こんにちは、土木公務員ブロガーのカミノです。
令和3年度の1級土木施工管理技士を受け、無事に合格することができました(*´ω`*)
鉄は熱いうちに打て!ということで、忘れないうちに私が実践した勉強法や対策のポイントをブログに書き記しておきます。
全部書くとボリュームがありすぎるので、まずは1級土木施工管理技士の概要と、受験申し込みする前に注意することを解説します。
施工管理技士、略して「セコカン!」の解説です。
1級土木施工管理技士とは?
一般財団法人・全国建設研修センターの土木施工管理技術検定に合格すると、「土木施工管理技士」になることができます。
そもそも施工管理とは、建設工事の現場に合った施工計画を作成し、施工計画をもとに正しく工事を管理することを言います。つまり、国家資格である土木施工管理技士とは、土木工事を正しく施工管理できる、とその能力を国から認められた人物ということになります。ちなみに、公共工事で必ず配置しなければならない主任技術者や監理技術者になるために必要な資格です。
1級と2級がありますが、当然1級がより難しい内容ですね。
受験資格などは細かく決まっていまして、1級土木は大学の指定学科卒なら実務3年を経て受験することができます。高卒や高専卒、2級保持者などその他のカテゴリーは、全国建設研修センターのサイトでご確認ください。
ちなみに、「1級土木施工管理技士」は「一級」や「技師」は間違いです。国家資格なので正式名称で表記するようにしましょう。
1次検定と2次検定
1級土木の試験は1次検定と2次検定に分かれています。令和2年度までは「学科試験」と「実地試験」と呼ばれていました。両方ともペーパーテストです。
おおよそのスケジュールはこんな感じです。
合格証書届くまで長いですよね…
令和3年度から制度が改正されて、1次検定に合格すると「1級土木施工管理技士補」として認められるようになりましたよ。
1次検定と2次検定の対策については、個別記事で解説しました。
1級の合格率は…
さて、気になる合格率を見てみましょう。
年度 | 1次合格率 (%) | 1次合格者数 (人) | 2次合格率 (%) | 2次合格者数 (人) |
---|---|---|---|---|
令和3年度 | 60.6 | 22,851 | 36.6 | 9,732 |
令和2年度 | 60.1 | 17,885 | 31.0 | 7,499 |
令和1年度 | 54.7 | 18,076 | 45.3 | 11,190 |
平成30年度 | 56.5 | 16,117 | 34.5 | 9,521 |
平成29年度 | 66.2 | 22,930 | 30.0 | 9,424 |
平成28年度 | 55.0 | 19,454 | 36.7 | 10,219 |
平成27年度 | 54.6 | 19,551 | 37.3 | 10,266 |
平成26年度 | 58.5 | 19,389 | 39.5 | 11,064 |
平成25年度 | 60.0 | 19,568 | 35.3 | 10,299 |
平成24年度 | 54.8 | 20,674 | 34.6 | 9,585 |
おおよそ1次検定が60%、2次検定が35%ですかね。
1年で両方受けて合格できるのは21%ということです。
率だけ聞くと難しそうな印象ですが、受験者層の幅が広いだけで公務員試験に受かるくらいの人にとってはそこまで難しくはないと思います。
ちなみに合格基準は「得点が6割」です。もしかしたら基準が変わるかもしれませんので受験の手引き等で確認してください。
必要な勉強時間
1級土木の合格に必要な時間は、50~300時間くらいだと思います。
何時間勉強すれば合格できますよと表現しづらいのですが、大学で土木工学を学び実務経験を5年くらい積んでいれば、100時間程度で大丈夫と思います。
逆に勉強するのが大嫌いで、とにかく勉強したくなかったから大学進学せずに働きだしたという自覚がある人は、「勉強に集中できない&試験慣れしていない」可能性があるので、なるべく早くから勉強を始めて慣れていった方がいいでしょう。
とりあえず1次検定の過去問を1年分解いてみて、合格基準の6割から今の自分がどれくらい離れているかを確認しましょう。
最低でも、1次検定と2次検定合わせて50時間は確保したほうがいいです。
なぜ土木施工管理技士をとるのか
さて、概要についてはこのくらいにして、次に「なぜ土木施工管理技士(1級土木)をとるのか」を考えたいと思います。
まず、建設会社にお勤めの方は理由は単純ですね。
給料が上がるからです。1級土木の施工管理技士を抱えていれば会社は仕事をとりやすくなり、技術面でも会社に貢献できるようになります。ですから、待遇も良くなるし資格手当で給料も上がる。(そのぶん仕事は増える?)
私の地域の求人情報によると、1級土木を持っていれば5~10万基本給が上がるようです。実際のところどうなのかは知りませんけど。
さて、一方、公務員はというと、・・・1級土木をとるメリットはありません。
手当は付きませんし、給料が1ミリもあがらないどころか、受験料と教材代と交通費で圧倒的赤字です。
なぜそれでも資格を取るのかというと、①勉強になるから、②公務員をやめてもご飯を食べていけるから、③なんとなく国家資格を持ちたいから、みたいな理由でしょうか。私の場合は、そんな感じです。
実際のところ土木全般の勉強になったし、労働安全衛生規則なんて試験勉強してなければ読んでなかったので(←オイ)、大変有意義だったと思います。
このように公務員の場合はすこしモチベーションが違い、「資格を得るために」と同じくらい「勉強をするために」土木施工管理技士を受験します。
公務員で1級土木を受験しよう!と考えること自体が、意識が高くて、尊敬に値するのではないかと思います。(もっと私を褒めてください。)逆に言うと、公務員で受験するなら1級土木くらいは受かって当たり前みたいな雰囲気もありますね。
2級から受ける人もいますが、個人的に公務員試験に受かるならいきなり1級から受けても問題ないかなと思いますよ。
申し込む前に注意すること
さて、受験を申し込む前に注意することを説明しておきます。
・申込期間を確認する
・資格取得の助成金を申請する
・実務経験は、2次検定の経験記述で書く予定の工事を記載する
申込期間を確認する
令和3年度の1級土木の「受験の手引き」がアップされたのは2月か3月くらいでした。それで受験申込の受付期間は令和3年3月17日(水)~3月31日(水)となっていますので、けっこう時間がありません(笑)
ちなみに、新規受験者はインターネット申し込みできませんので、申込用紙を購入して郵送してもらう時間も考えておかなきゃいけない(;´・ω・)
学歴を証明する「卒業証明書」などを大学の窓口やシステムなどで発行して、申込用紙が来たら実務経験などたくさんの項目を記入して、証明者たち(所属長)にサインをしてもらい、受験料を払い込んで、郵送します。令和3年度から証明者の押印は必要なくなりました。
これを3月の忙しい時期にしなければなりませんから、まずこれが第一関門と言えるでしょう(;´・ω・)
受験の手引きをよく読んで、早めに準備しておきましょう。
資格取得の助成金を申請する
公務員であれば、役所に職員の自己啓発のための助成金制度があったりします。
例えば、桐生市には「桐生市職員の資格取得助成金支給要綱」があり、受験料などの費用の50%が戻ってきます。役所によって助成の割合は50%~全額とさまざまです。
1級土木の受験料は合計21,000円ですよね。50%でも10,500円戻ってくるのは大きい!
受験申込の前にあらかじめ助成金のルールを確認して、申請しておきましょう。
また、民間企業の方は、会社の支援制度とか、労働組合の支援制度を確認してください。ちなみに、建設技術協会でも資格取得の助成をしているという噂を聞いたことがありますよ。サイトを見てみましたがそれらしきページはありませんでしたので、ホントかどうかわかりませんが(;´・ω・)
助成金を活用するなら、領収証が必要になるので必ず保管しておきましょう。
実務経験は、2次検定で書く予定の工事を記載する
1級土木施工管理技士は受験するために「実務経験」が必要です。
また、2次検定では経験記述として、担当した工事現場の体験談を書くことになります。「未記載の工事で経験記述を書いてはいけない」というルールは無いんですが、実務経験欄にない工事を経験記述で書かれても信憑性を担保できないので、減点される可能性を減らすためにも念のために受験申込のときに書いた工事のことを2次検定でも書いたほうが良いと思います。
自分が担当した工事のなかで、「品質管理」「安全管理」「工程管理」を書きやすそうな工事をあらかじめ考えておき、申し込みの際の「指導監督的実務経験」に入れておきましょう。
おわりに
というわけで、長くなりましたが、1級土木施工管理技士について概要を解説しました。
正直、土木公務員で持っておくべき資格は1級土木くらいかなと思います。それくらい土木全般を学ぶには“ちょうどいい勉強量”だと言えますね。あくまで私個人の考えですけど(;´・ω・)
おすすめの参考書はこちらで解説しました↓よければどうぞ(*’ω’*)
今日はこのあたりで。
またぬん(*’ω’*)ノ
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