び「高い技術者倫理」を備えていることを国によって認定された者です。

科学技術に関して、最も権威のある国家資格らしい(´・∀・`)ヘー

1次試験は技術士になるための2次試験の前段階にあたる試験で、合格すると技術士補になる資格が得られます。技術士補の登録は任意。

試験概要はこちら。

試験日:
11月頃、年1回
令和5年度スケジュールは↓

受験申込受付期間令和5年6月14日(水)~6月28日(水)
筆記試験日令和5年11月26日(日)
合格発表令和6年2月下旬

受験条件:
なし(誰でも受験可)

受験料:
11,000円

試験方式:
基礎科目…マークシート方式(60分)15問選択
適正科目…マークシート方式(60分)15問必須
専門科目…マークシート方式(120分)25問選択

合格基準:
全科目50%以上

合格率:
30~50%(下表参照)

年度受験者数合格者数合格率
令和4年度(2022年度)17,2257,26442.2%
令和3年度(2021年度)16,9775,31331.3%
令和2年度(2020年度)14,5946,38043.7%
令和元年度(2019年度)9,3374,53748.6%
平成30年度(2018年度)16,6766,30237.8%
過去5年分の全部門トータル合格率

マークシートによる5択なのに、50%とれれば合格できるという制度設計です。他の国家資格と比べると緩いですよね。そういう意味で難易度が低いと言われることもありますが、過去問をしっかり見ていないとわからない問題が多いので油断はできない試験です。

合格するためにしたこと

本番の私の自己採点結果は↓↓↓

基礎科目⋯11/15問 73%正解

適正科目⋯11/15問 73%正解

専門科目⋯19/25問 76%正解

このように本番では無事に70%以上得点することができました。まだ発表待ちですけど確実に合格ですよね。ということで、これから受験する方に向けて私が合格するためにしたことをご紹介します。

専門科目を選ぶ

まずは申し込みの時に専門科目を決めなきゃいけません。

「え?土木なんだし最終的に建設部門で技術士とるから1次試験も建設一択でしょ」と思ったそこのアナタ、ちょっと待ってください。

技術士は、機械部門や建設部門など21の技術部門に分かれているのが特徴で、1次試験でも総合技術監理部門を除く20部門の中から自分の専門分野を選んで受験します。その部門が「専門科目」となります。

ポイントは「1次試験で選んだ専門科目は2次試験には影響しない」ということです。つまり、1次試験の専門科目はどれでもいいのです。実際私のフォロワーさんの中には1次試験は他部門で受けて、2次試験では建設部門をとった方もいます。

そんな訳で合格だけを考えるなら合格しやすい部門を選んだ方がいいでしょう。といっても何が合格しやすいのかわかりません(笑)

土木の人は、結局のところ過去問解説本が充実してる建設部門が無難でしょうね(やっぱりそうなんかい)

建設・機械・電気電子などの人気部門は参考書が出版されていて勉強しやすいです。他にも、原子力部門は原子力学会の公式サイトで親切丁寧な解説PDFを無料公開するなど、受験者・合格者を輩出しようと力をいれてたりします↓

技術士 | 日本原子力学会 (aesj.net)

過去問は技術士Webサイトに載ってるので(※↓にリンク載せてます)いくつか興味がある部門を覗いてから決めてもいいかもしれません。私はなんとなく建設部門嫌だったので別の部門にしました(笑)

過去問を7年分見る

勉強法は、過去問を覚えることです。過去問は公式サイトからすべて入手できます↓

過去問題(第一次試験)|公益社団法人 日本技術士会

技術士第一次試験 試験問題の正答(令和5年度まで)|公益社団法人 日本技術士会

ぶっちゃけどんな試験でも過去問をみて「傾向と対策」を練るのは大事ですけど、この試験に関しては覚えるくらいの気持ちで勉強しましょう。

なぜかというと半分くらい過去問の流用だからです。立ち読みした参考書に書いてあったのですが、問題作成のルール(文科省だったかな?)では半分まで過去問流用が認められているんだとか。実際はまるごとコピペな問題と、類似問題とかもありますが、過去問から半分程度出てるというのは体感としてあります。過去問は7年分くらいで十分と思います。(というか売られてる過去問集がそのくらいの年数しか収録してない)

私は、本屋さんで見比べてみて自分に合ったものを買いました。基礎・適正だけ。

私が購入したのはコチラ↓

この本の良いところは、最初に「出題ジャンル総整理」があることです。ここによく出題される基礎知識が載っているので、いちいち自分で調べる手間が省けます。私は結局過去問だけでいっぱいいっぱいでしたが、時間がある人はココもなるべく読んで覚えたほうがいいと思います。追加でさらに5年分の過去問解説付きをダウンロードできるらしいけど7年分やって時間切れだったし、十分な気がしたので、ダウンロードしませんでした。

基礎科目の勉強方法

まずは基礎科目ですが、大学で学んだ内容です。

5つの問題群各6問からそれぞれ3問ずつを選択して計15問を解答する形式。

  • (1群) 設計・計画に関するもの
  • (2群) 情報・論理に関するもの
  • (3群) 解析に関するもの
  • (4群) 材料・化学・バイオに関するもの
  • (5群) 環境・エネルギー・技術に関するもの

自分の専門外も解かなきゃいけないので大変💦論理や解析など問題文を理解するだけでも手こずるものも多く、真面目に解くと時間がかかるので、ちょっと考えて分からなければすぐ答えを見て、理解できそうなら理解して次に行きました。そして、難しすぎる問題に出会ったら時間節約のために無視しました。

出題の半分は捨てれるので、合格だけを目指すなら過去問演習の段階で難問は切り捨ててもいいと思う。逆に、分かる問題や覚えられそうな問題・キーワードは頑張って覚えましょう。

私は化学が苦手で4群の過去問はさっぱり分かりませんでしたが、本番では「進○ゼミで見たことある!」みたいなノリで3問正解することができました。

カミノ
カミノ

過去問は偉大ですね🥺

適正科目の勉強方法

適正科目は、倫理的な問題や一般常識みたいなものも出題されるので勉強しなくても40%くらいとれるかもしれません。とくに努力しなくても過去問7年分を解いたら自然と要点を覚えて50%はとれるようになるとおもいます。

ただし、過去問3〜5年分でも足りますけど油断したらアウトなんで問題集収録分はやるべきです。15問読むだけなので大した時間はかかりません。

次の項目は必ず出るので押さえておきましょう。

  • 技術士法第4章
  • 技術者・研究者倫理
  • 製造物責任法
  • 知的財産権
  • 組織の社会的責任

専門科目の勉強方法

私は専門科目の参考書は買いませんでした。建設部門や機械部門などの人気部門なら参考書も出版されているのでチェックしてみてください。

専門科目は具体的な計画・設計に関する問題が出ます(施工に関することは出ません)。計算問題も多少ありますがメインは文章の正誤を判断するものです。「最も適切なものはどれか」または、「最も不適切なものはどれか」という問題が多い。

何から出題されるかというと部門によって違うかもしれませんが、○○白書みたいな国の計画や委員会の報告、法令等のルール、協会の設計指針などです。少なくとも建設系と呼ばれる建設、上下水道、衛生工学、農業、森林、水産、環境はそうだと思います。

技術者としてスキルアップのためにはこれらの勉強をしなければ受験する意味がないようなものですが、というか私もそのつもりで受験したのですが、時間不足のため計画や設計指針等を見て本格的に勉強することはできませんでした。悔やまれます…。

私の勉強方法ですが、シンプルに公式サイトの過去問をR4〜H28の7年分やりました。

“解いた”というより“読んだ”に近いですね。専門外で知らないことばかりだったので、正答の文章を理解して覚えるみたいな方法を取りました。年数を重ねると関連事項のワードとワードがどんどん繋がっていくのでそれを覚えたり。また、参考書をあてにしないでも頻出問題がわかるようになるので、終わった後に見返して「あーこれ他にもあったな」みたいな感じで頭の片隅にインプットしていきました。かなり不安が残る勉強法です(笑)

本番の解き方は、1番から読んでいき90~100%分かる問題をさくさくマークしていく。それで25問に届かないと思いますので、また1番に戻り次は70%くらいで正解できそうな問題を見つけてマークしていく、こんな感じで25問マークできたら終わりです。

勉強時間は?

さて、最後にトータルの勉強時間を計算してみます。過去問7年分やってその他の勉強はほぼゼロだったんですが、

解説も込みで基礎・適正1年分を1時間30分くらい。(早くなると1時間くらい?)

専門は1年分で1時間くらいかな。

7年分で合計17時間30分。

急いでやるともっと短いかもしれない。まあ理工学の素養がある人でも最低でも15時間くらいは確保できるようにしたほうがいいですね。もちろん数年分の過去問をやったうえで点数が伸びない人は演習量が足りないので何度も繰り返し覚えるまで、解けるようになるまで時間はかかると思います。ネットには50時間必要みたいな記事も見かけます。

大事なのは試験1週間前〜試験前日の直前期にどれだけ集中して脳に負荷をかけて暗記できるかです。私は試験当日の開始ギリギリまで過去問を見返しました。

50%とれば合格できると甘く見てると足元すくわれますので油断大敵で頑張りましょー。

参考になれば幸いです。

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