工事設計書の体系ツリーの構成を知ろう

積算入門

こんにちは、土木公務員ブロガーのカミノです。

工事設計書は積算ソフト(積算システム)で作られますが、工事費を積み上げていく過程で、体系階層がつくられます。この体系ツリーは国交省が定義してルール化(新土木工事積算大系)しているものの、自治体の各部署でそれが徹底されているかというとかなり微妙で、じっさい自治体ごと、部署ごと、作成者によってさまざまです。

なぜかというと国交省の体系ツリー通りに積算するということは、数量総括表から丁寧に準拠する必要があり、手直しが大変なのと、内容を把握してる担当者からすると、自分なりのツリーで作ったほうがわかりやすいときがあるからです。

設計書がごちゃごちゃしていると、何を工事するのか読み取れず、検算もやりにくい、ミスが多いものになってしまいます。

ここでは、そんな設計書の体系ツリー構成について、かんたんに解説します。

カミノ
カミノ

設計書は「工事費内訳書」とも呼びます。

業者さんへ公表されるものは金抜き設計書(単価が消されたもの)といいます。

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工事設計書とは?

設計書と聞くと、素人の方は図面を思い浮かべるかもしれませんが、

設計書とは、工事の設計金額(予定価格)を算出したもので、作業内容を羅列した変哲もない“ただの表”です( ゚Д゚)

積算ソフトに数量表の数量を入力してつくるのですが、出力された様式は積算ソフトによって異なります。書いてある内容は「掘削 ○○ 30m3」とか「表層工 ○○ 100m2」みたいに工種と積算条件が書かれていて、どのソフトもほぼ同じです。

富山県魚津市の金抜き設計書

厳密に言えば違いますが、私は設計書は設計図書の一部と考えています。

設計図書については、こちらの記事で解説しています。

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工事設計書の体系ツリー構成

設計書はたくさんの階層(レベル)に分かれています。

国交省の定義では、このようにレベルが分かれています。

国総研Webサイトより

レベル4と5が基本単位で、労務・材料・機械の組み合わせ(歩掛)で単価を算出するものです。それぞれの基本作業単価を、ひとまとまりの工種ごとに積み上げることによって、ツリーが出来上がっています。

例えば、ひとつの道路工事を積算するにしても、大きく分けると、道路改良と舗装の2つに分かれ、道路改良のなかに、擁壁工・排水構造物工などのように分かれていて、擁壁工のなかも作業土工・プレキャスト擁壁工と分かれていたりします。またプレキャスト擁壁工のなかも…(以下略)あくまで例ですが。

工事の体系ツリーのルールも発表されていますので、自分の担当分野のところをご確認ください。

令和3年度改訂版工事工種体系ツリー (nilim.go.jp)

新土木工事積算大系の解説 (nilim.go.jp)

工事費の積み上げ方については下記の記事をご覧ください(*´ω`*)

カミノ
カミノ

この階層体系をかんぺきに覚える必要はありませんよ。てか使ってない部署も多いですし…。

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内訳書とは?

さて、実務の話ですが、市役所発注の道路工事(作業内容は、擁壁と舗装)の設計書を、わかりやすく概略化すると、こんな感じです。

内訳書(直接工事費まで)

この工事全体を説明した表を内訳書といいます。(ホントは諸経費の計算まで載ってますよ。)内訳書が最初にきて、そのあとに明細書や代価表と呼ばれるさらに細かい内訳が出力されます。

↑のやつは国交省の体系ツリーになるべく忠実に積み上げたものです。

一方、↓のように明細を一括りにして、内訳書では「○○工 1式」と表現することもできます。

設計金額はどちらも同じです。表現方法が違うだけですね。

積算ソフトで、どこの工種をひとまとめにするのか、自由自在なことがお分かりになったかと思います。代価表のなかに代価表を作ったりもできるので、もうめちゃくちゃにできます(笑)

また、金額が入ってくるとツリーごとに集計されて金額表示されます。こんな感じ。

↑の表ですと、擁壁工は、下位の「作業土工」と「プレキャスト擁壁工」を集計した金額になっていますよね(*´ω`*)

カミノ
カミノ

作業内容にたいする金額が不適当ではないかを各行で確認しましょう。

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明細書と代価表

呼び方は、さまざまですが、ここでは、明細書と代価表と呼びます。

内訳書で示した一つずつの施工について詳しく歩掛等を示したものが明細書や代価表です。その基本となる単価表もあったりしますが私もよくわかっていないため、ここでは割愛します。言葉の使い分けは気にしないでください。まとめて明細と呼んだり、内訳と呼んだりしますので(;´・ω・)

明細書と代価表で計算された単価が内訳書に飛んできます。

明細書とは?

明細書は、一連の作業をまとめて1式と表現した施工単価表のことです。←あくまで私の定義。

内訳書が長くなりすぎる時や、根拠資料の関係でまとめたほうが分かりやすい時などに使ったりします。もちろん明細書の中身のボリュームが大きければ、第2の内訳書みたいに長くなり、明細書のなかに明細書や代価表が出てくることもあります。

さきほどの例でいうと、こんな表になりますね。作業土工を1式でまとめることはありえませんが(笑)

代価表とは?

代価表は、一連の作業をまとめて、単位当たり施工費を算出するための施工単価表のことです。←あくまで私の定義。 単価表ともいうかもしれません。

よくいう労務・材料・機械の歩掛はこちらで見ることができます。

例のごとく数字はてきとーです。

いまでは、掘削みたいな代表的な作業はすべて施工パッケージ化されてますので、特殊な条件でない限り歩掛表を見かけることはありませんね。あくまで例です。

代価表のなかに代価表があることも珍しくありませんので、子施工(さらなる内訳のこと)を出力されていなければ、第三者がその内訳を知ることはできなくなります。

カミノ
カミノ

右上の「〇〇当り」の単位数量はめっちゃ大事です。手入力のときはよくミスがありますので必ず全代価表をチェックしましょう。

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おわりに

工事設計書の体系ツリーと、内訳書の見方を説明してみました。

なんとなく分かったでしょうか?

積算するうえでは、使う使わないに関わらず、とりあえず国交省の新土木工事積算大系(体系ツリー)を理解しておいた方が良いと思います。

一応、設計書を統一化して、誰が作っても同じ、誰が見ても同じ、発注者と受注者にとってわかりやすいものにする、という目的のもと整備されています。

工種が多い工事だと、ツリー通りの入力をすると、長ったらしい内訳書になり、設計金額の全体像が掴みづらくなってしまうので、ツリーを無視する担当者も多いですが、その概要は理解しておいたほうがいいでしょう。

カミノ
カミノ

積算内容を整理するうえでも役に立ちます。

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請負工事費の構成(土木積算の基礎)

積算をするために使う本を紹介します(土木工事編)

発注するために設計図書が必要です(図面・仕様書・設計書)

では、今日はこのあたりで。

またぬん(*’ω’*)ノ

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